「音楽マーケティング」について、考える。 1/3 -戦略編-
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
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「音楽マーケティング」について、考える。 1/3 -戦略編-

コミュニケーションやプロモーションに関わる中で、これ迄色々なメディアからインプットしてきました。ただ、その中で「音楽マーケティングとは?」についてまとまった書籍や情報ってあんまり見たことがなかったので、一度まとめてみることにしました。

ページめっちゃ長くなりましたが、まとめた資料がこちら。

このまとめ資料は、私が「これは使える!」と思ったものを雑多に取り入れ、リミックスしたものです。ですので「ここは使えるから、つこーたろ!」くらいの感じで読んでもらえると嬉しいです。人によって合う流派みたいのありますからね。

ちなみに、この資料は、今回のまとめをver.1として、随時更新していきたいと考えていますので、ぜひコメントにてご意見・ご鞭撻いただけると嬉しいです。そして、PDFあげて終わり!も寂しいので、short ver.をnoteにまとめることにします。(shortといっても約1.9万文字です...)

noteは「戦略」「コミュニケーション」「PR」の3パートに分けて書こうと思います。140ページくらいになっちゃったんで。今回は「戦略」についてのnoteです。それでは、少し長くなりますがお付き合いください。

※2021.3.12追記
第二〜四弾も公開中ですので、読了後にぜひ!


Chapter 1. マーケティングの必要性

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「マーケティングは音楽に必要なのか?」まずは、ここからですね。個人的には、必要!と考えてます。

私たちスタッフは、いい音楽を人に届け、ファンベースを形成していかねばなりません。情報エクスプロージョンで、消費サイクル死ぬほど早く、自分に関係ない情報はスルーされる2020年、戦略と戦術をもって人に伝えないとファンベースは形成するのが難しく、その方法を考え、実行するためにマーケティング視点っていうのは必要だと考えています。

ですので、個人的には必要派です。

そんな「マーケティング」の話をするまえに3つのお話をさせてください。
①マーケティングは左脳じゃない!
②「戦略」と「戦術」の違い
③仲人こそ、最強マーケター

①マーケティングは左脳じゃない!

「右脳派だからマーケティングとか無理だわー!」そんなイメージがあると思いますが、ご安心ください。右脳派こそ音楽マーケティングに有利だと感じています。(自分が右脳派なので、自己肯定もありますがw)

記事にも出てくる、この図。

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出典:DIAMOND ONLINE「最も創造性が高い思考のモードは、論理と直感の間にある

ここで言われている「論理思考と非論理思考を組み合わせて考える」とは、ざっくり言うと左脳と右脳を組み合わせて考える。ということだと思います。両方を振り子的に行き来しながら考えることこそ、マーケティングで必要な視座だと思います。だから、右脳派の方安心してください!むしろ右脳派こそチャンスだと思います!

②「戦略」と「戦術」の違い

2つ目。「戦略」と「戦術」の違いを整理させてください。これよくわからなくなるやつです。人によって定義も違います。私の定義を、キングダムで説明します。

45〜48巻あたりのネタバレ含みます。ほんとにすみません!

よいでしょうか??ネタバレ......

すみません!
キングダムの鄴攻めで説明すると、こうなります。

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出典:キングダム特設サイト ©︎集英社

目的:中華統一
戦略:鄴攻め
戦術:難民を活用し、鄴を兵糧攻め

キングダムに例えると、昌平君が秦でいつも考えているのが「戦略」。中華統一という大きな目的(夢)に向かう「戦略」を策定します。その「戦略」上の戦で、勝つために策を凝らすのが「戦術」です。

人によって定義が違うのは、それぞれポジションや目線が違うからですね。王翦からすると「鄴を落とす」ことが目的なので、「難民を活用し、鄴を兵糧攻め」は戦略となり、飛信隊をどう使うかが戦術ですね。どこを目的にするかで「戦略と戦術」は変わってくるんです。

③仲人こそ、最強マーケター

最後に、音楽マーケティングを学ぶ上で使える視点があります。音楽マーケティングって喩えるならクラスの仲人なんです。学年に一人はいませんでしたか?めっちゃくっつけるの上手い人。あの人です!

「どうすれば上手く、長く付き合えるか?」あの手この手で実行することこそが、アーティストの宣伝、マーケティングで必要なことだと思います。マーケティングがよくわからなくなった時は、すべてこの「仲人」に置き換えて考えるとわかりやすいので、オススメです!

では...

「音楽マーケティング、始めます。」


Chapter 2. マーケティングって、そもそも

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「マーケティングって、そもそもどういうこと?」、「ブランディングとどう違うの?」この定義も人によって分かれるところです。まずはこの2つを整理します。

疑問① マーケティングってそもそもどういうこと?

マーケティングの定義はたくさんありますが、最も有名なものは「顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセス」という定義です。これを音楽に置き換えると「ファン、パートナー、社会にとって価値を持つコンテンツを創造・提供し、そのコンテンツが自走する仕組みを設計し続けること」と言えるでしょう。

平たくいうと、こういうことですね。

マーケティングとは?
1. ファンが喜ぶコンテンツをつくる
2. ファンが喜ぶコンテンツを届ける
3. コンテンツがファンに愛される仕組みをつくり続ける

疑問②ブランディングとどう違うの?

