ジュニア

気が向いたときに文章をあげようと思っています。見てね。

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最近の記事

小さな宣言

 一体どうすればいいのだろう。全くもって切羽詰まってしまった。未来を考えるのも、明日を生きるのも、これから何をするかも、すっかりやる気をなくしてしまった。ただ、今自分は、生きる屍と化しているに過ぎない。  静寂が盛大に鳴り響いている。このせまい4畳半の自分の部屋以外には、なにものも無いような気がしていた。夏の蝉はいつからか、遠い空の向こうに飛んで行ってしまった。秋の鈴虫は、深い土のなかに隠れてしまった。この夜中に、私の部屋に聞こえる音は、静寂以外になにもない。  本を読む

    • 短編小説 アメリカンコーヒー③おわり

       大きい商店街の入り口で、逢沢さんを見かけたことがある。  私はちょうどその時、その日の仕事を終えたところだった。次の日の職務について悶々と考えていたときだった。まさにその時、彼女が見えたのである。ベージュのロングコートを颯爽と着こなしていたことには目を引いたが、なによりも驚いたのは、薄い紅葉色に染めた髪を短く切っていたことだった。行きかう人混みの中をカツンカツンと大股で歩いていた。凛々しかった。あまりにも凛々しかった。威風堂々としたそのオーラの前に、私はただその人混みに紛

      • 短編小説 アメリカンコーヒー②

        私はその高い鼻筋の男に覚えがあった。田中である。  彼は高校の時のクラスメイトであった。白髪が少し散見されるが、当時の面影は全く変わらないままであった。私たちは同じクラスメイトであったが、特別仲が良かったわけではなかった。そんな間柄であるにも関わらず、顔を覚えてくれた事に、私の存在を覚えてくれていた事に、ふつふつと嬉しさが込みあがって来た。 「茂一とお前にはお世話になったよ。」田中は頭を少し下げながら言った。 「なにかしたっけ。」 「俺が昼飯を忘れたとき、よく分けてく

        • 短編小説 アメリカンコーヒー①

           「ずっと親友でいようね」と約束を交わした友人とは、大概、疎遠になりやすい。今までたった一人でも、親友のままで居続けられた人はいただろうか。かの有名な紫式部も「いない」と述べているらしいので、これはやっぱり昔から変わらない人のあり方なのだと思う。  かつて友人と作った数々の美しい思い出は、心の底に仕舞ったまま、私たちは絶え間なく過ぎる日々を等速で駆け抜けていく。私は昔の友など忘れたまま、仕事にいそしんでいた。朝昼晩と働き詰めの私は、心身ともに疲弊しきっていた。身体は休めと言

        小さな宣言

          高貴な野蛮人 白洲次郎の言葉①

           今日から、我がいとしの白洲次郎の言葉を紹介していこうと思う。本当は、石原慎太郎氏が田中角栄になりきって書いた『天才』みたいに、白洲次郎本人の目線で描こうと思ったのだが、なんにせよいち学生の資金力ではそれを描けるほどの、彼の情報を収集することは難しく、断念せざるをえなかった。しかし、私としては彼の言葉をここで紹介できるだけでも大変うれしく思う次第である。  これから何回かにわけて紹介する彼の言葉は、全て『プリンシプルのない日本』(新潮文庫)から引用するものである。現在私が把

          高貴な野蛮人 白洲次郎の言葉①

          いとしさとせつなさともうしわけなさと

           毎日投稿頑張りますと言ってから大体一週間が経ったような気がするが、はやくもその毎日投稿の目標は崩れ去り、一体あの決心はなんだったのだと思わなくもない。 書かなかったしばらくの間、noteに対するいとしさと、せつなさと、もうしわけなさが一気にわたしの心に押し寄せてきて非常に疲れてしまった。肝心の「こころづよさ」が全く湧き上がらなかったのは無理もない。精神的な「こころづよさ」は向こうから勝手にやってくるものではないのだから。自らの、絶え間ない努力で築き上げていくものなのだ。

          いとしさとせつなさともうしわけなさと

          腹立つままに 自己責任ってなんだ?

           俳優の伊藤健太郎さんが逮捕されたらしい。バイクに車をぶつけた後、逃走したとの事だ。  なるほど、これは伊藤健太郎さんが悪い。伊藤健太郎さんといえば、最近はテレビで見ない日はなく、ドラマやバラエティ、映画にコントまで、あらゆる方面に引っ張りだこだった。そんな彼が交通事故を起こして逮捕となれば、芸能界に激震が走るのも無理はない。  とあるニュースサイトでは違約金が5億と書いてあった。おそろしい額である。各方面への影響は計り知れず、今、様々なところで緊急会議が行われているとこ

          腹立つままに 自己責任ってなんだ?

          鋸鍬形(ノコギリクワガタ)

           とある夏の日のことである。  夜の公園を、ぶらりと歩いた。もっとも、公園とはいえ、木々が鬱蒼として生えている、一種の林のような所である。 街頭はあるけれど、生粋の夜を照らすには暗い。私はその中を1人歩いていた。前を向いても、暗闇が広がっているだけなので、ただひたすら足元の道を見て歩いた。足元に見えるは、ただコンクリートのみである。落ちてゆく葉っぱも、木々の枝も、全て林の奥の方に払ってしまったらしい。都会の公園ではあるが、どこか郊外の小田舎を感じさせるようであった。  夏の、

          鋸鍬形(ノコギリクワガタ)

          あだ名と自己紹介。どうも、ジュニアです。

          どうもこんにちは、こんばんは。 ジュニアです。 noteで毎日投稿するぞと決めてから3日が経ち、残念ながらもう既にネタ切れ。 よくまぁ弾倉が無いのに戦場へ飛び込んできたなぁと我ながら思う次第ですが…。 日をまたいでしまう前に仕上げられるテーマはなんだろうと考えたところ、僕は気づいたのです。まだ自己紹介やってない、と。 しかしここで葛藤が始まります。果たして自己紹介は本当に必要なのか?要らなくないか?誰も読んでないぞ?いやいやうるさい、だまれ。何事も肝要なのは、ノリと勢いなの

          あだ名と自己紹介。どうも、ジュニアです。

          破壊衝動

           今日、自分の部屋の整理をしていたら一枚のA4用紙がでてきた。  その用紙にはびっしりと文章が書かれている。悪いことばかりが起きて、悶々としていた時期に自分が書いたものである。今になって読み返せば、論理破綻が起きているところはいくつかあれど、当時のむしゃくしゃした気持ちが正確に表れていて面白かったのでここにあげる事にする。この文章を読んでくれよ!というむさ苦しい気持ちで載せる訳ではなく、むしろ当時の自分を供養する気持ちでここに載せる訳である。  以下、その文章。  「今

          破壊衝動

          note初投稿だけども柴田理恵

           note初投稿である。 いち素人の初投稿なんて、正直誰も気にしないだろう。気負わずに何でも書きたいものを書けばいいのだが、はて困った。非常に困っている。とにかく困ってしまって、私はこの20分ほどただひたすらに悶々としている。気になってしまって、私は筆が進められないでいる。 なぜこんなに困っているのか?一体何に困っているのか?答えは明瞭である。せっかくだからハッキリと、堂々と述べてやろうじゃないか。 せっかくの初投稿、少しばかりカッコつけたい。のである。 素人は素人な

          note初投稿だけども柴田理恵