書評:「やって来るすべて」を受け入れるかのように|染野太朗『人魚』角川書店/2016.
歌人・染野太朗の第二歌集。染野太朗は、1977年茨城県生まれで、埼玉県に育つ。現在、大阪府在住。2012年、第一歌集『あの日の海』で第18回日本歌人クラブ新人賞を受賞。2018年には、本歌集で第48回福岡市文学賞を受賞。現在、笹井宏之賞の選考委員を務めている。
京都・泥書房のライブラリーにて2時間半ほどかけて読み終える。読んでみて感じたのは次のような感覚だった。
人も物も出来事も「ただやって来るもの」として描かれる遠さと潔さ
口語混じりで、修辞も比較的平易にみえる短歌群