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感想 鼻  曽根 圭介  ホラー大賞短編部門受賞作品「鼻」よりも「暴落」という作品が良かった。

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第14回日本ホラー大賞短篇賞受賞作が表題作「鼻」になり
合計で3篇です。

表題作「鼻」は2つのパートで描かれていて、現実と妄想が錯綜する展開となっていて
気持ちの悪い作品です。
オチはありがちでした。

「受難」は展開が斬新。どこかビルの谷間の工事現場の奥みたいなところに手錠されて監禁されている男と、通りがかる女、少年、おっさんの関係性。かなり不思議系ですが楽しかった。

「暴落」はまさしく傑作。
これだけでも読む価値ありと思います。
人が株式のように売買されている世界
その取引値段=その人の価値
だから、株価が落ちると会社を解雇されたりマンションを追い出されたり
まぁ、色々と不便があるので株価をわざと上げようとするのですが
そうなると、そこに意図的なものが入るとインサイダー取引などになったり
ほぼクズになると買い取りとか買収ということになり
それで解体されバラ売りされたりと株式投資と同じになり
何か変な感じになります。

人は物じゃないし
人の価値は一律的な価値観で判断されるべきでもない
価値がない人間は生きているべきではないという
この考え方も怖い

2022 3 20



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