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論文・文献紹介

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博物館学にかかわる論文や文献、資料などを紹介しています。
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記事一覧

博物館の文化GDP―藤川 清史, 川村 匡「文化芸術の経済評価の試み―文化GDPの推計―」

博物館は市場性がないので、生産額が明確でない。 (入館無料の博物館については「儲け」がな…

futabatakei28
2年前
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メタ展示の可能性―ミヒャエル・フェーアの「アイロニック・ミュージアム」

展示とは何か?ということを理解することで、展示の見え方が変わるのではないか。講座なんかで…

futabatakei28
2年前
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博物館への入館料金をめぐる論争②(将来のための無料)増田辰良「資料 博物館への入館…

フランスの入館料金は国際的な基準からは高いが、割引制度があるとのこと・・・ 旅行者から料…

futabatakei28
2年前
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障害の社会モデル―RDR

あの、だれか翻訳して欲しい。私よりももっと適任な人がいると思う。 レスター大学が中心とな…

futabatakei28
2年前
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博物館学の目的―日本博物館協会『博物館学入門』

学芸員資格を得るための科目の一つに博物館概論がある。「学芸員養成の充実方策について-「こ…

futabatakei28
2年前
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誰が展示をつくるのか問題―RDR

私は見ていないのだけど「美男子におわす」という企画展が開催されていた。それから「フェミニ…

futabatakei28
2年前
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なぜ表象を問題にするのか問題―RDR

表象とは、ある物、事、人を表現したものだとざっくり考えて、さらに博物館では、例えば、もう既に存在していない「縄文時代の生活」について、今の研究で考えられていることをモノやパネル、ジオラマなどで表す行為となる。 だから、その「表象」を選択した人、あるいは時代の考えや価値観が反映されている。意図的でも、意図的でなくても。当たり前だけど、男性は女性の視点を想像し得るだろうけど、女性そのものではない。だから、「むかしのくらし」という展示で、女性の生活を再現するのか、男性の生活を再現

その人自身の表現と表象の間、問題―VOGUE JAPAN2021年3月号

VOGUE JAPANの2021年3月号の巻頭インタビューは、モデルのエリー・ゴールドスタイン(@elliej…

futabatakei28
2年前

どのような表象をつくりだしてきたか、問題―RDR

報告書は、日常的な「リアリズム」の欠如した描写、ステレオタイプの描写などが問題だったとし…

futabatakei28
2年前
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文化的なものとそうでないもの―石埼学「文化国家・憲法二五条・ハンセン病者」

「我妻によれば、憲法二五条の生存権の内容は、「単に生きてゆくという程度ではなく、文化国家…

futabatakei28
2年前
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ケアから自業自得の自己責任論へ―大空幸星『望まない孤独』

読もうと思った本のメモとして。 (と、書いてしまうと読めなくなる不思議) この子の生に責…

futabatakei28
2年前
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法、政策へ―大空幸星『望まない孤独』

大空幸星さんの『望まない孤独』の読みどころの一つは、第6章の「世界が注目する日本の孤独対…

futabatakei28
2年前
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ロシアの社会教育と博物館―『社会教育叢書 第三十輯』

昭和9年の『社会教育叢書 第三十輯』(文部省)をみていると、社会教育=労働者教育・成人教育…

futabatakei28
2年前
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ユニバーサルか、バリアフリーか―アマルティア・セン「不平等の再検討‐潜在能力と自由‐」

いまの「生きづらさ」に関連して、「自己肯定感」という言葉が近年多く目にするようになってきた。 この「自己肯定感」は「孤立」と非常に近しい関係にあるように思う。 存在しないかのように扱われたり、自分という存在の価値が見いだせない状態では「自己肯定感」は育みようがない。 自己肯定感をどのように高めていくのか、ということを考える時に二つのアプローチが存在すると思う。 一つは、ユニバーサルに高める方法。(これはみんなのことを考えた) もう一つは、バリアフリーに高める方法。(こ