見出し画像

2023年度 7月の読書日記 おすすめ本あり


7月の読書日記

読んだ本の数:19
読んだページ数:7394
ナイス数:248


少し多く読めました。
収穫も多かったです。

今月のおすすめ本は5冊です。




上橋さんのファンタジー小説。
読みがいのある秀作。
バッタの被害が関係してくる。

香君 上 西から来た少女 (文春e-book)
香君 下 遥かな道 (文春e-book)








イキガミシリーズの最初の巻です。
山田風太郎の忍法帖シリーズみたいな躍動感。
面白い。
全巻出てから一気読みがいいかもしれません。

イクサガミ 天 (講談社文庫)

池井戸潤さんの作品では、ドラマ化しているハヤブサ消防団が人気ですが
あれは今いち。
本作はバンカーと企業家の共闘を描いた秀作
銀行の世界の生々しさがよく出てます。
読む価値のある作品でした。



【合本版】アキラとあきら(上下巻) (集英社文庫)


村上春樹の長編作品。
少し中二病かかってますが、面白さは秀逸。
この独特の世界は読む価値あり。


騎士団長殺し(新潮文庫) 全4冊セット

新作からも紹介。
海外のファンタジー小説に匹敵する世界観の和製ファンタジー小説が本作
後半、やや難点があるがかなり面白い。
ファンタジー小説好きの人には一読の価値ありかと。



レーエンデ国物語







以下、簡単な感想。

Iの悲劇 (文春文庫 よ 29-3)感想
クイーンの名作に、Yの悲劇というのがありますが、これはアイターンの話し、どちらかというと、アガサの誰もいなくなったに近い。しかし、こんな犯罪傾向の高い人ばかり集めたよなと思います。そして、最終章のオチ。これは強烈でした。人がよく描けていて、だから面白かった。短編ミステリーなのですが、白い仏の話しなんかホラーだった。全体が陽気な感じなので読みやすく良かった。
読了日:07月02日 著者:米澤 穂信

イクサガミ 天 (講談社文庫)感想
当時、警官の給与が四円の時代に10万という膨大な賞金。全国の勇者たちが集結したbattle。山田風太郎「忍法帖」シリーズに似ていると言われていますが、その通りだと感じました。キャラが秀逸、嵯峨愁二郎、少女双葉。元忍者の柘植響陣。アイヌのカムイコチャや正義の味方菊臣右京。強烈なキャラクターが登場しbattleを展開します。シリーズはどうも三感あるらしく本書は一冊目。かなり楽しい。続きは、全巻出てからにしたいと思います。これは一気読みがよさそう。
読了日:07月04日 著者:今村 翔吾

香君 上 西から来た少女感想
感想は下巻
読了日:07月07日 著者:上橋 菜穂子

香君 下 遥かな道感想
植物は香りを媒介し意思疎通しているという考えから、この物語は、はじまったらしい。バッタが出てきた時は、中国の歴史の話しを想起させた。この小説に出てくる香君はたぶん天皇のような象徴的な存在なのだと思う。ある稲がもたらされたので国が豊になったことから、その稲のことを研究している人、それを持ってきた最初の人が香君で、それは神格化されていたということです。これは農政と政治的な軋轢の物語のような気もする。話しとしては面白く上橋さんらしい作品に思えた。どうしても環境問題とか社会問題が出てくるので嫌いな人は嫌かも。
読了日:07月07日 著者:上橋 菜穂子

むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。感想
このシリーズは昔話に殺人という要素を無理からぶっこんでミステリーにした作品です。おむすびころりんのタイムリークとか、わらしべ長者のあれはかなり巧妙でした。なかなか発想がユニークで楽しめます。
読了日:07月09日 著者:青柳 碧人

ゴーストハント4 死霊遊戯 (角川文庫)感想
学園ホラーものでは、よくコックリさんが取り上げられる。それによって出てきた霊が食い合う。誰かが蟲毒を仕掛けたのだ。その霊の生き残りは最強となり、呪いをされた人に襲い掛かるというもの。ラストの解決は明快でハッピーエンド。松山という根性の悪い教師の邪魔が入りもりあがった。まいの潜在能力が発覚し面白くなってきた。完全にまいが主役の回。
読了日:07月11日 著者:小野 不由美

ゴーストハント5 鮮血の迷宮 (角川文庫)感想
シリーズ最怖。謎の迷宮の失踪事件を解くというミッション。あのブラドのパート血まみれで怖い。もはやミステリーではなくホラー。シリーズで一番面白かったのですが、あの元首相の別荘がまるでホテル数個という広さは普通はありえない。みんなで調査してほとんど人と遭遇しないとか、どれだけ広いんだ。空洞にある部屋とかびっくりだった。しかも死体とか・・・。
読了日:07月13日 著者:小野 不由美

ゴーストハント6 海からくるもの (角川文庫)感想
今回は憑依、そして殺人。民俗学的な風味もあり面白かった。今回もホラーテイストが強く、ミステリー要素は弱かった。今回はナルが憑依されたので坊さんやあやこが活躍する。それにしてもラストのあの場面は焦った。今回も怖かった。
読了日:07月15日 著者:小野 不由美