めっちゃ掻い摘みますが...
マーケティングは、愛される仕組みを作り、ファンになってもらう全活動。
ブランディングは、強みを活かし、次への期待値を高め、ファンになってもらう全活動です。

ブランディングはマーケティングの一部で、マーケティングとブランディングは相互作用します。目的は一緒、ファン作りです。図にするとこんなイメージ。

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Chapter 2 [ マーケティングの、そもそも ] まとめ

マーケティングとは、そもそも何?をまとめると、こういうことです。

マーケティングとは、下記3つの実行である。

1. ファンが喜ぶコンテンツをつくる
2. ファンが喜ぶコンテンツを届ける
3. コンテンツがファンに愛される仕組みをつくり続ける

ブランディングとは、その中で次への期待値をつくり続ける全活動

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Chapter 3. 音楽マーケティング:戦略策定の流れ

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マーケティングのそもそもが整理できたところで、実際に「音楽マーケティングってどういうもんなの?」というパートに入ります。

個人的には、この流れで考えていくのがオススメです。

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アーティスト視点で考えるコンセプトメイク
①アーティスト×コンセプト×夢

コンセプトに共鳴してくれそうなコミュニティの
②ターゲティング

コミュニティやアーティストの環境、トレンドを
③分析

分析結果と①を掛け合わせる
④コンセプト×戦略

ファン化までの行動をデザインする
⑤ファン化フロー設計

そして、その実行ですね。

上から順々に説明しますが、実行するときはこの①〜⑤を縦横無尽に、行ったり来たり、繰り返し思考していくことが重要です。定期的な見直しももちろん必要ですね。

では、1つずつ紐解いていきます。

3-1. ①アーティスト×コンセプト×夢

①アーティスト×コンセプト×夢 👈

②ターゲティング

③分析

④コンセプト×戦略

⑤ファン化フロー設計

第一段階は、徹底したアーティストの深堀りです。
アーティストそれぞれに個性があって、強みや弱み、アーティストが取り巻く環境も異なりますので、同じ宣伝手法がみんなに当てはまる!ということはあまり、ありません。

ですので、まずはアーティストを深く深く掘り下げていくんですが、そこで使えるのが、5W1Hインタビューです。

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まずは、アーティスト視点でのコンセプトをアーティストと一緒に固めていきます。コンセプトが揺るぎないものだと、チームが意思統一できますので、「何をすべきか?」という考えにブレがなくなります。逆を言うとコンセプトがしっかりしてないと、チームの指針もブレブレになっちゃいます。

そんなコンセプトを固めるオススメの順序はこちら。
❶コンセプトを言葉にする
❷トンマナリストをつくる
❸やらないことリストをつくる

❶コンセプトを言葉にする

5W1Hインタビューで、
WHY「なぜ?その音楽をつくるのか?届けたいのか?」(大事)
WHO「誰に届けたいのか?」
HOW(WHERE/WHEN)「どういうふうに?どこで?どれくらいのペースで届けたいのか?」
WHAT「どんな曲?どんなクリエイティブか?」
ゴリゴリ会話しながら、聞いていきます。

多分、うざがられますw
逆に言うと、うざがられる位聞きましょう!本気でうざがられた時は必殺技として、ライターさんに入ってもらってインタビュー記事にしちゃうっていう方法もあります。ライター・編集者の矢島大地くんはガッツリ深ぼって聞いてくれるタイプですし、相談してみてもいいのでは?(ヤジー、勝手に紹介してゴメンねw)

次に、5W1Hで得た言葉をベースにコンセプトを言葉に落としていくのですが、注意点としては、かっこつけて抽象的にならないことです。コンセプトを決める目的は、何をすべきか?ハッキリさせることです。ですので「アクションに移せるコンセプトワード」を作るのが目的です。

コンセプトワード例
AKB48「会いに行けるアイドル」
ももいろクローバーZ「週末ヒロイン」
Official髭男dism「聴き手の人生とタイアップ」
King Gnu「ヌーの群れをどんどんデカくして誰よりも高いところを目指す」
Lucky Kilimanjaro「世界中の毎日をおどらせる」
YOASOBI「小説を音楽にするユニット」
WONK「J Dilla系譜のビート・ミュージックをバンドでやる」→「エクスペリメンタル・ソウル」

❷ トンマナリストをつくる

コンセプトが言葉にできたら、トンマナリストを作っていきます。コンセプトワードとアーティストの音楽性をベースに、どういうトンマナかイメージできるようにしていきます。

チームみんなの意思疎通をするためです。Pintarest使ったり、YouTubeのプレイリストを使ったり、Instagramをつかったり、イメージされるものを集めていって、チームでトンマナを固めていきましょう。

ちなみに、人間には目で情報を処理するのが得意なタイプと、耳で情報を処理するのが得意なタイプと、手で情報を処理するのが得意なタイプがいるそうです。なので、言葉とビジュアルでととのえてあげればチーム共有がしやすくなります。私は俄然、目で判断するタイプです。

❸やらないことリストをつくる

コンセプトワードとトンマナリストが出来たら、最後にやらないことリストを作ります。アーティスト×コンセプト×トンマナを踏まえて、やったら一貫性が損なわれる。ダサい!そういうことをリストにしていきます。

これは簡単だと思います!

