Música

15年以上、ピアノの演奏者、講師。これまでの経験知識を、誰かが役立ててくれるようnot…

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15年以上、ピアノの演奏者、講師。これまでの経験知識を、誰かが役立ててくれるようnoteに。趣味と特技は複数の外国語。音楽、教育関連を中心に、海外メディアからも紹介していきます。スペイン語ブログhttps://wakanaaa.blogspot.com/

最近の記事

ピアノテクニックにおいて最も重要な指は

ピアノは、5本の指を使って弾くのは周知の事実であるけれども、最初から均等に使える人はいない。特に4、5の指は、それなりのトレーニングをしないと、自由に動かすのは難しい。日常の手の動きは、1、2、3の指を動かせば完結する動作がほとんどで、4、5は補助的にしか使わないからだ。 では、鍵盤を自在に操る上で要となる指はどれかというと、それは4だと思う。確かに指自体は、5の方が細くて弱いが、5には端の指としての機能があり、単体であれば、コントロールは比較的し易い。4と5が絡むからこそ

    • 演奏におけるsubito p の威力 トランプ氏の演説を音楽的に分析

      25年前の学生時、友人の試験のために伴奏した管楽曲を、再びコンクールで伴奏することになった。25年も経つと、流石に運指も全てやり直しで、テクニック的にメリットはほとんどないように思う。しかし、当時譜読みした記憶や、指摘されたことなどが、様々思い出されてきた。楽譜を読み直してみると、10代の頃は、作曲家が表現しようとすることなんて、ひとつも理解していなかったと思う。ただ楽譜を指示通り弾いていただけで、何が音楽を魅力的にするかなど、考えもしていなかった。 この楽曲の後半には、巧

      • シンプルなタスクを積み重ねる大切さ 楽器習得と外国語習得

        何かを上達したいと思うなら、シンプルなタスクを継続して積み上げるという方法に尽きると思う。楽器も例外ではない。あまりに飛躍が大きかったり、単純な部分をすっ飛ばしていきなり複雑なことに取り掛かろうとすると、必ず無理が出て、出来るものも出来なくなる。 ピアノの習得では、よく、初心者の大人は子どものような上達は見込めない、と言われる。これはもちろん運動能力の面も関係しているのだが、個人的意見としては、大人はすぐにレベルに合わない複雑なことをやりたがる、という点も関わっているように

        • 楽器は休憩中に上手くなるという話

          楽器の習得は、基本的には練習量に比例する。よほど不適切な練習法でない限り、練習する程に上達していくもので、ピアノも例外ではない。 ただ、練習しているにもかかわらず、スムーズ弾けるようにならない箇所がある、という状況に遭遇することがある。もし、几帳面に丁寧に取り出して、最大限の集中力を払って練習を繰り返しているのになかなか思い通り弾けない、という場合、少し辛抱強く待ってみると良いかと思う。2、3日同じように繰り返しても弾けないというのはよくあることで、猛練習した後、他の曲など

        ピアノテクニックにおいて最も重要な指は

          初見演奏と同時通訳の類似性

          今回は、長年興味深く考えている、毒にも薬にもならない話である。もし同じことを感じる方がいらっしゃれば、と思い書いてみた。 ピアノの初見演奏と同時通訳は、脳の使い方にしても、習得のプロセスにしても、状況への対応にしても、かなり類似する部分があるのではないか、とずっと考えている。そこで、細かく比較してみる。 両者とも、相応のトレーニングと努力を積み重ねて身につけられる能力であり、プロフェッショナルな領域だ。ピアノを弾ける人はたくさんいるが、複雑な楽譜を適切に初見で弾ける人は限

          初見演奏と同時通訳の類似性

          ピアノ伴奏の手引き 本番前の合わせ練習で確認すべきこと

          今回は、ピアノ伴奏に的を絞り、ソリストとの練習で必須と思われることを書く。 ピアノ伴奏はほぼあらゆる楽器、声楽や合唱に必要とされるので、必ず需要がある。特に目的を決めず、アンサンブルの経験それ自体を楽しむこともあるが、今回は本番のための合わせ練習という前提で書く。 本番前に何回練習するかは、ソリストとの相談によるが、おそらくそこまで回数はかけられないという場合が多いと思う。お互いごく近所に住んでいない限り、そこまで交通費や時間は避けないし、場所を借りるとなると、その料金も

          ピアノ伴奏の手引き 本番前の合わせ練習で確認すべきこと

          暇を持て余すのは何故か 楽器はいかが?

          「暇だ」とか「やることがない」が口癖の人々がいる。これは何かに没頭する喜びを知る人々にとって、理解し難い感覚なのではないかと思う。時間がいくらあっても足りないくらい夢中になるものがある人々がいる一方、常に暇を持て余す人々がいるというのは不思議な感じがする。思うに、自分が主体となって、何かに能動的に取り組むとき、人間は暇など感じなくなるはずだ。常に受動的で、あわよくば何か面白いことが降ってこないかという姿勢でいるから、暇なのである。 これは何をやるかという問題ではなく、能動的

          暇を持て余すのは何故か 楽器はいかが?

