アーティストのグロースについて、考える。Ver3.0
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アーティストのグロースについて、考える。Ver3.0

Miyamoto Hiroshi  |  宮本浩志

noteのルール

このnoteはVerを、随時更新しています。初めてご覧いただく方はここから。既にご覧いただいている方は、目次にVer.記載があるので続きからご覧いただければと思います!

過去の加筆をした場合は1.0→1.1という感じに小数点以下を更新。記事の新しいパートを更新した場合には1.0 or 1.1 → 2.0って感じにVer.を変更します。


はじめに

現在、「アーティストのグロースデザイン」をテーマにnoteを書いています。

理由は2つ。

❶ストリーミング・YouTube・TikTokといった「スマホ起点のサービス」がアーティストの重要な成長要素となって1、2年経った2021年。デジタルサービスで活用されるグロースハック視点が有効だと思ったから。

❷購買をコアとしたファネル型より、体験によるLTV最大化を狙うループ型で考えた方が「アーティストの成長」という観点で打ち手にブレが出なそうだから。

ざっくり言うと、このツイートで書いたようなことについてまとめていきます!


そして、このnoteもグロース(成長)するnoteにしようかと。

1. 執筆途中で、随時公開します。
2. 更新の都度、タイトルのVer.を更新します。
3. みなさんの反応・FBや、最新情報を基にUPDATEします。

書き終えるまでに時間がかかりそうだなぁ...と思ったから、どんどんグロースするnoteってことにしよう!と思ったのは私とあなただけの秘密ですww


グロース、グロース言ってるけど、グロースとは何か?マーケティングと整理しながら、お話していきます。


マーケティング と グロース の違い

マーケティングの定義で最も有名なものは、「顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセス」です。

これを音楽マーケティングに置き換えると「ファン、パートナー、社会にとって価値を持つコンテンツを創造・提供し、そのコンテンツが自走する仕組みを設計し続けること」と言えます。昨今バズワード化していてHOWな手法論になっちゃいがちですが、全体視点が重要となります。

詳しくは以前のnoteに書いているのでそちらをご覧ください。

では「グロース」って何でしょう?

所謂グロースハックというやつで、「ユーザー中心に生まれたデータを分析、インサイトを抽出し、プロダクト・サービス・UXを改善しながら成長のループをつくる」ことです。

マーケティング活動の一環ですが、分析から導いた成長の仕組みをプロダクト・サービス・UXに組み込んでいくので、より一層仕組み発想ですし、ユーザーのサービス体験デザイン力や、分析力や改善力なんかも重要になります。サービスではエンジニアリング力も必要となります。

※マーケティング活動の一環なので、上記の長文noteを読んでからご覧いただいた方が理解はしやすいと思います。もちろんこのまま読み進めてもらっても大丈夫です!

サービスの事例で言うと、

Hotmail:
全てのメールのフッターに「PS: I love you. Get your free e-mail at Hotmail」とリンク付きテキストを追加。ユーザーがメールを使うたびに、新規ユーザーが増えていく仕組み。

Dropbox:
友達を招待すると、自分とその友達に無料のストレージ枠が増える仕組み。

Twitter:
分析の結果、新規ユーザーが一定人数以上のアカウントをフォローした場合、定着率が高いことが判明。新規アカウント登録時には、おすすめフォロワーを表示し、フォローを誘導する仕組みに。

Airbnb:
掲載写真クオリティが低く、魅力的な部屋に見えなかったため、プロカメラマン雇ってかたっぱしから写真を撮りまくって、掲載写真を差し替えた。すると予約者爆増!

てな具合です。


グロースハックに大事な5つのこと

そんなグロースハックで個人的に大事だと思う視点は、この5つ。

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1. ニュートラル思考
バイアス(先入観や業界の常識等)があると正しい判断ができなくなるので、常にニュートラルでいることを意識づけます。

2. 分析力(データ/インサイト抽出)
ニュートラルな状態でのデータ分析も重要です。グロースハックでは常に「分析→アイデア→優先順位付→実験→分析→」というサイクルを行います。分析力は、はじめの一歩!

3. チームのやってみなはれ精神
サントリーのDNAでもある「やってみなはれ精神」。ニュートラルな状態で生み出されたアイデアは業界の常識から外れることもあります。その時に実行できるチームであることが重要です!人が一番大事!

4. ユーザー体験中心(アーティストUX)
ユーザー体験、ユーザーの日常を中心にその周りを設計する。コンテンツ側発想ではなく、ユーザー側発想が大前提。

5. 習慣化のデザイン
最後に、めちゃくちゃ重要なのが習慣化。アーティストの体験(楽曲視聴・コンテンツ体験等)を習慣化できるかどうかが全てと言っても過言ではないです。

この5つの中でももっとも大切にしたいことは、習慣化のデザインです。


習慣化の重要性

習慣化できるかどうか、ほんとーーーーーーーーーーーーにこれにつきます!