コンセプトから、夢定め

❶コンセプトワード、❷トンマナリスト、❸やらないことリスト。この3つが固まったら、一度A4用紙1枚にまとめるコンセプトシートを作って、コンセプトを固めましょう。

あくまで目的は「チームの意識を統一し、アクションを明確にする」ことですので、かっこつけなくて大丈夫です。ただ、ワクワクはしなきゃいけません。そんなワクワクを作るのは、アーティストの夢だったりします。

ここからは夢の話です。ビジョンといったりもするでしょう。カタカナ英語って定義が人によってぶれるのでここでは「夢(目標)」としておきます。

コンセプトが固まったら、そのコンセプトで叶えたいワクワクする夢を定めます。夢を描くときのポイントは、「具体性×ワクワクする未来」です。ワクワク度が大きいと、たくさんの人が応援してくれます。

そして、その夢に向かうための道のりを描くのが「戦略立案」となります。

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ワクワクする夢 by ジャンプ
“海賊王”に!!! おれはなる!!!!(ワンピース)
俺は中華を統一する最初の王になる(キングダム)

このコンセプト周りの言葉選びで役立ちまくる本をご紹介します。みんながワクワクしながら、何を目指すべきか明瞭になる言葉について書かれています。ちなみに筆者の細田さんはめちゃくちゃイケメンですw

このコンセプトを考えるにあたって、参考になるであろうnoteもご紹介します。ブランディングという視点でアーティストを分析されてます。


3-2. ②ターゲットコミュニティ

①アーティスト×コンセプト×夢

②ターゲティング 👈

③分析

④コンセプト×戦略

⑤ファン化フロー設計

「アーティスト×コンセプト×夢」を定めることができたら、次に共鳴・応援してくれそうな人たちを探していきます。

オススメの方法は性年齢でターゲットを定めるより、趣味嗜好のコミュニティでターゲテイングする方法です。トライブマーケティングと言ったりもしますが、A TRIBE CALLED QUEST好きとしては、トライブといえば、ATCQでしょ!って脳味噌なので、ここではコミュニティターゲティングで統一します。(ちなみに、4thアルバム派です!)

話を戻します。

音楽と相性がよく、コミュニティが数多く存在するプラットフォームは言わずもがなTwitterですね。ターゲットとなるアカウントを決めて、そのフォロワー(コミュニティ)に、担当アーティストをフォローしてもらう、それがコミュニティターゲティングのイメージです。

音楽性やコンセプトを元に、色々なコミュニティをターゲットにしてもらいたいのですが、ここで気をつけなきゃいけないのはターゲットするコミュニティ(アーティスト)の状況です。

イノベーター理論とキャズムという理論がありまして、なんだかんだこれが使えます。下記記事をご一読ください。知ってる!という人は記事スルーで大丈夫です。

記事画像を使用させていただくと、、、

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出典:イノベーター理論とは?5つのタイプと具体例を解説!

プロダクトやサービスが広がっていくとき、時期によって採用者が異なる。という理論で、このアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にはでっかい溝(キャズム)があるよね。と、言われてます。

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出典:イノベーター理論とは?5つのタイプと具体例を解説!

具体的にイメージできるように、アイドルに置き換えてみましょう。

イノベーターは、アイドルでいう古参です。アンテナの貼り方が尋常ではなく、新しいアーティストを積極的に探します。アーリーアダプターは、アイドルでいう初期の新規です。トレンドに敏感な層ですね。この層は「トレンドに詳しい」という自負もあるので、積極的にシェアしてくれる傾向にあります。コミュニティ内にグループが生まれるのもこの時期です。アーリーマジョリティは、大学の友達位です。気づいたら友達がハマってた。そんな感じです。レイトマジョリティは親・親戚ですね。ラガードはおじいちゃんおばあちゃん。

この理論を取り入れて、ターゲットとするコミュニティを改めて考えてみます。例えば、いくら音楽性やコンセプトが近いからといってKing Gnuのコミュニティをターゲットにすべきでしょうか?King Gnuは間違いなくアーリーマジョリティには浸透しているアーティストですので、ターゲットとするには効率がよくありません。キャズムがありますからね。

ですので、ターゲットとするコミュニティは同じくらいの状況・ゾーンのコミュニティを優先的にターゲットとしていきましょう。


3-3. 分析

①アーティスト×コンセプト×夢

②ターゲティング

③分析 👈

④コンセプト×戦略

⑤ファン化フロー設計

ターゲットとなるコミュニティが決まったら、ターゲットコミュニティが求める価値と、成功の方法を探し出すために、「❶ヒットの分析」と「❷6つの環境分析」を分析します。

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❶ヒットの本質・共通項の分析

ターゲットコミュニティ内のヒットコンテンツを分析します。ポイントはヒットコンテンツ単体というよりコンテンツ横断での分析です。そうすることでターゲットコミュニティが求めている「価値」を掴むことができます。

ちなみに分析を行うときのTIPSを3つ
1. 定量分析と定性分析
2. 虫の目、鳥の目、魚の目
3. Why?5回

です。詳しくは、資料のP.33をご覧ください。画像だけ載せときますね。字が小さいですが...

