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書評 応仁悪童伝  木下昌輝  応仁の乱を少年目線でたどっていけるのは楽しい。しかし、設定とか無理がある気もする。

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応仁の乱を少年目線で描いたのはおもしろい目線でした。
一人を動のキャラ、一人を知のキャラに設定したのもいい。
でも、結局は大人たちの手先みたいになっていく

投石でたくさんの人が死んだと応仁の乱を評していたが
武者働きよりも、そういう混沌の世界
ルールのない主義主張すら見いだせない
努力も報われない
名もなき民や武将が無軌道に生を貪っているだけ
そういう世界で妄想と権力欲に支配された山名宗全という一方の将と
一休さんの娘との間に産まれた隠し子という設定は無理がある。

アクションシーンなどのエンタメ要素が秀逸で
かなり楽しめた。
しかし、その反面、人物像が軽く描写も浅い
ライトノベルか漫画を読んだような
軽い読後感覚に支配される。

千利休、村田珠光、山名宗全、一休などの歴史的な有名人が出てきたり
くじ引き将軍と言われた足利義教が以外と重要だったり
なかなかに楽しくもある。

丁寧に描かれているのかと思うと、雑なところが色々とあり
そして、あのラストは何だろなという感じで終わる。


2021 2/20






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