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あなたの望む「理想のサプリメント」が世界に無い理由

「俺がサプリメント開発者なら、あれとあれを入れて、これを○g入れて最高のサプリメントを作るなぁ・・・」
トレーニーなら、一度はこのように考えたことがあるはずです。

「なぜ開発者らはそのようなサプリを作らないのでしょうか?」

今回はサプリメント開発の難しさや課題を、具体的な成分名や数字を用いて書いていきます。
本noteを読んで頂くことで理解が進む点は主に以下の3つです。
・サプリ開発の難しさ。そしてトレーニーの理想との乖離
・「あのサプリ達」はなぜ素晴らしいのか?
・本当に良いサプリを見分ける方法

では、スタートです!



理想のサプリが世界にないのはなぜ?

あなたはなぜ「自分ならこんなサプリを作るなぁ」と考えるのでしょうか?
それはそのサプリメントが世界にないからです。

では、なぜ無いのでしょうか?
サプリ開発者が賢くないから? ニーズを理解していないから?
大抵の場合、そのどちらでもありません。

結論から書きますが、あなたの理想のサプリが無い理由は概ねこの3つです。
①国のルールによって配合できない成分があるため
②理想通り全て配合すると、1回摂取量(錠数)が多くなりすぎるため
③値段や利益の面で難しくなるため

超ざっくり言えば「作ろうと思えば作れるが、作るメリットが少ない」ので、あなたの望むサプリは世の中に無いのです。

ここから先は上記3点について、具体的に見ていきます。



①国のルールによって配合できない成分がある

これを読んで下さっている皆様は、普段からiherbやマイプロテインを利用しているでしょうから、効果のある成分をよくご存知のはず。

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iherb→https://iherb.co/3Pajqvnf
マイプロ→https://tidd.ly/3iK9IV7

それらの成分やサプリメントは海外で販売されているサプリメントで、日本には個人輸入という形で届きます。

この場合は日本のルールに制限されませんので、大抵どんな成分やサプリメントでも購入することができます。


しかし、日本で製品を製造して販売する場合は話が変わってきます。
日本のルールに従う必要がある訳ですね。

そして難しいことに、あなたが強い効果を感じているその良い成分は、大抵この制限を受けます。
なぜなら「強い効果がある=医薬品」であるため、サプリメントに配合できない場合が多いのです。

少し複雑になりますが、具体的に配合できない成分の例を記載していきます。

・ビタミンA
・ビタミンD(アルファカルシドール)
・ビタミンD3
・アリナミン系(効果の高いビタミンB1関連)
・アシュワガンダ系
・OptiZinc®規格の亜鉛
・Coenzymated™規格のビタミンB6
・サリチル酸テオブロミン(カフェインのような効果をもたらす成分)
・L-アスパラギン酸塩マグネシウム
・アシュワガンダ系
・チアミンHCL
・Nアセチルシステイン
・リボース

ビタミン類ですらかなりの制約を受けることが分かりますね。
(これについては後述)

医薬品には第1類から第3類までの分類があり、一般的なサプリメント販売の場合は第2類までは配合不可で、第3類は配合可能です(条件付き)

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以下のPDFに、医薬品と定義されているものが一覧になっています。
※未掲載のものも多数です

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参考リンク→https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/01/dl/s0124-6h-02.pdf


さて、状況を難しくするのはここからの話です。

上記画像を見ると、緑エリアの配合可能な成分にビタミンB1~B12があります。
しかし私は、先の配合できない成分として「Coenzymated™規格のビタミンB6」と書きました。  一体どういうことでしょうか?

ビタミンや各成分には「効果が明確に認められている規格」と「それ以外の規格」があります。
状況としては、例えばクレアチンにブランド規格の「Creapure®︎」と「それ以外」が存在するのと似ています。

トレーニーなら「効果が明確に認められている規格」を使用したいと思うはず。
しかしそれらは効果が認められていることによって医薬品扱いのため、サプリメントに配合できないのです。

即ち、見た目上色んなビタミンや成分を入れて「効果が高そうなサプリ」を作ることは可能で、恐らくそれはほとんどの人にバレることもないでしょうが、マニアトレーニーが望むような「本当の意味で効くサプリ」を作ることはかなり難しいのです。

※注釈しておきますが、効果が認められた規格以外が全く効果を発揮しない訳ではありません。



②理想通り配合すると、1回摂取量が多くなりすぎる

実は、この点がサプリメントにおいて最も見過ごされている点です。
単純なことではありますが、これは錠剤のことを考えてみなければ意外と気付けない部分ですね。

例えば、あなたの理想とするサプリメントの成分と配合量を頭に浮かべてみてください。

「シトルリン8g・・・アルギニン2g・・・、クレアチン5g、タウリン3g、βアラニン2g、カフェイン200mg・・・他には〜」

オーケーオーケー、分かった。
もうそれで十分。十分すぎるほどだ・・・

全ての成分量を合計してみましょう。20.2gです。
さて、一般的にサプリメントでよく用いられるカプセルの内容量は1個につき350~500mg。

もう言いたいことが分かるはずです。
「使用方法:トレーニングの30分〜1時間前に、このカプセル57個を水と一緒に飲んでください!」


さらにパッケージングの問題も発生します。
例えばサプリを30回分としましょう。
「最強プレワーク  30日分 内容量:1710カプセル」

あなたがもしこの量を小さいサイズにまとめられる素晴らしい容器をお持ちなら、すぐに私に知らせてください。



上記のような問題はビタミン系、あるいは疲労回復系サプリなどでも発生します。
本当にトレーニーが欲しい成分を、欲しい量だけ入れたらとんでもない量になってしまうんですね。

