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🟧#902「Museum/ミュージアム」(💠基礎用語)

「Museumソムリエ基礎講座」は、
ミュージアムの新たな視界をひらきたい!
そう感じている方のためのプログラム
です。
新たな視界をひらくには、異なる視点と新しい概念が必要になります。
"縦軸"としての基礎講座に対し、その理解が深まる"横軸"としての情報(=なぜ、そのように着眼したのか?)をお伝えするのが「Museumソムリエ💠基礎用語」です。

Museumソムリエ、案内人の高山です。
今回の「💠基礎用語」は、
「Museum/ミュージアム」です。

この「Museumソムリエ基礎講座」が扱う対象は、「ミュージアム」です。
ミュージアムには、扱うコンテンツの違いにより、多くのジャンルが存在します。
この講座では、
扱う対象を限定的にせず、対象としてできる限り広くとってお話ししたいという考え方に基づいて、「Museum/ミュージアム」という語を使用することにしています。
新たな視点(=利用論)により、
各ジャンルがミュージアムとして共通する「核」となる部分に注目し、
ミュージアムにおいて視界の転換を実現したい
と考えるからです。
つまり、
「ミュージアム」という言葉を使ってお話するのは、「この領域全体のお話ですよ」という気持ちで話しているということです。

🟡なぜ、博物館ではなく、Museumやミュージアムを使用するのか?
この講座では、
「Museum」や「ミュージアム」という言葉で表現できない場合を除いて、「博物館」という言葉を使用していません。
その理由は、
言葉の意味としての「博物館の二重性」(広義と狭義)による混乱を回避するためです。
また、
「博物館」と「美術館」の2つの語が複雑な関係にあること(美術館は広義の博物館の一種だが、狭義の博物館には含まれない)も理由の一つです。
「博物館」を使用せず、「Museum/ミュージアム」を使用するのは、このためです。

🟡博物館=Museum(ミュージアム)
「博物館の二重性」、つまり、「博物館」という言葉の意味には、「広義(=ミュージアムの領域全体)」と「狭義(=ミュージアムの中の1ジャンル名)」の2つがあることについて、少しご説明します。
博物館をMuseumの訳語として扱い、その範囲を規定しているものに「博物館法」があり、「博物館学」も基本的にそれにならっています。
そこでは、
博物館=Museum(ミュージアム)であり、
その領域の全体を包含する語
として扱っています。
これならば、「博物館」でも「ミュージアム」でも同じなので、「どちらでもよい」ということになります。
この理解は、
博物館学に触れたことのある方、たとえば学芸員資格のある方には、標準的なものとなっていると思います。
ですが、
ミュージアムの各ジャンルにはそれぞれに訳語があり、生活の中で定着しています。
ミュージアム(=広義の博物館)の1ジャンルの名称として、動物園、水族館、植物園があるとお話すると分かりやすいでしょう。
美術館、科学館、文学館などもジャンル名として確立しています。
問題となるのは、ミュージアムとしては1ジャンルである「歴史系博物館」のジャンル名として「博物館(狭義)」が使用されていることです。
実際に利用する人びとの多くは、「博物館学」も「博物館法」も意識しているわけではありませんし、生活の中に根ざした呼称で理解するのが自然です。
たとえば、
「この美術館は、博物館でも水族館でもない」
という言い方もできるということになります。

🟡アンケートフィードバック〈参考〉
このように、言葉の意味としての「博物館の二重性」(広義と狭義)による混乱を回避するために、「ミュージアム」という言葉を使用するわけですが、
じつは、「ミュージアム」という言葉でも、その言葉が指し示す範囲は、人により大きく異なっています。
どのように異なっているのかを考えるには、「Museumソムリエ」インターンプログラムで実施したアンケートのフィードバック事例が参考になります。
ぜひ、以下の2つの記事(■博物館とミュージアム、■博物館と美術館)をご参照ください。⏬⏬⏬

Q.ミュージアムという言葉は具体的に何を指すか?

‥…………………‥…………………‥…………………‥………………🟦「Museumソムリエ💠基礎用語」の記事は、以下の無料マガジンにてご覧になれます。

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