感想 横浜駅SF 全国版 柞刈湯葉 横浜駅SFの続編。群馬編は最高だが、他は残念な感じがします。
横浜駅SFの続編。
短編集。
群馬編以外はさほど面白くなかった。
前作とは違い、読みやすさやまとまりはあるのですが、設定が生かせてない。
前作の前の時代を描いたものだが、肝心のユキエの正体も曖昧でイライラする。
熊本編では、殺人事件。まるでミステリー小説。それも稚拙な。
群馬編は面白かった。
青目先生と相棒の男性のやり取りは楽しい。
キトという少女を駅外に見捨てるということがある。
その後、火山が爆破し街が崩壊する。
先生の本や家もめちゃぐちゃになるのだが、そこは横浜駅の構内。
ダメになった本や家も元みたいに修復したのだった。
そこにいたのが、外界に見捨ててきたキトという少女。
震災のどたばたで構内に入ってきたのかと思われる。
しかし、その後、キトが元いた外界で少女の死体が見つかる。
目の前にキトはいる。
このキトは何なのか。
震災でダメになった本や家と同じように横浜駅が修復したのか。
死体があるのだから、それはキトではない。
でも、キトである。
すごく不思議な話し・・・・。
これが人工知能と人の差なのか。
人と本は同じなのか。
生きることの意味を知らない横浜駅に人類を幸せにできるわけがないということなんだろう。
2022 9 4
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