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うどんバカ一家のおいしい四国、道後温泉編 【松山キャンプ番外編・旅行記】

150キロはなかなか遠いのではと他人事のように思っていたのだけれど、思ったよりずっとあっさりと、目的地の(そう、目的地はここである)坊っちゃんスタジアムに到着した。まあもちろん、私は運転していないからなのだけれど。

私は免許こそ持っているものの、それはかつて高速道路もない宮古島にて取得した免許であり、よって世界平和と交通安全のために運転はしない主義なのである。

「四国はおいしい」ということを知ってしまった私たちは、おいしいものを求めて、お昼ご飯の時間に道後温泉まで足を延ばすことにした。

坊ちゃんスタジアムから道後温泉までは7キロ弱。「ランニングしたらちょうどいい距離やん!」と言うと、運転手のオットに「じゃあ走れば?」と冷たく言い放たれる。「・・・なおみちとかたいしは走ればいいんじゃないかな!」と私は鬼みたいなことを軽率に言う。

ほんとは夜に子連れで行ける居酒屋で・・と調べていたこちらのお店。もちろんby グーグル先生。ランチもやっているみたいなので、鬼にしごかれまくっている選手たちを残して行くことにした。

別に誰にも悪いことしてないのに選手たちを残して行くのはちょっと後ろ髪引かれる思いがする。残していってごめんやでたいし。別にたいし全く知らんけど。

宇和島の鯛めし。うーん、おいしい。四国はおいしい。困る。あと、宇和島に行きたい。

運転しない母さんは一人でビールも飲む。うーん、おいしい。困る。

それにしても道後の温泉街の街並みが、ほどよい旅情にあふれていたため、これはゆっくりと温泉に来たいね・・?坊ちゃんスタジアムで鬼にしごかれている若手たちを見ている場合ではないのでは・・?という気持ちになってくる。本末転倒とはこのことである。

ところで、この高松往復強行突破の旅、1泊目は高松に泊まったのだけれど、2泊目の宿として空室があったのが、「伊予西条」のホテルである。・・・どこ。

念のためお伝えすると、こんな距離感である。

坊ちゃんスタジアムからは50キロ。約53分。もちろん運転するのはオットだ。何度も言うが私は世界平和のために運転しないことに決めている。

そういったわけで、松山に来たのに松山ならびに道後には全く滞在しないというこの旅なのだけれど、このランチでちょっとだけのぞいた道後温泉の雰囲気がすっかり気に入ってしまった私たちは、道後で日帰り温泉に入って、ご飯を食べてから、伊予西条のホテルへ行くことにした。

なんというかジブリのような世界。千と千尋に出てきそう。千と千尋見てないけど。(ちなみにラピュタとかナウシカも見てないと言ったら実家の家族とオットに非国民扱いされた。バルスって叫ぶのはどっちだっけ。)

ちなみにこの「道後温泉本館」はめちゃくちゃ混んでいたので、別のホテルの日帰り温泉へ行くことにした。(ら、なんと、ロビーで、ユニフォーム姿の小川監督に会って挨拶してもらった。まじで世界一かっこよかった。)

なんで三連休でもない普通の土日の飛行機とホテルがこんなにとれないんだ、ヤクルトの松山キャンプはそんなに人気なのか、と思っていたのだけれど、人気なのはヤクルトではなく、道後温泉であった。

夜ご飯は無計画だったので(というか行こうとしていたお店はランチで行ったので)、道後温泉の町をふらりふらりとお散歩しながら見つけた、すぐに入れそうなお店で食べることにした。

もう私たちは「四国はおいしい」と知ってしまっているので、そうハズレのお店に当たることもなかろう。その辺りの私の嗅覚はなかなかのものなのであるぞ。とかオットに話していると、案の定、これまた良いお店であった。

じゃこ天バーガー。おいしい。困る。というか四国で食べるじゃこ天がほんとうにおいしくてびっくりする。東京で食べるものとわけが違う。

このお店、長屋のようになっていて、外から見えるテーブルスペースの他に、奥にもう一つお座敷のスペースがある。

細道を進んでいったん外に出てから、お座席へ。

おばあちゃんちをめちゃくちゃおしゃれにした感じ。「たたみはいいねー!」と、息子がおじさんのようなことを言う。居心地が良すぎて、お店のお兄さんたちもものすごく親切で、えらく長居してしまった。

「上田もこのハンバーガー食べたかなあ!」と息子が言う。「どうだろうねえ上田にも教えてあげたいねえハンバーガー。」と私が言う。オットは「いや上田は松山の繁華街に出て遊ぶんだよきっと。」と言う。いつだってファンというのは勝手なものである。

ふかふかの座椅子にもたれかかりながら、あーなんていいところなんだ四国、と、私はまた思う。私は旅行となるとすぐに南の島へ行きたくなってしまう人なので、きっと、ヤクルトがキャンプをしていなかったらここに来ることはなかった。誰かや何かを好きになるということは、確実に世界を広げてくれるということなのだ。

もうこの歳になると、無理に世界なんて広げなくていいよなと思って生きている。大切なものは、両手で抱えられるだけで十分だ。そうでないと大切なものを抱えきれなくなってしまう。

だけど好きなものを通じて自然に広がっていく世界というのはいいものだな、と思う。これまでの人生で私にとってそれはおよそ「本」というものを通してだけ広がるものだったのだけれど、それにヤクルトというチームが加わったのだ。

それは、家族や友達と一緒に広げていける世界だ。子どもたちやオットの、何気ない表情がふとそこに加わっていたりする。今しかない、いつかは失われゆく大切な時間が、そこにはある。

上田もなおみちもやちくんもじゅりもみんなハンバーガー食べてるといいな、と私は思う。そしてまた来年、鬼キャンプを見た後に、このハンバーガーを食べに来よう、と思う。

子どもたちが一緒に歩いてくれる、今しかないこの時間に。

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