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感想 神薙虚無最後の事件  紺野天龍  このミステリーの最後の100ページの謎解き合戦は前代未聞の面白さ!!。

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謎解きミステリーということに特化するなら、本書は極上の出来であることを保証します。
ラスト100ページの4人による推理バトル。これは秀逸でした。
今までにない謎解きの面白さでした。
そこまでに散りばめた伏線を一気に回収する展開。
気持ちがいいほどの推理。

真実は、人の数だけある。本格ミステリ界激震!
新たな多重解決ミステリの金字塔がここに誕生!


しかし、前半は事件の説明ばかりでテンポも遅く少し退屈。
腑抜けた主人公の恋愛話しも入り何だかなぁという感じです。

構成は二重構造の形をとっています。
依頼内容は、ある本に書いてある謎の解明。
依頼者は、その本の作者の娘。
その本は、ある事件について書いてあり、それは実際にあった事件であり、その依頼人の父母もそこにいた。

keywordは、肉球と叙述トリック。

気になった言葉はこれです。


「誰かを不幸にする名探偵なんていらない」
「明らかにすることで、誰かが不幸になる真実など、永遠の闇に伏されるべきです。」
真実を与える。どれだけ過酷で苛烈で醜悪な真実であっても、私はあらゆる知力と努力を惜しまずにそれを探し求め、与える。それが名探偵としての私の矜持・・・

謎解きによって明かされる依頼者にとっての不都合な真実
さて、誰かを不幸にする探偵は名探偵と呼べるのか?

この物語の中では最終的に、ハッピーエンドで終わっていますが
実際はどうなんでしょうか?

本書は、前半で謎についての複雑な周辺事情などを説明する形なので多少退屈ですが
ラスト100ページで謎解きバトルが派手に展開されまして
すべての伏線を見事に回収していきます。
密室殺人の真相を明らかにしていきます。
知的好奇心を十分に満足させられる解明編なのです。

とても面白かった。
ミステリー好きは必読のような気がします。

2022  6 9
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