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他人に優しく自分に厳しいぐっちが「不屈の魂」で必ず戻ってくるのを、凛と待ちたい 【3/31阪神戦○】

みなさん、開幕おめでとうございます。

さてようやく今年のプロ野球が開幕しました。待ちわびた開幕戦でございます。2019年の開幕戦は3月31日です。あとからウィキペディアとか修正していただければと思います。(だめです)

ライアンで勝てない(1失点しかしてないのに)、カツオさんで勝てない(1失点しかしてないのに)、こうなった時にチームを助けてくれるのは誰か。そう、高梨くんである。みんなわかっていた。そうですよね。

ライアンは1失点で勝てず、カツオさんは1失点で負け投手になり、そして高梨くんは1失点で勝ち投手になった。

・・・こういうチームなのである。本当に申し訳ない。高梨くん、来てくれてありがとう。

だけどこういう試合でいつも思う。勝ち負けより大事なものって、世の中に山のようにあるのだ。例えば負けることよりも、辛いことはある。

誰かが死球で交代する。慎吾の日も、エイオキの日も、荒木の日も、いつもそれが何より辛かった。それが、ぐっちに降りかかる。私はテレビの前で、呆然とする。

そして翌日、スマホの通知に、「出場選手登録抹消」の文字が見える。去年、一度も見ることがなかったその文字列に、その現実に、さすがに涙が止まらなくなる。

ぐっちはいつも、「危機感しかない」と口にする。「バッティングで結果を出さないと、いろんないい選手がいる中でそういう(スタメン出場できない)立場なのもわかってますんで、『あいつがいないと』っていう存在になれるように日々努力しています」と言う。契約更改でも、開幕前でも、「こわいという気持ちはいつでもある」と話す。

そこに立つことが当たり前でないことを、ぐっちは知っている。その場所を、失う怖さと辛さを知っているから。

でもこうなって改めて、ぐっちの代えなんて誰もいないじゃないか、と、私は気付く。「1番ファースト坂口」に代わる人なんて、誰もいない。

ホームランを量産するバッターじゃない。トリプルスリーを達成するスターじゃない。メジャーを経験した選手じゃない。だけど、打席でしっかりねばってくれて、四球を選んでくれて、誰より高い出塁率で、試合のしょっぱなからヒットを打ってくれて、エイオキの長打で一塁からホームまで走ってくれて、どうしようもない試合の時にセーフティバントで激走してくれて、辛い試合でヘッドスライディングをしてくれて、チームが96敗しても一人でコツコツ打ち続けてくれて、そして外野の名手だったのにチーム事情で中学生以来のファーストに挑戦してくれる選手は、そんな選手は、ぐっちしかいないのだ。

ぐっちしか、いなかったのだ。

その事実に、ぐっちが当たり前のようにそこに立っていてくれた時には、気づいていなかった。いや、もちろんわかっているつもりでいたけれど、本当の意味ではわかっていなかった。こうなって初めて、それがどれだけすごいことだったのか、それに、どれだけ助けられていたのかに気づくのだ。

いつだって大切なことは、後から気づいてしまう。いつだってそうだ。

でも同時にぐっちは、「怪我をして離脱している人も、したくてしているわけじゃないから」と言う。「三振でも、凡打でも、意味ある打席がある」と言う。

ぐっちは、他人に優しく、自分に厳しいよなあと思う。それは、痛みを、挫折を、実際に知り、そしてそれを自分の力で、克服してきた人にしかできないことだ。ぐっちの芯にあるのは、本当の強さだ。ちなみに私なんか、他人に甘く、自分にも甘い。

私は、基本的にかみさまもほとけさまも信じていない。かみさまよりほとけさまよりも、ブキャさまや石山さまを信じている。

だから、ぐっちがこれまで痛みを、挫折を、ふがいなさや悔しさを、それを乗り越えてきたのはもちろん、かみさまのおかげじゃない、と思う。それはぐっちの努力の賜物だ。

これだけ努力をしてきた人が、これだけチームを引っ張ってきてくれた人が、自分のコントロールできないところで怪我をする。でもそれだって、かみさまの仕業じゃない。ぐっちは当然全く悪くない。そしてやっぱり、相手ピッチャーだって責めるわけにはいかない。(当たり前だけれども相手ファンにも絶対きつい言葉を投げかけちゃいけない。)それが、プロの世界でスポーツをするということなのだ。つらくて仕方ないけれども、そういう世界なのだ。

だけど、ぐっちの怪我がどういったものであっても、それがどれだけ理不尽なことだとしても、ぐっちはかみさまに祈るわけでなく「不屈の魂」で必ずまた、しっかり戻ってきてくれる。それこそが、ぐっちがプロ16年間の経験で培ってきたものだから。私たちはそれを、ぐっちのその魂を信じて、待つだけだ。

神宮開幕を心待ちにし、まだ寒い2月に、ファースト近くの「ぐっち席」のチケットをいくつかとった。またあの席で、いつの間にか馴染んできた「ファーストのぐっち」の姿をたくさんたくさん見られますように。ぐっちの怪我が早く良くなりますように。


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