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おじさんたちが、驕ることなくそこで躍動している 【4/20 中日戦○】

正直なところ、ちょっと2連敗をすると、このまま8連敗では・・・という不安が頭をよぎる。必ず連敗をするチームなのだ。そういうエンターテインメントを成立させているチームなのだ。なぜだか連敗を必要悪だと思い込んでいるチームなのだ。もう騙されない私は。

ところが、去年あれだけ頼りまくっておきながら年俸を下げられたカツオさんは(私はまだカツオさんとびっきーの年俸を下げたことを根に持っている)、また落ち着きはらった「ナゴドのカツオさん」らしいピッチングを見せた。そうだった、なんせ私は去年、ナゴドでカツオさんのノーノー未遂を目にしているのだ。

太田くんが移籍後初ホームランを放ち、なおみちがくらいついた1本で勝ち越し、さらに慎吾が1000本安打となるタイムリーを放つ。美しい。これでカツオさんに勝ち星をつけてあげるとなると物語としてとても美しい。

しかしここで終わらないのがヤクルトだ。あたりまえだそんなもの。何を期待していたのだろう私は。また騙されるところであった。

7回裏、8回裏、じわじわじわじわと追い詰められ、私の胃は悲鳴をあげる。こんちゃんが満塁のピンチを迎え、私は見ていられずちょっとお茶淹れてくる・・とソファから逃げる。オットと息子は「ここで!?」と驚く。無理だこんなもの。限界だ。

「ああ・・・」というオットのため息がリビングから聞こえる。追いつかれた・・・と私はキッチンで悟る。そりゃそうだ。ヤクルトだ。とにかくこのチームは、ヤクルト・スワローズなのだ。わかりますか。私はもうよくわからない。

だけど、続く満塁のピンチを、五十嵐さんはピシャリと抑えた。渾身のストレートがかっこよすぎた。りょーた!と私は叫ぶ。

そのまま迎えた9回裏、びっきーはまた、あの人でなし能力(褒めてる)を発揮して素晴らしき四球を選ぶ。あの目つきが最高である。野球選手、いろんなタイプがいてしかるべき、と思うけれども、びっきーみたいなタイプはなかなかいない。年俸はもっと支払うべきである(いつまでも言う)。

そしてエイオキ先輩は、後輩のバント失敗を取り返すかのように、素晴らしいヒットを放つ。てっぱちはしっかり四球を選んで満塁にし、雄平はツーアウト満塁でしっかり、タイムリーを打つ。

おじさんたちが、後輩の小さなミスをカバーしながら、必死につないで、つないで、2点をもぎ取った。ここぞの場面で、しっかりここぞの仕事をした。それはおじさんたちがまだ躍動しまくる、ヤクルトらしい点の取り方だったなと思う。いや、雄平は若手だけど。

頼もしいおじさんたちを見ながら、私はやっぱりうれしくなってしまう。経験なんて、邪魔になるだけのことだってあるのに、それをしっかり生かしていく姿は、あまりにかっこいい。

でもそりゃそうだよな、と思う。野球は、というかスポーツは、「若さ」が武器になる世界だ。年功序列のサラリーマンの世界とは違う。若い時の成功体験を語っても、目の前の若手には何の脅威にもならない。若いというだけで、その若手の方が基本的には有利なのだ。年上だというだけで飲み会で威張っているサラリーマンのおじさんとはわけが違う。

だからベテランの野球選手たちは、その経験を驕りにするわけじゃなく、しっかり強みにしていこうと必死になる。若手にはできなくて自分にできることはなんなのかを、必死で考え続ける。それが、今日の、カツオさんや、五十嵐さんや、びっきーや、エイオキや、雄平(・・・は若手だけど)の仕事につながっていくのだろう。それはとてもとてもかっこいい、おじさんの仕事だ。

今日も私は、ヤクルトのおじさんたちからありとあらゆることを学んでいる。まだまだその元気な姿を見せつけていてください、と思いながら。ぐっちおじさんも早く戻っておいで、と思いながら。


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