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感想 あれは子どものための歌  明神しじま異世界ファンタジーに、ミステリーをブレンドしたような作品です。

異世界ファンタジーなのに、本格的なミステリーなのです。
だから、読みずらくややこしい。

ある料理人の話しと、飢饉に苦しむ国を芋を教えることで救った商人の話し、不思議なナイフで自らの影を切り離した不死身の影男の話し。

この3つの話しが、第七回ミステリーズ!新人賞佳作「商人の空誓文」で書かれていて、他にもいくつかの短編があり、最後の話しですべての伏線が回収されるという二重構造というのかな、ちっとややこしい感じですが、物語の世界観とかは面白いです。

基本は3つの話しです。これが導入部であり、短編が間にあって、最終的に全部が繋がっていくという二重構造的な構成です。

ワジという魔法使いがいて、こいつは邪悪な存在で
ある人の望みを叶える
つまり、その人に能力を与える。

その能力者が問題を起こして、その謎を解決するという短編の集まりでした。
どんな能力があるかというと、誰にも賭けで負けない能力とか、若返りの薬、その人がもっとも恐れている物事を知らせる鏡。そんな感じです。

表題作「あれは子どものための歌」という短編を例にとって説明します。
ネタバレさせます。

与えられた能力は「誰にも賭けで負けない能力」
この能力を与えられた女は、ある年下の金持ちの息子と恋仲になる
この能力、実は、最強です。
絶対に賭けで負けないので、世界滅亡を願ったとすると
それを誰かと賭けたら、世界は実際に滅亡する
ようするに、賭けたことが事実になる。
これこそ最強の能力であり、何でも実現可能なのです。

しかし、その男性との恋はうまくいかない。
母親が反対していたから
さて、何故、こんな能力があるのに失敗したのか?

そういう感じのミステリーで、他も同じようなパターンです。
1つ1つの短編は楽しめるので良いのですが、全体になると楽しめない。
たぶん、謎解きありきで何か大切なものが欠如しているのかと
物語自体の楽しさとか、そういう感じのもの

よくわからないのですが、何か着地が良くない感じでした。
結末のところが嫌い。




2022 4 6



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