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それは新しい一勝みたいな気がした 【6/7 ソフトバンク戦◯】

「しんごがファーストミットしてるよ!これ、しんごがファーストに入ってぐっちでないんじゃない?」と、試合前練習を見ながら息子が言った。8歳児の観察眼ものすごいな、と思うのだけれど、息子の言う通り、今日ぐっちはスタメンから外れた。

何度も書いた気がするけれど、死球によるケガは、気持ちの持って行きどころが難しい。誰を責めるわけにもいかないけれど、なんともつらい。そして、そうか、毎試合出るというのは当たり前のことじゃないのだな、と、改めて思い知る。

そういったわけで今日の私はしょっぱなから神宮で荒れていた。今日はからあげ祭りでビールも500円である。飲むしかない。もう飲むしかない。隣のオットも、「うん、飲むといいよ。」と、優しく言ってくれる。こう言う時だけ優しいなオットは。いやいつもですねありがとうございます。

ところでそんなオットは、「ところで孫さんが目指しているソフトバンクって何か知ってる?」と、聞いてきた。

「え、日本一でしょ?しょっちゅうなってるけど。」と私が言うと、「違うよ。世界一のチームにしたいんだって。俺らとは見てるところが違う。」とオット。「ええ!!!こちとら今シーズン5位を目指しているというのに・・・!?」「そうだよ、格が違うとはこのこと」

・・・王者は見ているところが違うのである。(というかまじで孫さんはすごい)

さて、そんな今日の試合。終わってみれば私は号泣していた。というかもう何回泣いているんだろうか。何もできない、祈るしかない、そういう目の前の他人の試合に私はこの数ヶ月で何回泣いているのだろう。

信じられないけれど、今日は延長10回、4-3でサヨナラ勝ち。すごくすごくすごくいい試合だった。なんだって勝った試合は振り返れば全部いい試合だけれど、それでもなんだか格別な試合だった。

頭の片隅にずっと、ぐっちは大丈夫なのかなーという不安が残っていた。でもそれをかき消すかのように、雄平が2本もホームランを打って、9回裏、もうだめかというところでココがホームランを打った。

ブキャナンも、もちろん中尾くんも、バースデーハンサム松岡さんも、もはや安心安全のカラシティも、そして石山和尚も、投手がみんなみんな最低限で抑えてくれた。中尾くんが打たれたって、そのあとをしっかり守って、ココのホームランで追いつくという執念を見せてくれた。未来の希望(というかもはやただの希望)の中尾くんに、先輩たちは負けなんてつけられない。

そして何より、雄平は、ホームランを2本も打てることもさることながら、きちんと落ち着いて四球が選べるようになった。これは、まじで、まじで、まじですごいことだと思う。10回裏のツーアウト満塁のあんな場面で、冷静に四球が選べるなんて、ほんとにほんとにほんとによくやった。えらい。ぐっちみたいだ。(失礼)

ぐっちの代わりにファーストに入った慎吾は、ああこれは戸田でたくさん鍛えたのだろうなと思える、粘りのカットをした後のヒットを見せてくれた。きっと、きっと、復活するのだろうなと思える、それはなんというか、すごく真面目なヒットだったなと思う。

7連勝は、ものすごい。そんなの見たことない。信じられない。夢のようだ。でもこの一勝は、7連勝目の一勝というよりは、なんだかまた新しい一つの勝ちだな、という感じがした。昨日の試合が雨で流れたからかもしれないけれど、今までの集大成というよりは、なんだかまた新しい、始まりのような、そんな新鮮なものだったなと思う。これから負けるにしたって(そりゃいつかは負けるから。)シーズンを振り返った時になんか特別になる、そんな一勝に思えた。

試合に出たり、出られなかったり。怪我をしたり、復帰したり。そこには、結構こう、見ている方としても切ないドラマがある。チームが勝ってほしい。でも応援する選手には元気に試合に出ていてほしい。というかもう誰も彼もみんな元気に出ていてほしい。でも、そういうわけにも、いかない。

それでも、チームで、みんなで、掴み取る勝利を見せてもらえると、やっぱりそれは泣いてしまうくらいにうれしい。頭の隅っこの小さな不安を、少し包んでくれるくらいには、ものすごいパワーがある。

だからただただ、ありがとうと思う。色んな人の怪我が、そしてあらゆる痛みが、早く良くなりますように。全力でプレーできますように。


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