ケアから自業自得の自己責任論へ―大空幸星『望まない孤独』

読もうと思った本のメモとして。
(と、書いてしまうと読めなくなる不思議)

そもそも責任という言葉の持つ意味は、時代によって変わってきた。アメリカの政治学者ヤシャ・モンクは著書『自己責任の時代』(みすず書房、2019年)で、「年長者世代は、責任とは人助けの義務のことだと考えてきた。一方、今日、広く浸透している責任像は、極めて懲罰的(punitive)なのである。

大空幸星『望まない孤独』2022年、扶桑社

この子の生に責任があるとか、ペットを飼う責任という意味から、自業自得という意味へ変質したという。

これが生きづらさの要因の一つである、と。

非正規であるのも、雇用が不安定なことも、その人が選びとったことでしょう?その人の努力が足らないのでは?

このように社会的な状況がそうさせていることと、

その人自身が選びとっていくこと(「肯定的自己責任論」)を区別した方がいいよ、と。

非正規の人も、その能力の問題でないんだな、きっと。

多分、発言権すらもない、ただただ言われたことをするしかない立場、あなたは非正規で、責任を負えないでしょうと言われたり、そのように囚われている立場の人が多いのではないかな。

自分で考え、判断して、状況を改善していけるような、職場での発言権があれば、愚痴だらけ、傷の舐め合い感はなくなるような・・・。


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