ゴーストハント7 扉を開けて (角川文庫)感想
シリーズ最終巻。また、学校、それも廃校。このシリーズは学校が多い。今回は閉じ込められて、一人一人子供に変えられる。なのに当人はわからない記憶のすり合わせがされるのだった。これはなかなかに怖い。二台の車で来ているのに運転手は一人とか。読者はよくわかるのに、登場人物たちはうまく騙されていく。気がつくと二人しか残っていない。霊を説得とかありえない方法で解決するのはマイらしい。
読了日:07月16日 著者:小野 不由美

ハヤブサ消防団感想
田舎のミステリーです。池井戸作品としては少し毛色が違う感じがしました。ありえるようでありえない。土地の買い占め、不審火、殺人事件、そして・・・。前半は、かなり退屈なのですが、中盤、編集者が遊びに来て幽霊みたいなのを山で発見してから面白い展開になっていきます。出来はかなり良いと思えるのですが、池井戸小説ぽくない感じが強かったです。
読了日:07月17日 著者:池井戸 潤

アキラとあきら (徳間文庫)感想
池井戸さんの作品で、やはり銀行を扱うものは他とは違う魅力がある。間違いなく、この作品は名作だ。怒涛の最終章は手に汗握る展開だった。ここにはバンカーに対するリスペクトがあり、本来、バンカーはどうあるべきかという問いかけがなされている。バカなおじさんたちに窮地に追い込まれるアキラ。彼を助ける、もう一人のアキラ。これは二人のアキラの物語であり、バンカーと企業人の共闘の物語だ。
読了日:07月19日 著者:池井戸潤

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(上) (新潮文庫)感想
感想は四巻に
読了日:07月23日 著者:村上 春樹

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(下) (新潮文庫)感想
感想は四巻に
読了日:07月23日 著者:村上 春樹

騎士団長殺し 第2部: 遷ろうメタファー編(上) (新潮文庫)感想
感想は四巻に
読了日:07月23日 著者:村上 春樹

騎士団長殺し 第2部: 遷ろうメタファー編(下) (新潮文庫)感想
中二病?、エロ脳。なんだ、こりゃ。村上春樹乱心か。でも、面白かった。それでいい。もし、この作品がミステリーなら伏線未回収でダメ作品となるのだが、エンタメとしてならいい。騎士団長というイデアが良くて、それを殺すことで異界に落ちるというのが、父殺しみたいで興味深い。あの異界の旅は何のメタファーなのかわからないが、元妻の子は、たぶん、彼の子だ。夢の中で性交し子が生まれるなんて変だけど、そうしたいという彼のイデアが騎士団長みたいに形になって現れたのかもしれない。
読了日:07月23日 著者:村上 春樹

猫を棄てる 父親について語るとき (文春文庫 む 5-16)感想
「降りることは、上がることよりずっと難しい」。この言葉が印象に残った。やり始めることは簡単だが、やめるのは難しい。父との関係、父のこと猫のことを村上さんが書いた小説です。戦争が村上さんの父の運命を、お母さんの運命を変えたのだと痛感した。最初の猫のエピソードがいい。捨てたはずの猫が、家に戻ると先に戻っていて、これは飼うしかないと思う場面だ。父親の過去に養子に行き戻ったというトラウマがあったこととリンクしている。捨てる、捨てられるは子供にとって、とても大きな問題だと思う。
読了日:07月25日 著者:村上 春樹

レーエンデ国物語感想
これで終わりですか。続編があるような終わり方だったのに、そのまま強引に終了させたという感じがする。世界観やスケールは壮大で海外の作品と対抗できるような感じもするのですが、後半、あの洞窟での救援あたりから、強引な展開が続いて最後は駆け足でゴールしたという感じでした。実に惜しい。あの終わり方だと続編はないですね。王国に帰還した後、父が王になり娘が補佐するのはいいが、例の神の子はどうなったのかが気になる。読み価値のある面白い話しです。おすすめです。
読了日:07月26日 著者:多崎 礼

アイアムマイヒーロー!感想
タイムリープもの独特の過去に戻った衝撃というか、時間感覚が欠如しているのは問題だが、とにかく面白かった。少年探偵団みたいに子供たちが、この変化というのか謎を解こうとする。過去を変えて未来も変えるという方式は色んなとこで採用されているのだが、本作は違う。未来は変わらないし、彼の記憶のみの変化だ。その話しを彼女があっさり信じてくれたとこに、本書の希望はある。とても清々しい読後感の良い話しだった。こういうの好きだ。
読了日:07月28日 著者:鯨井 あめ

湯女の櫛 備前風呂屋怪談 (角川ホラー文庫)感想
湯屋の湯女という売春婦のおふじは怪談を聞かせてくれることで有名だった。彼女が話す不可思議な物語たち。あたりと外れが極端だった。最終話の朝鮮人の客の話しなんか少しも怖くない。ちょっと思っていたのとは違った。面白かったのは、女になる薬を飲まされた男の話しと、自分を鳥だと言った口の聞けぬ遊女の語る話し、それと彫刻士がダッチワイフもどきを作り、使われるたびに本物のようになってくるという話しもいい。
読了日:07月30日 著者:岩井 志麻子



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?