          消費ではない創造の楽しみ 楽器演奏の醍醐味は

          今、どちらかというと、受動的な娯楽がメインとなっている。既に存在するもの、提供されるものを、消費するというスタイルである。動画視聴、音楽鑑賞、スマホゲーム、ネットショッピングなどなど、能動的に何かを作り出して楽しむという作業が少なくなっている。 無論これらもやり方によっては能動的になり得る。複数の動画を継続的に視聴して、動向を分析したりすれば、それは単なる消費ではなくなる。しかしながら、大部分はなんとなく暇つぶしに、ということが多いのではないかと想像する。何が何でもそれに対

          消費ではない創造の楽しみ 楽器演奏の醍醐味は

          演奏会にもおすすめ 弾き易く且つ弾き映えするクラシックピアノ曲

          ピアノは他の楽器に比べて、大変多くの独奏曲がある。これは恵まれているとも言えるが、選択肢が広い分、逆に曲探しに手間取ることもある。今回は、頑張れば初級上程度、中級者なら苦労なく弾ける、弾き映えするクラシックピアノ曲のおすすめである。演奏会などの参考になれば幸いである。ただし、コンクールはテクニックをいかに魅せるかという別の観点から選曲が必要になるため、あくまでも一般向けという視点である。 弾き映えとはどういうことかというと、一曲の中に音楽的ドラマがあるということ。ピアノとい

          演奏会にもおすすめ 弾き易く且つ弾き映えするクラシックピアノ曲

          多くの作品を短期間弾くか、少ない作品を長期間弾くか

          楽器演奏をする時、練習する時、上達を目指す時、レパートリーを維持する時、習い事であれ、独学であれ、趣味であれ、プロフェッショナルであれ、必ず一度は考えると思われる点について書いてみる。 時間は有限である。ひとつの作品を演奏するには必ずその分の時間が必要だ。難易度が高ければ、練習時間もそれなりに必要だ。そのため、数多くの作品を弾こうと思えば、必然的に一曲にかける時間は短くなる。逆にひとつひとつに時間をかければ、少ない作品しか弾くことは出来ない。 楽器演奏は、一度練習して完成

          多くの作品を短期間弾くか、少ない作品を長期間弾くか

          ピアノ教室集客の手法とテンプレート5カ国語版

          今回は、ピアノ教室の生徒集めのための、実際的な方法とテンプレートを掲載。これからピアノ教室(または他の楽器でも)を始めようとしている方、新しくウェブサイトを作成し、生徒の幅を広げたいと考えている方、また5カ国語(日本語、英語、スペイン語、中国語、韓国語)で作成しているので、多国籍な生徒にアプローチしたい方にもお勧め。副業として検討中の方にも利用価値がある。 誰もが簡単にウェブサイトサイトを作成することができる今、無料で使えるサービスを使用しない手はない。ただ、ウェブサイトも

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          一度弾けた曲が弾けなくなっても、残るもの

          楽器演奏は日々鍛錬の連続で、これを怠ると、一度流暢に演奏出来た曲でも、弾けなくなってしまう。しかしだからと言って、その練習や経験が無駄になる訳ではない。今回は、苦労してマスターした曲が例え弾けなくなったとしても、そこから得られるもの、残るものについて、技術的側面から書いてみる。 例えば、左手に音域の広いアルペッジョが多い曲(ロマン派などに多い)を練習したとすれば、その曲自体が弾けなくなっても、似たようなアルペッジョの曲は、次からずっと楽に弾くことが出来る。手の返しやくぐりが

          一度弾けた曲が弾けなくなっても、残るもの

          トリルの指使いに関する考察

          今回は、ピアノを弾く際のトリルについて深掘りする。トリルとは、2音(重音で3音、4音の場合もたまにある)を、2本(または音数に応じた指数)の指を使って素早く交互に弾くことで、記譜上は、通常tr.またはtr.〰で表記される。中級以上の曲には頻繁に登場し、ピアニスティックな華やかさを添える。慣れるとほとんど労力も使わず、無意識に操作出来るのだが、最初はコツが掴めない場合があるかもしれない。 手の指は構造上、親指とその他の指に分けられる。これは物を掴むときを思い浮かべれば、その機

          トリルの指使いに関する考察

          どこまで完成度を求めるか 

          音楽の演奏は、常にただ一度きりのものであり、同じものは二度と再現出来ない。そして演奏能力も、形あるもののように保存することは不可能である。録音録画は可能だが、演奏能力自体がいつまでも維持できる訳ではない。つまり、完成形というものが存在しないのである。レパートリーにしている曲であっても、毎日変動し、明日は今日より納得がいくのか、今日が頂点なのか、本人にも予想はつかない。 一度はほとんどパーフェクトに弾けた曲なのに、しばらく遠ざかっていたら、全然弾けなくなってしまったという経験

          どこまで完成度を求めるか 

          ピアノ練習時の疲労を分析

          楽器は体を駆使して演奏するものなので、全く疲れないということはない。少なくとも、パソコン作業をしたり、机に向かって勉強したりするよりは、ずっとエネルギーを消費する。頭も体も満遍なく使うし、何より高度な集中力が必要だからだ。但し、2、3時間程度で筋肉痛になるとか、一点が痛くなるという場合には、やはりどこかに不要な力がかかっており、無理な弾き方になっていると考えられる。人の体はひとつひとつ違う上、他人の感覚を共有することは不可能なので、この無理な体の使い方の原因や改善法を探るのは

          ピアノ練習時の疲労を分析

          外国語学習と語学試験の盲点

          あまり音楽と関係ないのだが、音環境に関する考察ということで、常々感じている外国語学習、とりわけ音声試験の盲点について、考えを書く。 外国語を学ぶには無数の方法があり、どれが合うかは人それぞれだ。また、要求される分野にもよる。瞬時に通訳出来るような音声コミュニケーション重視なのか、アカデミックで専門的な文章作成能力が必要なのか。もちろん目標がそこまで高くない場合もあると思うが、能力の証明として、様々な語学検定試験を受けることは、語学習得の過程において王道と言っても良いくらい、

          外国語学習と語学試験の盲点