これを解決する術として「粉末のまま飲んでもらう」という方法があります。
例えばトレーニーはプロテインを1回30gぐらい飲む訳ですから、どんなサプリもこの方法で万事解決しそうです。

そうなると味の問題が発生しますね。
実はこれはビタミン系、疲労回復系サプリでさらに問題となります。
こそれらの成分は味の面でかなり厳しいからです。

具体的にはかなり塩辛いシナモンのような味がしたり、土のような強い風味があったりして、そのまま飲むにはとても耐えません。
(筆者は何度か飲んだこともありますが、特別な訓練を受けていない人には厳しいでしょう笑)

最初に述べたようなプレワークアウト系成分やアミノ酸系成分であれば、ある程度味付けをして飲める味に仕上げることができます。
実際これ系のサプリメントで美味しいものは多くありますよね。

しかしビタミン系や漢方系成分などを配合した場合、元の味がかなり強いために膨大な味付け剤が必要になるか、或いは不味くなって終わるんですね。
(或いは商品価格が著しく高くなってしまう)


ビタミン系サプリで粉のまま飲む製品があまり存在しないのは、これが理由でしょう。
信じられないという方には、ぜひ手元のビタミンサプリの中身を取り出して飲んでみて頂きたい。



③値段や利益の面で難しくなる

あなたの望む成分を望むだけ入れると、商品原価は著しく高くなります。

各成分には、それらを取り扱う業者さんから「1mgあたり◯円」のような価格が設定されており、効果が高いものや貴重な成分ほど高値になっています。

例えば「Creapure®︎」は、ブランド化されていないそれ以外のクレアチンよりも高くなっているために、商品価格に反映されます。
現実のところ、あなたが望むように各成分を配合すると原価として4000円〜7000円などになるはずです(無論配合内容によりますが)

とすると、販売価格としては6000円〜1万数千円などにする必要があるでしょう。
このようなサプリメントを多く販売することは現実的ではありません。

気軽に出せる値段ではないですし、内容的に一般ウケもしません。

確かに一部のマニアの方に好まれるかも知れませんが、販売数が出なければ利益もありません。
ということは販売を続けることが出来なくなります。

一方で利益度外視で販売価格を下げれば、一時的にお客さんに喜んで頂けると思いますが、長期的に喜んで頂くことができません。
利益がなければ販売を続けられないため、お客さんに継続的に、その良いサプリメントを届けることができないのです。

「全く利益は要らないから作りたいサプリを作る!」
これは可能といえば可能ですが、お金が有り余ってしょうがない貴族の方以外は難しいでしょう。

このように、あなたの理想のサプリメントは「作れるけど作れない」のです。



この目線で有名サプリを見てみると・・・?


先の話を頭に置いて頂いた上で色々なサプリを見てみましょう。
世界が変わって見えるはずです。

例えばビタミンサプリとして名高い、Source Naturalsさんの「ライフフォース マルチプル」です。

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成分内容(あまりに多すぎるので、失礼を承知で大部分を省略させて頂きました)↓

ビタミンA   β-カロテン&パルミテート    563mcg (日本では配合不可)
ビタミンC                   523mg   (日本での配合量の10数倍)
ビタミンD3                 25mcg   (日本での配合量と同等)
ビタミンE                                   135mg    (日本での配合量の50~100倍)
ビタミンK-1(フィトナジオン)       120mcg  (日本での配合量の2~3倍)
チアミン(ビタミンB1)                              50mg      (日本での配合量の1.3~50倍)
リボフラビン(ビタミンB2)       50mg     (日本での配合量の1.3~50倍)
ビタミンB12                  200mcg (日本での配合量の3倍程度)
ナイアシンアミド&ナイアシン        50mg     (日本での配合量の10~20倍)
ビタミンB6 Coenzymated™        50mg (日本では配合不可)
マグネシウム                         100mg   (日本での配合量と同等)
亜鉛OptiZinc®                 15mg  (日本では配合不可)
N-アセチル-L-システイン          150mg   (日本では配合不可)
アスタキサンチン             100mcg (日本での配合量と同等)


これら成分はほんの一部で、実際にはさらに多くの成分が配合されています。
(色々難しいものですが、細かく理解する必要はありません)

そして、それらが全て十分量配合された上で1回量は4カプセル。
180カプセル入りで45回分が内包され、値段も3270円。

先ほどまでの話を考慮した上でこれを見ると、これがどれほど凄いことかなんとなく想像して頂けるのではないでしょうか。
売れている商品にはやはり理由がありますね。

商品リンク→https://iherb.co/yYKxPN


まとめ

ここまでお読み頂くと、色々なことの理解が明瞭になるはずです。
・大抵の商品の成分含有量が十分でないこと
・ビタミン系サプリで粉の製品が少ないこと
・オールインワン系商品が少ないこと
・理想の成分ばかりを集めた商品がないこと
・1回量が何十錠に及ぶサプリがないこと

これらの理由は、もうお分かり頂いたと思います。

記載してきた制約はあまり知られていませんが、全てのサプリメントがこの中で作られていることでしょう。
この記事をご覧頂いたことで、世の中の全てのサプリメント、或いはあなたの好みのサプリメントが今までよりさらに輝いて見えるようになれば、これ以上の幸せはありません。



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