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壁にぶつかっても、考え続けるということ【7/4広島戦◯】

3回以降、全くスコアが動かなかった試合の9回表、何としてでも追加点が欲しい無死1,3塁というチャンスで、エイオキはしっかり犠牲フライを放った。

「青木のようになりたい。」

と、私は先輩たちとのLINEグループに送った。

すると、続く村上くんは1死2塁からしっかりタイムリーを放った。

「村上くんのような子どもを育てたい。」

と、私はLINEグループに送った。いつも志が高いのだ私は。口だけは。

先輩からは「まず。熊本に行きます。」と、返信が来た。なるほど。

ここぞ、の場面で打つためにはどれだけの覚悟が必要なのだろう、と思う。経験をただ積むだけじゃそんな胆力はつかない。運だけでいつも乗り切れるわけじゃない。例えばエイオキはここまで、何年もの間、いつも考えて、考えて、考え続けてきた。だからこそ、その場面に応じたバッティングができる。ランナーがいるのか、いないのか、それは試合の前半なのか、後半なのか。

一つの試合では、いろんな場面で打席が回る。その都度、その場面に合わせたバッティングをすることができる。それは、考え続けた人だけにできることだ。

さらに、自分の調子はいつでも100%良いわけじゃない。怪我をすることもあれば、疲労がたまることも、明確な理由はわからないけれども打てなくなることもある。

長い野球生活の中できっと何度も何度も壁にぶち当たる。その時、どれだけその状態に向き合えるか。考え続けられるか。「理由はわからない」中でも、試行錯誤を繰り返せるか、静かにバットを振り続けられるか。

打てない日が続いても、チャンスで凡退を繰り返しても、失点につながるエラーをしても。そしてその時に心ない言葉がもし聞こえてきてしまったとしても。くさらず、ただひたすら自分のバッティングに向き合い続ける。

エイオキはこの長い野球人生の中でずっとずっとそれを繰り返してきたし、村上くんは一軍に定着したこの数ヶ月間の間に、おそらく普通の人の(というか例えば一般人の私の)500倍くらい考え続けてきた。

ずっとうまくいく、という人は絶対にいない。スガノだって壁にぶち当たるし、イチローだってスランプに陥るのだ。てっぱちも、村上くんも、エイオキだって、不調の波にのまれることはある。大切なのは、不調にならないことじゃない。その時、どうやってその不調に向き合えるか、向き合って乗り越えていけるか。それに尽きる。それは、誰もがみんな、同じように。

村上くんやエイオキが、そしてけいじくんやこんちゃんが、真摯に、一つのことに向き合い続け、結果を追い求めていくその姿に、私は今日だって励まされる。

うまくいかない時、誰かの不調の時、見ている方もつい力が入ってしまう。なんでうまくいかないんだろう、と思ってしまう。それでもそこから逃げずに、打つことを、投げることを、そして勝つことを追い続けている限り、その人たちはきっとまたうまくいく姿を見せてくれる。だから今日だってそう信じて、いい時も、悪い時も、見守っていきたいなと、また思うのだ。五十嵐さんがまたキムタク投球を見せてくれるのだって、待っていたいと思うのだ。

やまない雨は、本当にないし、風邪は、いつだって今が一番つらいのだから。


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