知らないで握った火箸
何かの禅問答で読んだことあったけど、
ある小坊主さんが、徳の高いお坊さんに
「悪いとわかって犯した罪と、
悪いと知らなくて犯した罪は、どちらが重いですか?」
と、尋ねたそうです。
そうしたらお坊さんが、
「熱いと知って握った火箸と、知らずに握った火箸、
どちらが火傷が重いか?」
と反対に聞き返したそうです。
火箸って、火鉢の中に入れて、中の灰をかきまぜるやつです。
今はほとんど見かけないけど、昔は田舎のおばあちゃんちに遊びに行くと、
置いてありました。お年寄りが座って、手を温めるイメージです。
これが火箸です。
火で焼かれていて、とても熱いです。↓
私はこの話を読んだとき、とっさに
「そりゃ、悪いと知ってて、わざと犯した罪の方が重いだろ。」
と思ったのですが、よく考えると、
熱いと知らないで握ってしまった火箸の方が、大火傷をします。
そうです。
このお坊さんは、悪いと知らないで犯した罪の方が重いんだよ、と
小坊主さんに教えたのでした。
その時に思いました。
子どもたちにマナーを教えてあげることは、とても大切なことなんだと。
その子が、知らずに大きくなって、知らずにやってしまって、
誰かを傷つけることで、相手も自分自身も後悔しないように。
それが言葉であれ振る舞いであれ、良い人間関係が築けるように。
そして、その子が学びの機会を逃さないように。
伝える、教えることが大人の責任なんだと、
今でもふと、思い出すお話です。
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