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音楽家のいろいろなエピソードにちなんだ絵を描いて、皆さんにご覧いただいています。私自身…

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音楽家のいろいろなエピソードにちなんだ絵を描いて、皆さんにご覧いただいています。私自身はバロック音楽が好きで、フラウト・トラヴェルソを習っています。普段はグラフィックデザインとイラストレーション制作の仕事をしています。 https://www.miuramanami.net/

マガジン

  • note クラシック音楽の普遍化を達成する

    • 1,688本

    クラシック音楽の歴史や作曲家、作品について、哲学的な視点から分析し、その普遍性や深さを探求する和田大貴のnoteです。クラシック音楽について語り合えることを楽しみにしています。参加希望の方はマガジンの固定記事でコメントしてください。

  • J.S.バッハ エピソード

    J.S.バッハのエピソード&イラスト

  • コンサートレビュー

    クラシックコンサートの感想&イラスト

  • バロック・フルート レッスン記

    バロック・フルート(フラウト・トラヴェルソ)のレッスンを通じて学んだこと、気づいたことなどなど。

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バッハを聴く トン・コープマンのリサイタルがきっかけでnoteを始めました

今、こうしてnoteにJ.S.バッハのエピソードと絵を描いているのは、トン・コープマンのパイプオルガンリサイタル(2023.2.18)がきっかけです。 パイプオルガンはこれまでサントリーホールやオペラシティの入場無料ランチタイムコンサートは行ったことがありましたが、リサイタルは初めてでした。すでに満席に近い状態で3階の最終列でしたが、オルガンとの高さは同じくらいで、演奏者が良く見える席でした。 実はそれまでトン・コープマン氏がどんな方なのか全く知りませんでした。バッハのパ

    • バッハ エピソード35 お父さんの耳はすごい

      バッハの次男カール・フィリップ・エマヌエルは、伝記作者フォルケルにあてた手紙の中で、父親バッハの優れた感覚について語っています。彼は父の指導があったからこそ自分が成功することができたと語り続けており、初期のバッハ神話を創り出した人でした。 下記は、その次男エマヌエルが書いた手紙の内容の一部です。 調律が上手い自分が楽器を調律したり、調整しても、父を満足させることはできませんでした。そういったことは父が自らしました。父はオーケストラ全体の音を調整するように、自分の楽器をとても

      • バッハを聴く ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロの親密

        バッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタを聴きにサントリーホール(小ホール)に行ってきました。 さて、ヴィオラ・ダ・ガンバはどんな楽器?ヴィオラ・ダ・ガンバは「ガンバ(脚)」という名称が示すように、両脚で挟んで弓で弾く弦楽器です。 形はヴァイオリンやチェロに似ていますが、全く別の楽器です。 6本あるいは7本の弦とフレットのついた指板を持ったこの楽器の特徴をひとことで表すなら、弓で弾くギターです。私は以前、二胡を習っていたのですが、ヴィオラ・ダ・ガンバと同じように弓を下から持つ楽

        • まずは踊ろう!サラバンド

          バロック音楽といえば舞曲。 本日はバロック・フルートのレッスンにて、舞曲サラバンドを学びました。 さて、サラバンドって、どんな舞曲?サラバンドは3拍子のかなりゆっくりした重々しいリズムの舞曲です。 宮廷では好んで踊られたダンスの一種で、アルマンド、クーラント、ジグとともに人気を博していたそうです。 情緒的で優美あるいは荘重な曲調で、17世紀からリュートやクラヴサンのための曲が多く作られ、組曲に欠かせない舞曲でした。 ゆっくりだから簡単だろうと思っていたのですが、ゆっくり過ぎ

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          バッハを聴く オルガンの巨匠ロレンツォ・ギエルミ