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で、このヒット分析が結構辛い作業なんです...
得意な人はめちゃ得意だと思うのですが、いかんせん疲れる。ですので、この分析はアーティストチームより一つ大きい単位である、グループとか部署で共通して行ってもいいと思います。
ただ、ベストはチームで行うことですね。オーダーメイド分析みたいな感じになるので。

先日公開したTikTokについて分析したnoteを貼っておきますね。こちらは定性的な分析、魚の目を使っています。具体的な数字による検証をしていないので仮説ですね。

❷6つの環境分析

先ほどの「ヒットの分析」は、ターゲットコミュニティが何を価値としているか?知るために分析しましたが、こちらは「環境」を分析します。

6つも分析すんのかい!という面倒臭さを感じると思いますw
ただ、こちらは通常業務の中で行っていたりすると思うので、以外とそんなに苦ではないと思います。

6つの内訳は下記となります。
1. プラットフォーマー
2. ターゲットコミュニティ
3. 競合コンテンツ
4. カルチャー
5. 社会
6. アーティスト&チーム

めちゃくちゃシンプルに言葉で説明すると、

主戦場となるプラットフォームでの成功の法則は?
×
ターゲットコミュニティにとっての価値とは?
×
競合コンテンツの動向と、潜在的競合は?
×
アーティストをとりまくカルチャーの歴史と未来は?
×
気にすべき社会情勢は?
×
アーティストの強みとチームの強みは?

を分析して、戦い方を考えます。細かい部分を考えだすと正直キリがありません。切り口用に、資料にはチェックリスト例を載せておきましたが、例だけでもこんなにあります...

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だいぶワッショイです。
本当にワッショイです。
ですので、最初はざっくり大味で、仮説を立てながら検証しましょう。無理しすぎない!仮説が立てれたら一段階深ぼって仮説を検証する。仮説が正しければさらに深ぼる。という感じです。あくまで無理は禁物です。

そして、一人でやると心が折れると思います。ですので、チームみんなでやりましょう!コロナ禍の今「社会」は激変してますし、ちょうど分析するタイミングです。

チームでワイワイ話しながら分析すると、意外と楽しいと思います。ちなみに、この分析ですがチーム外の人ともできます。例えば「プラットフォーマー」や「社会」は確実にできますし、担当アーティストのジャンルが近ければ「カルチャー」や「競合」、「お客さん」も一緒に分析できるでしょう。分析は色々な人の視点が参考になるので、うまいこと巻き込みながら背負わずに行うことがオススメです。


3-4. コンセプト×戦略

①アーティスト×コンセプト×夢

②ターゲティング

③分析

④コンセプト×戦略 👈

⑤ファン化フロー設計

「①アーティスト×コンセプト×夢」で固めたアーティストコンセプト。そして「②ターゲティング」、「③分析」から導いたた”成功の方法・ターゲットが求める価値“ 。それらが重なる部分か、それらを掛け算するかで大きな戦略を考えます。

重なる場合

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アーティストのコンセプトが、世の中が求める価値そのものだったらこんなに嬉しいことはないですが、なかなかそう上手くいきません。一見、どこにも重なりがないように思えるときもあるでしょう。そんな時は「何かと組み合わせれば重ならないか?」等、視点を変えてみながらどこかに重なる部分がないか探しましょう!重なる部分で戦略を考えるのがスタンダードです。これはクリエイティブにも言えます。King Gnuも重なる部分を探したことを、情熱大陸で語っていましたね。

掛け算

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重ねる部分は、あまりコンセプトを崩さないアプローチだと言えます。そういう意味では、少しコンセプトに手を加えるのがこの掛け算です。でも掛け算することでいいこともたくさんあるはずです。感情と理性を行き来しながら、どこか掛け合わせられる部分がないか探ります。

例えば、

事例:安室ちゃん『Queen of Hip-Pop』

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2003年頃に低迷期があった安室ちゃん(低迷期と言ってもぜんぜん売れてます!)。本格的なR&Bにシフトしていた時期です。大きな理由は、これ迄の「みんなの安室ちゃん像」との大きな解離だと思います。大ヒットしていたからこそ「みんなの安室ちゃん像」が最大のライバルになっていました。そんな状況下にリリースされたのが『GIRL TALK』(2004)であり『Queen of Hip-Pop』(2005)。既にSUITE CHICなどの活動でR&Bシーンからは信頼を得ていた安室奈美恵と、全女子のカリスマである安室奈美恵が、絶妙なブレンドでJ-POPの要素を取り入れたサウンドをフックに快進撃を続けることとなりました。

『Queen of Hip-Pop』は安室ちゃんというカリスマだからこそ言えるコンセプトワードですし、活動後期では最新のサウンドを取り入れていく姿もカッコ良かったですね。ライブ見たかった...
(私の勝手な推察です。間違っていたら誠に申し訳ございません。)

大きな戦略策定

はい。ここまでくると大きな戦略はたてられる段階に入っています。
一度、ここで大きな戦略を固めていきましょう。

大きな戦略を文字にするとこうなります。一度当てはめてみてください。

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これまで考えてきたことを一度まとめる感じですね。
アーティストが提供する価値と、ターゲットコミュニティが求める価値がクリアになっていたらスルリと定まるはずです。

ターゲット再考

大きな戦略が固まったら、もう一度戦略とターゲットを見つめ直します。「あれ!?この戦略ってもっとターゲット広げられるくね?」というのが見つかるやもしれません。というか、見つけましょう!

