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沢山言わなきゃ伝わらないので

私の、私の、私の話を聞けぇぇぇぇ〜♬5分だけではいやぁぁぁ〜♬


思っていることや本当の気持ちを伝えるのが下手だなあと思う

なるべく伝えたい・言いたい核の部分を表に出していこうと思えば思うほどに余計なことが頭に浮かびすごく遠いところや色んなところに立ち寄ってからでないと戻ってこられない

出来ることなら相手のも知りたいが面倒くさがられるのでなかなか尋ねることは躊躇われる

なので伝えたい気持ちはやまやまではあるけれど、あまりにも長く熱くなりがちなので、平日毎日会うことになり話す機会が多い同僚には『目は半分閉じて、耳も半分折りたたんで聞いてくださいね』といつも言う

この人はもともと他の人との会話でもそんな感じで(取るに足りない世間話のときは)熱心に質問にしていたように見えたのに後でその話をすると全然憶えてないという風なので『それでねえ、あのねえ、やっぱりねええ、あっでもこの場合はねぇ』とやや安心してダラダラ話し続けてしまう

相手には疲れてほしくないと思いつつ、その時の感情や感覚がどんどん溢れ出てとまらなくなる

専業主婦の母は、いつでもどこでもついて回りおしゃべりし続ける私を携え家事や用事をしていた

母は『いらち』だから胡麻をゆっくり煎ったり、ごまめをカリッとするまで焦がさず炒ったり、コーヒーを淹れるのが下手なのだと思って大きくなった私はしゃしゃり出てやっていたが、私の相手のほうがよほど根気がいったな、と今さら気がつく

父は子どものうるさいのが嫌いだし、平日は大阪に勤務していたので遅くまで帰らないし、土日を過ごすと『じゃあね、また来週』みたいな感じだったので母ひとりがこの妖怪相手に日々疲弊していたことであろう

こうして書き出すと気付きが多い

で、やっとこさ戻ってくる

ここまで書いたように片手間でもそこそこ聞いてくれたり感覚を何となくわかってくれる人にはこうして話すけれど、話しだした途端に『あ~、そういうことね、わかるわかる』とか『それやったら私も好き!』と言われた内容にしっくりこないともうカチンと固まってしまって、当たり障りのない言葉をかわしだんまりになり、『こだわりとかないんですう』とか『好き嫌いないんですぅ』と殻に閉じこもる

音楽ひとつとっても、このアルバムは好きだけどそれ以外はそんなに聴いていないとか、曲を聴くのが好きなのであって姿・形は気にならないからテレビの出演もチェックしないし紅白も見ないので出場も知らなかったりして『見てないの?!好きって言ってたよね?』とか詰め寄られたりするがそれとこれとは同じなようで同じではないのである

CDとともに収められたものは本人が選んだりしているので見たりもしたが、がっつりライブDVDを一緒に見ようと言われてもライブに行きたい熱が上がるだけだし、熱量の違うであろう人と部屋で大人しく見るのは気が乗らない

ここまで読んで下さった方で嫌気のさす人がいて当然だと思うが、続ける

何度か話したはずだけど好みではないものを用意してくれたり頂いたりすると、よっぽど親しくない限り『美味しくいただきま〜す』なんて言っちゃうので何度も頂いてしまって、そうなるとなおさら言えなくなる

見た目通り『たくさん、何でも食べる、好き嫌いのない人』で通っているからその期待を裏切ることは出来ない

チョコレートは好きだけどホワイトチョコレートは苦手だし、“滑らかな口溶けのフルーティーなベリーやカシス・パッションフルーツなどを感じる薫り高いもの”とかなんかよりカチンと硬くて苦味がある酸味の少ないもののほうが好きだし何なら明治のチョコレートが1番好き

なので外国の高価なチョコレートを頂いたりすると、小さな冊子片手に何で構成されているか確認しシンプルな何も入っていないものを慎重に食べ複雑なものや明らかに苦手なものは『そんなん好きやし食べる食べる!』といってくれる人にそっと差し上げたりする

