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進路

仕事柄 若者と接する機会がたくさんあります。主に高校 大学 専門学生。エンターテインメントのお仕事を簡単に紹介したりするわけですが一通りお話しした後「何か質問はありますか?」と聞くとほとんどの場合首を横に振ります。声を出さずジェスチャーで返してくる。いかに日常において会話でのコミュニケーションに慣れていないかがよくわかる。まあそれは置いておいて、僕は以前から「質問」というワードが聞き手にとってちょっと高いハードルを意味しているということを感じていました。確かに質問できるという事はその案件や事柄について自分なりにリサーチし研究を重ねて「?」や「疑問」を持って望んで僕の話を聞いてそれでも解決できない時にはじめて「質問」というアクションに移れるわけで、興味を抱いて初めてお話を聞く段階ではなかなか質問するところまでには至らないのも仕方がないことでしょう。

それで僕は聞き方を変えました「何か聞いてみたいことある?」「今、悩んでいることある?」「どんなことでもOKだよ」言葉も話し方もフレンドリーに笑顔で声のトーンを柔らかくして場合によっては椅子に座るなどして目線を相手の目線の高さまで下げて聞くようにしました。すると必ず何人か「あの~」と心細い声で訪ねてくれるようになりました。

内容は2割ほどが仕事の内容、給料や休みに関する事。残りの8割弱が「進路」に関する事です。この「進路」というテーマにはいろんなケースがありますのでテンプレート的にこうですという事はできませんがベースになるポイントがいくつかあります。その一つは「自分はどうしたいのか」その考えを持たない者には間違いなく進学を進めます。次に進む教育課程の中で学びながら自分の進むべき道ややりたい事を模索して欲しいからです。自分の夢や目標を持っている者にはその事をかなえる為に必要なものは何かをリストアップしてそれを得るにはどうすればいいかを考えるようアドバイスします。

学校教育法では中学生・高校生は「生徒」、短大・大学生・大学院生・高専生は「学生」、専修生・専門学校生は「生徒」というようです。各法によって区分や名称が若干変わるようですね。

でも僕の中では 高校まではまだ知らない知識が多く肉体的、社会的にも未成熟な部分が多いので生きるために従いながら学ぶ部分が主であることから「生徒」。高校を卒業すると社会で生きていくために自分で学ぶ、だから「学生」という解釈です。

そして就活の際は「自分らしく関われる仕事を探すこと」「自分がその仕事にどう関わるか立ち位置を明確にし職種を吟味する事」をアドバイスしています。そのためには勉強や実習で得る知識や技術がいかに大切かということですね。全ての教科においていい点を取る必要はないかもしれませんが自分にはこれだ!というものは何かをみつける事が必要だと思います。そうしないと上に挙げた「自分らしく関われる仕事を探すことも」その思いを寄せた会社から貴方と一緒に働きたいと思っていただける事も難しいからです。皮肉な事にそれは学校の授業だけでは補えないものも沢山あります。自分で学ぼうとする事、学びたいという気持ちが非常に大事です。

前にも書きましたがご家庭の事情や環境・現在のような社会情勢ではなかなか希望通りにはいかないかもしれません。でも波多野菜央が出身高校で在学生に向けた講演時に「選んだ道を正解にしよう。」とスピーチしたのが強く印象に残っています。自分の人生後悔の無いよう生きていきたいですね。

写真:萩森陽志郎

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