ここではアーティストのコミュニティとか関係なしに、ひろーく見てみます。近いところだとアニメとかマンガ、スポーツもターゲットになりえるかもしれません。

夢への道のりを、因数分解

ターゲットの再考も終わったら、夢(目標)への道のりを因数分解します。夢に向かって何が具体的に必要か考えるパートですね。因数分解の要素はそれぞれだと思いますが、まずは「お金」、「ファン」、「社会認識」、「クリエイティブ」という要素がわかりやすいと思います。

この因数分解が、実は私も得意ではないんです...。参考になる書籍を載せておきます。実務で因数分解するときにめちゃくちゃ使えると思いますので、ぜひご一読を!

参考例としてスライドも載せておきます。
実態がないとフワッとしますねw 反省してます...

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3つの戦略策定へ

大きな戦略策定の完了

ターゲット再考

夢への因数分解を行って、必要な要素を抽出

ここまできたら、あとは必要な要素をクリアするために、3つの切り口で実行方法を考えていきます。先ほど迄の大きな戦略が長期的な戦略なのに対して、こちらは中期的・短期的かつ具体的な戦略です。人によっては戦術というのかもしれません。

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考えるべきは3つです。

①体験戦略

②コミュニケーション戦略
③TEAM戦略

他にもあるかもしれませんが、ここで大事な視点は、リスナーを中心に考えるということです。アーティストではありません!ここめちゃくちゃ大事なポイントです。アーティストを中心においてしまうと、コアな方に、コアな方に向かいます。逆に、そういう思考のアーティストはアーティストを中心において考えるのがいいと思います。

話を戻しますね。
①体験戦略は、アーティストをどう楽しんでもらうかです。楽曲視点ではなく、お客さんの体験視点で考えるのがポイント。

②コミュニケーション戦略は、どう届け、生活の一部にしてもらうかです。会話を引き出すのがポイントですし、365日レベルで考える必要があります。上の体験戦略とかなり密接です。

③TEAM戦略は、どう仲間になってもらうかです。ファンを超えて、仲間になってもらう必要があります。

3つは連動しますし、全てを連動して考えます。

3つの戦略 - ①体験戦略

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アーティストを、
どう、聴いてもらうか?
どう、視てもらうか?
どう、観てもらうか?
どう、買ってもらうか?
どう、繋がってもらうか?参加してもらうか?
どう、話してもらうか?聞いてもらうか?
どう、考えてもらうか?
どう、読んでもらうか?
他にもありそうですね。

それぞれと全体俯瞰、両方を意識しながら体験戦略を構築していきます。各施策をどうするかは、コンセプト×戦略に則っりながらコンテンツの価値が最大化する施策を考えていきます。ここからは、各アーティストによって方法が細分化しますので、ヒントになる情報を掲載しておきます。

3つの戦略 - ①体験戦略 - 聴く

元Spotify・松島さんのnoteを熟読しましょう!このストリーミングノウハウにどうやってフィジカルを掛け合わせマネタイズするか。ここが重要なポイントです。WONKのようにフィジカルは受注生産豪華盤のみというのが今後のスタンダードになる気はします。ストリーミング×CDではないフィジカル(受注生産・グッズ)での戦略構築の準備もしておきましょう。Tweetもチェックでs

松島さんが会社を立ち上げられているので、相談してみるのが一番いいと思います!

3つの戦略 - ①体験戦略 - 視る

YouTubeが中心に来るのは勿論、Twitter・TikTok・Instagram・LINEのビデオも同じくらい重要です。各サービスがガイドラインやTIPSを公開してくれていますので、しっかり学んでおきましょう。

YouTube Creator Academy
Twitter:Twitter マーケティング
Twitter:Instagram & Facebook マーケティング JP
Twitter:TikTok Ads Japan
Twitter:デジプロ🔥@デジタル広告のプロを育てるスクール

3つの戦略 - ①体験戦略 - 観る

たくさんのいいライブを観ることが一番重要です。
ももいろクローバーZ、サカナクション、SEKAI NO OWARI、星野源、Amazarashi、ライブや演出に定評のあるアーティストの単独公演は、ジャンルを問わず見にいきましょう。そして、ライブに関わるテクノロジーをチェックするのもお忘れなく。withコロナにおいて、大きなシフトが必要になるライブ業界。最新のニュースや動向も常にチェックします。
サザンすごかったですね!!

3つの戦略 - ①体験戦略 - 買う

Direct to CustomerことD2C。 Awesome City ClubのPORINさんがyardenというブランドを立ち上げてますし、先日加藤ミリヤさんもスキンケアブランドのプロデュースを発表しました。今後アーティストはD2C化がマスト項目になるはずです。Takram・佐々木さんによる「D2C」はオススメです。

3つの戦略 - ①体験戦略 - 参加

ファンクラブやファンコミュニティ、そしてファンベース。さとなおさん著「ファンベース」に関しては、ジマタロさんがnoteで分かり易くまとめてくれていますので、まずはそちらを。

ただ、このファンベースは実務の肌感で掴むしかありません。というか、むしろこの肌感で掴めるのが、音楽マーケティング実務者にとっての最大のメリットと言っていいと思います。私自身、レコード会社を辞めてから気づいたのですが、ファンマーケティングにおいては強みといえるレベルに達していました。それもこれも、レコード会社での肌経験のおかげです。おかげでしかありません。本当にありがとうございます。

お話戻します。
ファンベースで個人的にポイントだと思うのは、「こういうことをすると、このファン層がこう動くから、こうなる。それがこう広がって…」というファンの行動の構造を理解することです。言葉選びが微妙かもしれませんが、パチンコの釘打ち的な視点が重要です。