習慣化できると...
1. ユーザーの信頼度が高まります
2. ユーザーの定着率が高まります
3. ユーザーのLTVが高まります

何回もライブに行ったことのあるアーティストは、これ迄に蓄積した経験や記憶、使ったお金などが組み合わさり、唯一無二の存在となりますよね。無くてはならないアーティストであり、生活の一部、もはや人生の一部でもあると言えます。もちろん習慣的にアーティストの曲を聞いたり、アーティストの情報に接触すると思います。

これを最終目標とします!

WebサービスやAppの世界では、習慣化のチェックにハビット・ゾーン(習慣ゾーン)を活用します。

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サービスを「頻度 × 使いやすさ」で整理し、そのサービスが習慣化できるか確認するために活用します。頻度が多ければ使いづらくても習慣化します。大事なのは、頻度です!

アーティストの場合はコンテンツが分散化しているため、この「使いやすさ」を「コンテンツのアクセシビリティ」に変えて活用しましょう。例えばアーティストの曲が今この瞬間に聴くことができるか?とかです。

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どんなに好きなアーティストでも、コンテンツ体験へのアクセスが手間だと習慣化から遠のいてしまいますし、頻度が少なくなってしまっては習慣化は起こりません。

では、その習慣化をどうつくるか?

習慣 = 行動頻度が多く、日常に定着すること(行動の積み重ね)

ですので、行動がどう起こるのか考えていきます。


行動の公式「フォッグ式消費者行動モデル」

グロースハックで有名なモデルに、フォッグさんの行動モデルというのがあります。スタンフォード大のB.J. Foggさんが提唱した行動の概念で、グロースハックにおける基本のキのようなもんです。

B = MAT

という方程式で表されるのですが、詳しく記すと

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Behavior(行動)= 
Motivation(動機)× Ability(実行能力)× Trigger(キッカケ)

行動が生まれるためには動機があり、実行能力があるタイミングで、キッカケがなければいけない!ということです。

noteの深津さんが下記のnoteに書かれてますので、詳しくはコチラをぜひ。

シンプルな公式ですが、自分ゴトに落とすとわかりみが深いですよね。

私の例:
ランニング = ダイエットしたい! × ランニングシューズがあって走れる × 朝早く起きれたし天気いい!

アーティストごとに落としこむとこういう例になるのではないでしょうか?

アーティストの例:
曲を聴く(行動) = 十人十色の動機(動機) × スマホで曲がすぐ聴ける(実行能力) × SNSで新曲が出たことを知った(キッカケ)

MVを見る(行動)= 十人十色の動機(動機) × スマホでMVがすぐ観れる(実行能力) × SNSでMVが公開されたことを知った(キッカケ)

この時のポイントは、動機はアンコントローラブルということです。人の心は超複雑なので... よって、実行能力&キッカケをどう高めるかがポイントとなってきます。

アーティストの例:
曲を聴く(行動) = 十人十色の動機(動機) × スマホで曲がすぐ聴ける(実行能力) × SNSで新曲が出たことを知った(キッカケ)

MVを見る(行動)= 十人十色の動機(動機) × スマホでMVがすぐ観れる(実行能力) × SNSでMVが公開されたことを知った(キッカケ)


ちなみに、B=MATの解像度をさらにあげたフレームワークもあります。
行動を変えるデザイン」という本では、CREATEアクションファネルというフレームワークで紹介されていて、こちらの方が私は好みです!

2020年の楽曲コミュニケーション_3

Cue(キュー):そのことを考えるキッカケの出来事
Reaction(反応):そのことに対する直感(本能)的な反応・判断
Evalution(評価):そのことが費用・時間帯効果的にいいかどうか
Ability(実行能力):そのことが可能か否か
Timing(タイミング):そのことができるタイミングは今か?

このCREATE全てを通り越えると「行動」が生まれる。ということです。ファネル図だとわかりやすい!

スクリーンショット 2021-06-27 21.43.41

参照:行動を変えるデザインツールキット

この行動を積み重ねたのが、習慣化です。

習慣化すると、このCREATEファネルをぶっ飛ばすことができるんです。Cueからアクションにひとっ飛びします。例えば、私の場合だと

私の習慣
Cue:家から外に出る
習慣:イヤホンつけてSpotifyを立ち上げる

習慣化しているので、一気にアクションまですっ飛ばされてます。これをシステム1(速い思考)というのですが、興味のある方はGo Andoさんのnoteから、ダニエル・カーネマン(行動経済学のノーベル賞受賞者)の「ファスト&スロー」へお進みください。

では、行動の積み重ねによる習慣化はどういう風に起きるのか?


習慣化のフレームワーク「フックモデル」

 スタートアップにとってのバイブルにもなった「Hooked ハマるしかけ」(海外版の評価がエグい)という本に出てくるフックモデルというフレームワークで説明するとわかりやすいので引用させていただきます。

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引用:Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

習慣は下記4ステップによるループで形成され、この頻度が高ければ高いほど習慣化しやすい。という考え方です。

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一つ一つ簡単にご説明すると、

1. 内的/外的なキッカケ(Trigger)
「キッカケ(トリガー)」は、内的・外的の2つに分けられます。内的は感情・気持ち等、体の中からのキッカケ。外的はSNS・メディアとか広告とかAppとか口コミとか家の中にあるグッズとか、体の外からのキッカケです。
このキッカケがないと、何もはじまりません。

内的トリガーは感情がキーなので、感情とリンクしたアーティストや楽曲は自ずと強くなります。ライブやフェスでの楽しい記憶は、そのアーティストの曲をまた聴こうとさせます。皆さんも実体験であるはず。これは曲を聴く前に、楽しい記憶が想起され、その曲を欲しがっている状態でもあるんです。

そして、アーティストの楽曲たちがどの感情に紐づいているか、紐づかせたいかも大切。ファンの方を観察したり意見を伺ったりしながら感覚で捉えておきましょう!

