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ピアノ伴奏者の心得 その2 立ち振舞い編

伴奏ピアニストとは、ステージ上でソリストと共に演奏する人のことで、伴奏のレベルも、地味なものから、共演と言っていいくらいアンサンブル能力を問われるものまで様々ある。

今回は伴奏ピアニストの立ち振舞いに関して、役立つかもしれない情報を書いてみる。演奏に関してもそうだが、伴奏ピアニストに要求されるのは、常にバランス感覚である。

ステージ上ではソリストを立てるのが鉄則。出入りは常にソリストを優先し、出しゃばらない。

服装は基本的に黒で、ソリストより派手な格好はふさわしくない。例え華やかな格好が好きでも、ソリストより目立ってしまうのはマナー違反。

ひとつのコンサートやコンクールで何人もの伴奏をする場合、楽譜の取り間違えに注意。自分で譜面台まで持って行くときはまず間違えることはないと思うが、譜めくりを頼む場合、その人がステージ上で楽譜を持ち運んでくれることもあるので、似たような外観の楽譜が多い場合、この点はしっかり確認が必要。楽譜はすぐ開ける状態にし、スマートに譜面台に置きたいところ。自分で譜めくりをする場合、めくるタイミングに合わせた複雑な折り方になってしまう場合もあるので、綺麗に開けるようセット。

演奏前後、演奏中は常にソリストとアイコンタクトが取れるようにしておく。これは非常に重要なポイントで、チューニング、準備完了や始める合図、その他諸々の意思疎通をアイコンタクトでするので、基本的にソリストの方を向いているようにする。演奏中も常に視野を広く保って、何かあったときすぐ対応できるようにしておく。

ソリストから紹介されたら感じ良くお辞儀。(よく演奏終了時に、アイコンタクトと動作で合図してくれる)

レッスンに同行するときは、ソリストの指導者へのマナーを忘れずに。また本番もソリストの関係者に会うことが多いが、礼儀を尽くす。

本番前はリラックスしてお喋りしたい奏者もいれば、ひとりで集中したい人もいるので、その辺りは察する。楽屋で食べる人もいる。

過密なスケジュールの多忙な人も多いので、無駄な時間を取らせないよう時間厳守。しかしソリストがリハーサルなどに遅れても責めないように。

行動としては常に控えめである必要があるが、演奏に関しては伴奏側もきっちり意見を言うこと。合わせにくい部分、明らかに楽譜から外れている部分、テンポや音量バランスの調整、より演奏効果を高める提案など、互いに遠慮なく言い合えることが大切。良いコミュニケーションが上手いアンサンブルを作る。この点では両者は対等。

推測だが、伴奏ピアニストは、聴衆からの拍手より、ソリストから頼りにされるのがやり甲斐、という人が多いのではないかと思う。目指したい場合、小中学生の頃から合唱の伴奏などやるとどんどんバランス感覚が磨かれるので、色々引き受けてみるのがお勧め。

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