そして、ファンベースで上手く活用したいのは、LINEアカウントです。ダイレクトに1 to 1コミュニケーションが可能なLINEアカウントはフル活用すべきです。Twitterのファンは全員LINEに移行させる!それくらいの気持ちでLINEプラットフォームを上手く活用しましょう。

Twitter:LINE for BUSINESS

あとは昨今話題のゲームやメタバース。メタバースも遠い未来の話ではなくなりましたね。とりあえずフォートナイトと、マインドクラフトと、あつ森を始めましょう。あと『レディ・プレイヤー1』もめちゃくちゃ面白いです!(金曜ロードショー放送控えてます)

3つの戦略 - ①体験戦略 - 話す聞く


メイクカンバセーションこと、話す聞くです。Twitterがやっぱりメインですね。Twitterでは会話を生み出すことを意識しましょう。お題があってそれに答えるみたいな大喜利もあれば、作品に対して語り合ってもらったり、とにかく「会話を生み出す」これがポイントです。

SNS運用等で有名なホットリンク・飯髙悠太さんが、ULSSASというSNSの購買モデルを提唱されています。詳しくは、下記記事をご覧ください。

あと、いつもスタートアップ系の情報を発信されている宮武さんのこの記事も。

3つの戦略 - ①体験戦略 - 考える

語る要素があるかどうか。この場合、アーティストは勿論ですが、作品に語る要素・探求余地があるかがポイントです。作品に探求余地が多いと多くの考察UGCが生まれます。自分が好きな考察だとついつい見ちゃいますよね。

代表的な例はワンピースやエヴァンゲリオン 、YOASOBI、King Gnu等。人気作品の考察はアクセスも集まるので、より多くのセミプロたちによる考察記事がアップされます。このいいスパイラルに入ると一安心です。

この探求余地は、基本的にクリエイティブと相性がいい視点です。例えば、新宮良平氏による日本版『This is America』とも言える欅坂46『黒い羊』MVはまさに探求余地がふんだんですね。

3つの戦略 - ①体験戦略 - 読む

メディアがどんどん力を失い、SNSがパワーを持つ時代ではありますが、まだまだメディアはパワーを持っています。
重要なのは、
「どのメディアがどういう力を伝える能力をもっているか?」、
「このメディアの、ここにお客さんは価値を見出してるのではないか?」、
「ここもメディアとして力があるのではないか?」、
「何を価値として伝えればそのメディアの力を最大化できるのか?」、
といった視点です。
参考図書載せておきます。

流石に疲れましたね...
まだ書くことがあって、流石にまとめ力がないなぁと反省します。
あともう少々お付き合いください。


3つの戦略 - ②コミュニケーション戦略 

次回、2/3 -コミュニケーション編-に別途まとめますので触りだけ。

プロモーションとコミュニケーション。定義もそれぞれだと思うので、言葉のイメージにはなりますが、これからは一方通行のプロモーションではなく、双方向なコミュニケーションが基本であり、コミュニケーションのその先まで設計していかなければいけません。

日常に例えるなら、はじめて会った人に「この間あった人がとても面白くてさぁ…」と、紹介されるところまで設計せねばいけません。勿論、人のことなのでコントロールはできないので、“コミュニケーションをデザインする” というスタンスが重要になってきます。手法を中心に考えるのではなく、人を中心に考えることも重要です。


3つの戦略 - ③TEAM戦略 

TEAM戦略は、どういう風にチームを作っていくかです。アーティストスタッフとしてのチームは勿論、ファンにどうやって仲間になってもらうかも考える必要があります。ただのファンではなく、仲間になってもらう。これが重要です。

ワンピースですね!

スタッフは「アーティスト×コンセプト×中長期戦略」でどういう人にジョインしてもらうか、もらえるか、検討します。この時「アーティスト×夢×コンセプト×中長期戦略」がワクワクする内容だと、優秀な人にジョインしてもらえる可能性が高まりますね。

チェックリストとしてTEAMでチェックしてもいいと思います。

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Technology:テクノロジーをフル活用
Emotional:感情を常にゆさぶる
Aim:目標・目的を常に作り続ける
Membership:チームの一員であることを感じてもらう


3-5. ファン化フロー設計

①アーティスト×コンセプト×夢

②ターゲティング

③分析

④コンセプト×戦略

⑤ファン化フロー設計 👈

いよいよラストです!ここまで長いと、誰も読んでないのでは?という気もしてきますがw

3つの戦略も固まってきたら、目的を定め、目的に向けた全コミュニケーションを設計します。今回は目的をマネタイズとFC加入に設定して考えます。全施策をファン増加につながるように設計するのが重要です。その設計書が、ファン化フロー設計でして、テキストにすると下記となります。

①知る 
視聴で知る
ヒトで知る

②気にいる
 Search1(視聴)
 Follow1(視聴)

③調べる・フォローする
Search2(情報)
 Follow2(SNS)  

④お金をつかう
LIVEへ行く
モノ(CD等)を買う

⑤FC加入
FC加入

⑥すすめる
強く推奨する
UGC(User Generated Contents)

④〜⑥のループをつくる

ファン化フロー設計はファンになるプロセス中、最も可能性が高いものだと思います。①から順々に流れていく人もいれば、途中で離脱してしまう人、順序を飛ばす人、途中から入ってくる人もいます。例えば、衝動買いで「②気にいる → ④お金をつかう」や、ライブで衝撃を受けて「④お金をつかう → ⑥薦める」はよくありそうなケースですね。