          オルガンの巨匠ロレンツォ・ギエルミが奏でるオール・バッハ・プログラムのリサイタルに行ってきました。 会場は池袋にある東京芸術劇場です。 世界で唯一の回るパイプオルガンこちらのパイプオルガンは世界で唯一2面式の回るパイプオルガンで、クラシックデザインのバロック様式・ルネサンス様式のオルガン(415hz・467hz))とフランス古典やロマン派以降の音を奏でるオルガン(442hz)が背中合わせになっていて、演奏曲の時代に合わせてオルガンを選べるようになっているのです。 どんなオ

          バッハを聴く オルガンの巨匠ロレンツォ・ギエルミ

          バッハ エピソード34 レオポルト侯との友情

          バッハにとってケーテンでレオポルト侯に仕えた1717年から1723年までの6年間は、良き君主に恵まれ、人生における最も幸せな時期だったと言われています。 バッハのケーテンでの作品としては、協奏曲のシンボル的存在である《ブランデンブルク協奏曲集》をはじめ、レオポルト侯の誕生日祝いのための世俗カンタータ、平均率クラヴィーア曲集第1巻に代表されるクラヴィーア作品、1本のヴァイオリンやチェロのための無伴奏作品、ヴァイオリン、フルート、ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタなどが残ってお

          バッハ エピソード34 レオポルト侯との友情

          この夏、絶対みたい映画 『ボレロ 永遠の旋律』 天才の魂を奪った‟魔の名曲”「ボレロ」の誕生秘話を描く音楽映画 https://gaga.ne.jp/bolero/ 大好きな「ボレロ」の秘話、楽しみです。

          この夏、絶対みたい映画 『ボレロ 永遠の旋律』 天才の魂を奪った‟魔の名曲”「ボレロ」の誕生秘話を描く音楽映画 https://gaga.ne.jp/bolero/ 大好きな「ボレロ」の秘話、楽しみです。

          コラールカンタータ300周年記念コンサート

          バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の定期演奏会 コラールカンタータ300年プロジェクト第1回に行ってきました。 BCJ コラールカンタータ300年プロジェクトとは?今年2024年は、1524年、ルターが賛美歌集を出版した “賛美歌制定の年“ からちょうど500周年、さらには、バッハがライプツィヒに移り住み、その翌年1724年の5月から翌年の3月の終わりまでに、“コラールカンタータ”と呼ばれる特別なカンタータを40曲作曲してから300周年となります。そこで2024年から2

          コラールカンタータ300周年記念コンサート

          バッハ エピソード33 音楽嫌いなお妃さま

          1721年、バッハが再婚した1週間後、君主レオポルト侯(27歳)がアンハルト=ベルンブルク公の公女(19歳)と結婚しました。フリーデリカ・ヘンリエッタというこの侯妃は、芸術や音楽に全く関心を示さず、音楽士など低級な人種だと思っていました。 この音楽嫌いの侯妃は、バッハの音楽やバッハとレオポルト侯の友情に嫉妬していたようです。 そのため、レオポルト侯も次第に音楽に関心をもたなくなり、バッハに対する態度も変わってきてしまったのです。 ケーテンは元々豊かな宮廷ではなかったので

          バッハ エピソード33 音楽嫌いなお妃さま

          フルート1本で出世したミッシェル・ブラヴェ

          昨年2023年のフルートの発表会はバロック・フルートを始めてまだ半年ちょっとでした。先生から「せっかくですから、今回はモダン・フルートではなく、バロック・フルートで演奏してみませんか」との提案があり、Ddurの曲を急ぎ探しました。(まだDdurしかやっていないという事実😅。そして、あと4か月しかない💦つまりレッスンは8回のみ)ようやくこれならできるかも??という曲をなんとか見つけ、挑戦することに。ミッシェル・ブラヴェのフルートソナタOP.2-5よりⅠ.Largo、Ⅱ.Alle

