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タクシーからの風景

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食い扶持を稼ぐためタクシー運転手を始めた僕が見聞した人間模様。
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#タクシードライバーは見た

タクシーからの風景

タクシーからの風景

僕がタクシードライバーになったのは、ある年の年末のことである。
フリーランスの仕事がパタッと来なくなり、食い扶持に困っての、やむを得ぬ転職だった。

ヨロヨロと車を走らせながら、僕はさまざまな人間模様を見聞することになる。
しかし、ほとんどの客は一回こっきり。乗車から降車まで、短い時間に窺い知れることなど少ししかない。
前方の信号が青になり、背後の車から容赦のないクラクションを鳴らされれば、僕はそ

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タクシーからの風景 ~ひと筋の光芒

タクシーからの風景 ~ひと筋の光芒

 その日は朝からどんよりと曇り、風もきつかった。夜からは、雨の降る予報も出ていた。天気の悪い日は比較的客も多いはずなのだが、この日はなぜだか、ほとんど客にありつけなかった。

 まさに、最悪の日であった。
 休憩の際にタバコに火を点けようとしても、強風でなかなか点かない。しかも寒い。震える手でタバコを覆いながらなんとか火を点け、強風を避けながらビルの陰で煙をふかしていると、つくづくと情けなくなる、

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タクシーからの風景 ~ダダこねオヤジ

タクシーからの風景 ~ダダこねオヤジ

~ ダダこねオヤジ深夜2時すぎ、大久保で、酔っぱらいのオヤジを乗せた。それも、ひとかたならぬほどの泥酔ぶりであった。それだけでもいささかウンザリなのに、彼の第一声は、本来であれば、堂々と「乗車拒否」しても差し支えないものであった。
「ソープランドに連れてってよぉ」
 ……。
「いま、18000円持ってるから、タクシー代を引いて、予算12000円のソープに連れてってくれよぉ」
 ………………。
少し

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