ここで大事なことは、ファン化の流れを感覚と数字で理解することです。数字でトラッキングすることで、現状把握が可能になります。少なくとも年に4回、できれば毎月、ファンの現状を把握しておきましょう。

尚、コミュニケーション施策を考えるときには「②気に入る → ③調べ、フォローする」と「 ③調べ、フォローする→④お金をつかう」ゾーンから施策を考えるのがポイントです。既に気にいってくれている人はファンになる確率が高く、ファン化コストも低くなりますし、ここを強化して「①知る」層が大きくなったときにも②→④での離脱者が減るので、ファンの取りこぼしが無くなります。

で、これを可視化するとこうなります。

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こちらはマーケティング界の巨匠・コトラー大先生の5Aをベースにアレンジしています。音楽やエンターテイメントとの相性はとてもいいと思いますので、読んだことないよー!という方はぜひご一読をオススメします。

レイヤー毎に説明していきますね。

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オレンジ:
ファンになる流れです。左から右へ、がファン化の流れとなります。ここで重要なのは「『お金をつかう』←→『FC加入』←→『薦める』のループをどれだけ循環させられるか」という部分です。サブスクの売上はベース売上として重要なのですが、この循環を生んで「健やかなファンベース」がないと、マネタイズに繋がらず健全なアーティスト活動に繋がっていきません。
イエロー:
縦線は人の数を表しています。この、どのゾーンに何人位いるのか?を認識しておくのが大事です。把握しておくことで「今、どこが足りないか?」、「どこを強化すべきか?」が分かって施策の検討ができます。アーティストの場合「薦める」の数が「お金をつかう」や「FC加入」より大きくなります。購買はしないけど、YouTubeとかサブスクでめちゃくちゃ聞いていて、人にめちゃくちゃオススメする!ということがよくありますから。ブレイクすると「調べ、フォローする」が一時的に増えたりしますね。
ブルー:
Twitterのシェアに関するゾーンです。アカウントが「メイン垢→趣味垢」へと変わることと、拡散の意味合いが「発見→推奨」に変わることがポイントです。この「趣味垢への変化」は成長したアーティストに多くおこることで、下記においてあんまり芳しく無いです。
①拡散効率が落ちる(アーティスト内の拡散にとどまる)
②実際の人数がわからない(フォロワー数 = フォロワー人数では無い)
ですので、LINEやFCといった1to1コミュニケーションが可能なプラットフォームにファンをどんどん移動させていきましょう!
レッド:
悲しいですが、離脱者の人数もチェックしておきます。本当は見たくないところですが、チェックしておくことが重要です。それぞれの対策も検討します。つらいすよね...
グレー:
各フェーズへのCV(コンバージョン)における、必要な要素を列挙してます。ここはアーティストによってかなり変わりますが、基本的には、
知る → 気にいる : 質と評判と相性
気にいる → 調べ、フォローする : 接触頻度と好奇心形成
調べ、フォロー → お金をつかう : 参加性と消費の言い訳
お金をつかう → FC加入 : 没入と関係性
FC加入 → 薦める : 大義と機会
が重要だと思います。

このファン化フロー設計は、設計書です。ですので、目的は3つです。
①ファンの最大化を、全体通してデザインする
②数値をトラッキングし、課題ファネルを認識する
③ココロの変化をとらえ、各施策を考える。
上記でお話したのは、①の部分ですので、ここからご説明するのは②、③となります。

ファン化フロー設計の数値化・トラッキング

次に②の各フローの数値化・トラッキングについてご説明します。前述の通り、「今、どこに何人くらいのファンがいるか?」を知るために、数値化・トラッキングというのは非常に重要です。

ただ、ここで謝罪せねばなりません...「知る」「薦める」の人数に関しては、調査が必要となるんです。誠に申し訳ございません!ですのでここでトラッキングするのは「②〜⑤」が中心になります。ただし、本当は①の認知率、⑥の推奨率はできる限り把握しておくべきなので、中堅以上のアーティストは四半期毎に調査を行うことをオススメします。

※認知率、推奨率の算出について詳しい方、ぜひご一報くださいますと幸いです。調査無しでの解決方法を探りたく...

繰り返ししつこくて誠に恐縮ですが、数値化の変化を捉えることで「どこで取りこぼしているか?」が分かり、どのフローの施策を優先して行うべきかの判断ができます。例えば、下記の表を見てください。タイアップや大型メディア露出をとても苦労して、費用もかけて実現したたとしても、②→③、③→④の離脱率が高ければ意味が無いことがわかると思います。

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数値トラッキング用のエクセルを下記にアップロードしておきますので、ご活用ください。

※調査を行う際、最初に調査会社に設計の相談を行うことをオススメします。目的は認知率・推奨率調査で、推奨率はNPS活用がいいと思います。若年層が最も多い、LINEリサーチがよいかと思います。

トラッキングの目的は「現状」を知ることです。ですので、「お金をつかう」に関しては最新のフィジカルリリース or ライブを上手く使い分けながらアレンジして利用してもらえればと思います。「今作(ライブ)がどこに寄与したか?」「狙い通りか?」をトラッキングしていきます。レーベルチームでFCを持たない場合はFCは除外して考えてもいいと思います。

