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2021年2月の読書日記


読んだ本の数:10
読んだページ数:2176

今月は非小説系に収穫がありました。

聖なるズー   濱野 ちひろ
エンド・オブ・ライフ  佐々涼子
ぼく自身のノオト  ヒュー・プレイサー

が圧倒的に良かったです。

エンド・オブ・ライフは、本屋大賞のノンフィクション本大賞受賞作

聖なるズー は候補作です。
動物との恋愛を描いた衝撃の作品。

ぼく自身のノオト は30年前の名著復活です。

他にもう1冊

現代経済学の直観的方法  長沼伸一郎

経済学の入門書
これはとても面白い。

以下、簡単なまとめ・・・


ワンコイン心理術 500円で人のこころをつかむ心理学 PHP文庫


おもしろく簡単に読めるのだが、作者はたくさん本を出していて、僕が前に読んだ本とダブっているところがかなりあった。心理学を使って人を操ろうという感じに見えた。心理学を使うと出世したり恋人ができたりするかもしれない。簡単でわかりやすく面白い内容の心理術がほどありました。
読了日:02月06日 著者:メンタリストDaiGo


オードリー・タン デジタルとAIの未来を語るの感想
 

この人はトランスジェンダーだ。それでいて台湾のIT関連の政府の偉い人なのだ。男とか女とか、金持ちとか貧乏人とか枠組みにとらわれない。みんなの利便性を高める。最大幸福を望む政治思想に共感する。政治のことを議論できるネットの場を作ったのはすごい。プラステックのストローが禁止になったのは、そこでの議論からで発案者は未成年の女の子というのもいいな。aiを自転車。つまり、自分たちの生活を便利にする道具ととらえていて、あくまで中心は人間だというのもいい。ネットのわからない老人にも配慮しているので理想的だ。
読了日:02月09日 著者:オードリー・タン

旅する練習の感想


芥川賞候補作品。コロナで休校のサッカー少女の姪と作家のおじさんの歩き旅。合宿中に借りたままの本を返しに行くのが目的だが、風景や鳥の話し。そして、合流する女子大生の語るジーコの話しに惹きつけられる。就活生の不採用のメールは当時話題になった社会問題。これは人生という旅の練習の旅であるということなのかな。万人向けではないが楽し。ジーコの話しがいい。
読了日:02月11日 著者:乗代雄介

多動力 (幻冬舎文庫)の感想
再読。堀江さんの本の中で一番、彼の思想が滲み出ている本だと思う。多く動く、すぐ動く。その為ストレスをためず睡眠をとり、無駄な仕事は排除する。それは仕事だけでなく人間もだ。効率よく動ける体制を作りアクティブに動き学び生きる。まさに理想的な生き方である。前に読んだはずなのに忘れてる。これは堀江さんだからできるという話でなく、一般人である僕たちも、そういう生き方を念頭に置いて生きるべきなのである。もっと能動的にアクティブな生き方を。時間は限られている。嫌なことに時間は食われたくない。勇気づけられる。
読了日:02月13日 著者:堀江貴文

聖なるズーの感想
正直、変態の本だと思い興味本位で手にとった。獣とセックスするなんてありえないからだ。本書は、ズーと呼ばれる犬や馬を恋愛対象にしている人たちを丹念に取材しレポートに仕上げた秀作である。最後まで読むと、あることに気づく。このタイトルだ。「聖なるズー」。その愛の純粋性の高さは、人間と人間のそれとは比較にならないほどに純度が高く。相手に対する思いやりとかを考えると、対人間に対するよりも、ズーの人たちの方が、むしろ「愛」を体現しているのではないかと思ってしまう。それほどに彼らは「聖なる」ものである。そう感じた。
読了日:02月14日 著者:濱野 ちひろ


比例区は「悪魔」と書くのだ、人間どもの感想


作者がお笑い芸人だったこともあり楽しい。発想がおもしろかった。「三十年後の俺」という作品がとても哀愁がある。ドラえもんのタイトルは忘れたがしずかちゃんと結婚する映画。あれみたい。自分に似たオッサンが、30年後の自分だと言って現れる話し。同じことを未来にタイムマシーンで別れた息子にやってしまうんだよね。野球選手の新魔球の話しもなかなか楽しい。最後は少し悲しげなのが良い。金の斧ですか、銀の斧ですかって話しも今風だし、幽霊がユーチューブの映像に映り込む話しも楽しかった。
読了日:02月17日 著者:藤崎 翔

応仁悪童伝応の感想
少年の視線で応仁の乱を描いた作品。二人の少年の欲望が交差し、大人たちの権力欲の中に取り込まれていきそうになるのが良い。一休や千利休、山名宗全など有名人がたくさん登場するのも面白い。アクションシーンも満載で楽しめるが、とにかく軽い。時代物エンタメの域の中を右往左往しているそういう作品です。山名宗全と一休の娘の隠し子という設定もきつい。
読了日:02月20日 著者:木下昌輝

エンド・オブ・ライフ (集英社インターナショナル))の感想
本屋大賞のノンフィクション本大賞受賞作と言うことで読んだ。京都の訪問診療所の話し。森山という訪問看護師の男性が癌で死ぬストーリーと、多数の看取りが実例とともに示されている秀作。死ぬ間際まで必死に生きようとした潮干狩りに行った母親の話しと、作者の母親の死。父が介護した話し。それから森山さんの死。人の最後は崇高であると思った。思ったよりも穏やかなので少しびっくりした。死ぬのも大変なのだと思う。良い医師との出会いがあれば良い終末医療が受けられるようだ。
読了日:02月21日 著者:佐々涼子

ぼく自身のノオトの感想
50年くらい前のベストセラーの復刻版だ。ジャンルで分類すると自己啓発、それとも哲学なのだろうか?。そこにあるのは言葉だ。そこには作者の感情が沈殿していて手に触れた読者の中に、まるでピアノの鍵盤を強く叩いたように腹の底から響き渡るのだった。例えば、こういうの・・・「ぼくのいけないのは、人生を生きようとするのではなく、分析しようとすること」とか「ほとんどの言葉は外の世界を描写することによって発達してきたのだから、ぼくの内面に起こることを述べるには不十分である」。読者によって響く言葉はそれぞれ、それも良い。
読了日:02月23日 著者:ヒュー・プレイサー

現代経済学の直観的方法の感想
現在の経済学基礎的な考え方をわかりやすく簡単な例を用いて解説した丁寧な経済入門書である。物理の用語か何かわからないが知らない言葉があり少しとまどった。パートごとに要約があるので、まとめて復習できるのも良かった。ただ、まったく経済的知識のない人が読んでも、ほとんど理解不可能なのではないかと思われる。とくに最終章の縮退してコプラサー化していくの話しはかなり難解だと思う。
読了日:02月28日 著者:長沼伸一郎


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