一首評:來る「短歌ください」第190回 自由題(『ダ・ヴィンチ』2024年2月号掲載)
もし私がコーヒーミルで遺骨を砕いたとしたら、そのとき私の手にはどんな感触がのこり、耳にはどんな音がきこえ、そしてどんな景色を見るのだろうか。
短歌とともに寄せられた作者コメントには「散骨のために」と書かれていたとのこと。いくら目的があったとしても、遺骨をコーヒーミルで砕くときには、色々な抵抗を感じそうだ。
四句後半からの「新 宿、新宿は晴れ」という空白と読点で区切られている表記は、あたかもコーヒーミルで遺骨を砕き始める時のハンドルの抵抗感、少しずつ回していき次第に回転が滑