ファン化フローに関わるデータはもちろん、取得可能なデータに関しては、きっちり取り続ける必要があります。面倒だったりはしますが、取り続けないと後々振り返ることができなくなるため損をしてしまいます。下記のnoteにもまとめてますので、ぜひご一読ください。

ファン化フロー設計を、ココロで捉える

最後に、③です。先ほどはトラッキングという視点で、数字を軸に考えました。ここではファンがどんどん増える仕組みづくりをココロで捉えます。フロー毎に「お客さんにこうあってほしい!」という行動を定義して、そこに向けて必要なアクションを整理していきます。

「いやいや!お客さんによって受け取り方なんて違うから意味ないよ!」という声が聞こえてきそうですが、ここではアーティストの強みをもとに「アーティストの必勝法」で考えます。この方法で入ってきてもらえれば絶対ファンになってもらえる!という必勝の仕組みを作っていきましょう。得意な形にもっていくのはコミュニケーション戦略の基本の1つです。

ちなみに、この考え方は「パーセプションフロー・モデル」というモデルをアレンジしていますので、補足もかねて読んでいただけると嬉しいです。

めちゃくちゃ難解だと思いますので、参考例を載せておきます。「行動・態度」、「認識・知覚」、「必要なアクション」を戦略によって書き変えてご利用ください。

画像30

実施施策が何か知りたいねん!というお話だと思いますので、参考例も掲載しておきます。オレンジ部分です。

画像30

正直、実施施策はケースバイケースです!元も子もないことをいいますが...
ここで重要なのは「この施策は、ここが目的だから、こうする!」といった目的と手段を大切にする。という視点です。何のためにやるのか?目的を念頭においておきましょう。

宣伝費ないから全フローなんて無理!!

活動初期は特にそうだと思います。ですので、そんなときのための2つポイントがあります。

① ミドル・ファンフローの施策の実施
② フローではなく、ストック的施策の実施

①の理由は「投資効率」の視点です。トップファネル施策は往々にして費用がかかりますし、ファン化までの距離も長いという課題も伴います。であれば、ファン化の可能性が最も高いファネルに力を入れます。ファンファネルに力を入れることで推奨が生まれるので、新規リスナーを獲得できるという利点もあります。

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②の理由は「施策を無駄にしない」という視点です。簡単に言うと次のリリース時にその施策がまだ有効に機能するか?という点です。ラジオ、Twitterなど流れていくものをフロー型と言いますが、初期は特にwebを活用する、作品以上にアーティストにフューチャーした施策を行う等、耐久性の高いストック型の施策がおすすめです。

トップファネルはストリーミング戦略で担保するのが、宣伝予算のかからない方法でおすすめです。例えば、毎月シングルリリースして、人気が高まったところでアルバムリリース。といった形ですね。feat.ワークを増やすのも1つの手です。

ちなみに、、、「いいわけ」って重要

「③調べ、フォローする」→「④お金をつかう」には大きなハードルがありますよね。YouTubeがあれば無料でアーティストはある程度楽しめちゃいますので。そこで重要になるのは「購入の言い訳をどうつくってあげるか」ということです。

みなさんも何か買うときに、「これ買うとこんないいことあるしなー」とか、「これ買うとこういういいことあって、めちゃコスパいいから」とかお金を使う自分を肯定していませんか?エンターテイメントは生活必需品だと私は思いますが、世間ではそうではありません。ですから、「言い訳」をきっちり作ってあげることで「④お金をつかう」へ進んでもらいましょう。


Chapter 3 [ 音楽マーケティングにおける、戦略策定の流れ ] まとめ

本当に、長いことお付き合いありがとうございました...
まとめます!

“アーティストらしさ” をコンセプトに落とし込むとともに、達成したい目標・夢を定める。その目標を達成するための手段が、戦略となる。

戦略策定では、ターゲットコミュニティを定め、そのターゲットコミュニティが求める価値を分析。
分析で導いた求める価値とアーティストコンセプトの重なり、または掛け合わせによって、アーティスト独自の<体験戦略>をつくり、<コミュニケーション戦略>で届けることで、アーティストのファンコミュニティへ誘導。
<TEAM戦略>によって夢を叶える仲間になってもらう。

戦略を実行するために、ファンまでのフローを設計し、目的にそった施策を実行する。実行時は常に「目的はなにか?」、「数字で見た時の変化」、そして何より「人のココロ」を主観・客観、視点を切り替えながら実行することを大切にする。

長いお付き合い、誠にありがとうございました。
これで「1/3 -戦略編-」が終了となります。今後、「2/3 -コミュニケーション戦略編-」、「3/3 -PR-」についてもまとめていく予定ですので、よろしくお願いします。(資料には全てまとめてます。)

さいごに、各レーベル、各マネジメント、各エージェンシー、そして各アーティストさん流にアレンジ・アップデートして頂き、後輩たちにナレッジシェアしてもらうためにver1パワポ資料をアップしておきます。

最後に私から3つの願い

1. もしよろしければ、note記事をシェアしていただけると嬉しいです!

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3. Twitterもやってますので、よければフォローお願いしますー!

Twitter:Miyamoto164

追記

第二〜四弾も書いたので、こちらに載せておきます!お時間のある時にぜひご覧いただけると嬉しいです!


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Miyamoto Hiroshi  |  宮本浩志

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