ベリーやカシス、柑橘を忍ばせるのは人気なのか様々なものに隠れている

ベリーもカシスも柑橘も単体なら好きだけど(パッションフルーツはこれまた苦手)チョコレートやキャラメル、ナッツ─特にピスタチオ─に隠れていたりして少しだけがっかりする

この前食べたのは美味しかったからベリーの量とか種類にも寄るのかしら

近所の美味しい大人気パン屋さんでも”ベリー香る“”柑橘香る“と書いてあるのは避けたのに、ナッツのデニッシュには柚子が香っていたりする

ベリーも、柑橘も書いてくれたのに、柚子は書いてくれへんねんな、柚子は全員好きなん?なんて心のなかでつぶやく

お鮨が大好きだけど、大トロとか鰤が得意ではなかったりするが『このお店ではマグロ食べなあかん!』と言われて出されると、まぁ食べられるので食べてしまう

もうひとつ言うと、酢飯が好きなのでネタがものすごく大きくてシャリの少なすぎるのも不満に思うことが多く、細巻きとかでもそんなご飯少ないのがいいなら海苔で巻くだけでええんちゃうんの?

好みによりけりですね

胡麻も甘い物も大好きだけど、胡麻の甘いお菓子は好きではなかったりする

チーズもミモレットとかパルミジャーノ・レッジャーノとか好きだしカマンベールも好きだけど、クリームチーズとかフォンデュ、チーズ大増量みたいなのも苦手で、ピザとかなら重ならないくらいに載せてこんがり焼いてほしい

甘いケーキもパフェも大好きだけど生クリームが苦手だし、フルーツもバナナが苦手なのと色々な物が載っているのは好きではないのでアイスクリームとソフトクリームで出来たようなチョコレートパフェや生クリームの部分の少ないシフォン生地ではない重めのスポンジケーキに薄いイチゴとクリームの挟まった茶色い生地が見えるくらいのが好き

ヴィクトリアケーキみたいなイメージ

ドイツのケーキ─リンツァートルテ─とかナッツの多いものも好きだしレモンのケーキやタルトも好きだけど、ココナッツのワシャワシャと舌に残る感じが苦手だしレモンピールや多すぎるメレンゲも嫌い

まだまだあるけどどうでもいいな

書ききれないのでやめておこう

本当に人でなしと言われるのを承知で書くと、誕生日のあたりでご飯を食べに行ったりすると食事終わりのタイミングでケーキを用意してくださっていることなんかがあり、たいていは色とりどりのフルーツケーキやこんもりと生クリームの詰まったシュークリームのタワーみたいなのとか(分けやすくて見た目も綺麗)で一同が『わあっ!』と華やぐような美しいサプライズのデザートを出してくださったりする

そして、人3倍くらい食べる甘党の私は『好きやろ!』とたっぷりサーブされる

ありがたい、心の底からありがたいし嬉しい、そしてその準備の事など思うと本当に感激するけど、なにかの機会に話したことのある相手からだと心のうんと奥の方ではほんの少し悲しい気持ちも顔を出す

ただ、先日ある男性が『好きやと思ってしょっちゅう出張のお土産にわざわざそこに寄って買って帰ってたお菓子があるんやけど、ある日嫁はんに、私それほんまはそんなに好きちゃうねんと言われてん!』と笑っておられた

笑い飛ばせる、そんな事なのよね、わかり合うふたりには

面倒くさいし、わがままだし、どうでもいいし、言えば言うほど、複雑な味わいとか組み合わせの妙をわからない残念な人だと言ってしまっていることもわかっている

わかっているので、結局のところ海よりも深い理由の数々を沢山話しても伝わらないと思って『はい』か『いいえ』のつまらない返事をしてしまう

めちゃくちゃいっぱい書いてしまった

こわいなー

最後まで読んでくださっ方、感謝を申し上げます






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