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デザイン会社・btraxさんのブログが参考になるかと!


外的トリガーはこちらのnoteにまとめてるような内容です。昨今だとSNS(広告含む)× PRが重要ですよね!NEWSをつくることも重要です。

内的トリガー ×  外的トリガー双方を意識して回していくことが重要ですね。

2. 行動(Action)
行動は、この後の報酬を期待して行うシンプルな行為です。

先ほどの「フォッグ式行動モデル」に落としこむと、

Behavior(行動)= Motivation(動機)× Ability(実行能力)× Trigger(キッカケ)

キッカケ後の行動(B=MAT)なので、動機実行能力、この2つをどうするかがポイントですね。動機は十人十色ですし、人の気持ちなのでコントロールすることなんてできません。ですのでここでは「Ability(実行能力)」を高めることに比重を置きます。

実行能力を高める切り口は6つ。

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コンテンツへのアクセス方法はシンプルか?アクセスにコストがかかるコンテンツばかりではないか?コンテンツ同士のアクセスも容易か?めっちゃ細かい話ですが、タイトルの付け方とか、YouTube概要欄とか、SNSのプロフィールとかとか、ここは地味で細かいですが、そこをやってるかどうかが差に繋がります。


3. 報酬(Reward)
行動したことに対する報酬です。ここがないと行動にはうつってくれませんね。

ちなみに人間(動物)は、ゲームやギャンブルと同様に報酬は予測不能である方が、モチベーションが上がるそうで、サービスやプロダクトでは、この3タイプの予測不能な報酬のいづれかを組み込みます。

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①TRIBE(集団)
所謂、社会的報酬で集団や組織、コミュニティなどでツナガリから得られる報酬です。SNSのいいね等はこれに当たりますね!SNSが昨今強いのは、ここの報酬牛耳ってるからとも言えます。

②HUNT(獲得)
手にいれることができる報酬で、物理的な報酬や情報のことです。
例をあげると、ギャンブルで言うとお金。サウナで言うと「ととのい」。Twitterで言うとタイムラインで見つけた「役に立つ情報」などです。

③SELF(自己)
自分のスキルや能力向上などがこれに当たります。レベルアップした!感のある報酬ですね。勉強もこれに当たると思います。

これらが重なりあってるサービスほど、より習慣化に近くなります。Twitterってそういう意味ではめちゃくちゃ強いすね!


4. 投資
ここで言う投資は、時間とか行動をそのサービスやプロダクトに費やすことを言います。

人は何かに労力をつぎこめばつぎこむほどそれを高く評価します。そして、認知的不協和を回避するために、これまでと同じ行動をとります。つまり、さらに使ってくれるということですね。そしてこの投資はプロダクトやサービスに対する愛着を生みます。

アーティストで言うと、平成に大活躍した大御所アーティストのファンの方々は今もずっとそのアーティストのこと大好きですよね。青春と楽曲がリンクしまくってる!という点もありますが、行動経済学的にみると上記の観点も当てはまります。認知的不協和に関しては、ジマタロさんのnoteをぜひ。

ストリーミングサービスもスイッチングしづらかったり、イケアの家具に愛着もったり、そういうやつですね。


追記ver3.0 ↓↓↓

ここからがいよいよ本題。

ここまではグロースハックの基礎知識的なお話しで、ここからはこの基礎知識を脳味噌の片隅に置きながら、アーティストのグロースをどうデザインするか考えていきます。

ちなみに、グロースデザインは戦略策定後に行いますので、その前提でご覧ください。


グロースデザインの流れ

アーティストグロースは基本的に、このサイクルをひたすら回し続けることです。

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一つ一つ紐解いていきます。

1. 分析

まずはここから始まります。
分析は非常に面倒ですが一番重要なプロセスです。アーティストグロースの分析は戦略策定時の分析とは異なり、よりグロースに絞った分析をします。
※戦略策定時の分析「ヒットの分析&6つの分析」は以前のnote(3-3. 分析)をご覧ください。画像は貼っときますね。

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「どこを伸ばせばアーティストの成長につながるか?」という視点で分析を行います。


更新状況
Ver3.0:2021.07.24
週一位のペースでちょこちょこ更新する予定です!
今めっちゃ中途半端なところですw




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Miyamoto Hiroshi  |  宮本浩志

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Miyamoto Hiroshi  |  宮本浩志
レーベル→広告代理店→プラットフォームの経験を活かして、音楽マーケティング・テックについて様々な視点で書いていきますので、読んでいただけると嬉しいです! https://twitter.com/38610164