          フルート1本で出世したミッシェル・ブラヴェ

          バッハ エピソード32 父親の顔

          以前、バッハの教育システムについて書かせていただきました。 教育についてはとても熱心で、弟子たちのために惜しげもなく自らの技術を注ぎ込んでいました。バッハにとって『人を育てる』ということは、自らが苦労した経験からも、とても大切なこととして捉えていたのではないかと思います。 さて、息子たちへの教育はどうだったのでしょう? 1. 《フリーデマンのためのクラヴィーア小曲集》1720年、バッハは一冊の楽譜帳を書き始めます。 長男フリーデマンが9歳となり、教育目的を兼ねたもので、

          バッハ エピソード32 父親の顔

          楽器製作者ルドルフ・トゥッツ氏の素敵な映像

          だいぶ前のことですが、バロック音楽の演奏会に行った時、とても雰囲気のある楽器を使われていたフラウト・トラヴェルソ奏者の方がいて、あとでフルートの先生に「あの楽器はどこの工房のですか?」と尋ねたところ、「トゥッツという工房ですよ。最近トゥッツさん、お亡くなりになってしまいましたね。」と2、3年前に聞きました。 「そうか、もうお亡くなりになった職人さんなんだ、残念だな。。。」 と、それっきり忘れていましたが、 Yoshio Takamuraさんが紹介されたトゥッツ氏の映像を見て

          楽器製作者ルドルフ・トゥッツ氏の素敵な映像

          バッハ エピソード31 アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集

          バッハは1721年に再婚した16歳年下のアンナ・マグダレーナ・バッハのために、翌年1722年から、一冊の音楽帳《アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集》を書き始めます。のちに《フランス組曲》となる5つの組曲(第6番を除く)がバッハ自身の手で記入されているため、とても貴重なものとなっています。 そして、1725年から第2巻がスタートします。第2巻は特に有名です。『アリアと歌曲』BWV508~518や、クラヴィーアのための《パルティータ》の第3、6番の初期、《ゴ

          バッハ エピソード31 アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集

          バッハを聴く カンタータ第214番「太鼓よ 鳴れ ラッパよ響け」BWV214

          爽やかな新緑と海風が心地よい横浜・山下公園。 古楽・アンサンブル山手バロッコによる横浜開港記念コンサート「バッハ珠玉のカンタータ 喜びのうた〜歓喜の響き〜」を聴きに神奈川県民ホールに行ってきました。3曲演奏されましたが、今日はその中から世俗カンタータBWV214を取り上げたいと思います。 さて、《カンタータ第214番「太鼓よ 鳴れ ラッパよ響け」 BWV214》ってどんな曲?この作品は、ザクセン選帝侯妃マリア・ヨーゼファの誕生祝として1733年に作曲された、世俗的なカンター

          バッハを聴く カンタータ第214番「太鼓よ 鳴れ ラッパよ響け」BWV214

          今日もnoteのイラストを描いています。 noteを開いたら、 「おめでとうございます!」と 初めてコングラボードが届きました✨ とても嬉しいです スキしてくださった皆さまに感謝🩷 https://note.com/musicandwords/n/n17dd72b2757e

          今日もnoteのイラストを描いています。 noteを開いたら、 「おめでとうございます!」と 初めてコングラボードが届きました✨ とても嬉しいです スキしてくださった皆さまに感謝🩷 https://note.com/musicandwords/n/n17dd72b2757e

          フランス盛期のフルート奏者 オトテール

          桜も散り始めた土曜の夕方、フルート教室のおさらい会がありました。おさらい会とは、日頃のレッスンで取り組んでいるエチュードなどをソロもしくは先生との二重奏で、人前で吹く会です。ピアノ伴奏はなし。毎年開かれる8月の発表会で、いきなりの本番は緊張感が高いので、発表会の前に「人前で吹く、広い空間で吹く体験をしてみよう」という機会を設けてくださっています。 本日の会場は、約40人ほど入る、音楽演奏用ステージがあるレストランです。 今回は2月に納品となった新しいバロック・フルート(フラ

          フランス盛期のフルート奏者 オトテール