看護師 Web制作 YouTube… 26歳女子の転職日記
「なんだか、いつになく楽しそうな表情だね。 何かあった?悪いものが取れて、明るくなった気がする。」
昨日三ヶ月ぶりに行った美容室で、いつも担当してもらっている美容師さんに言われた一言。
言われるまで気がつかなかったけれど、確かに今、いろいろなものが吹っ切れて、ちょうど一歩前に進むタイミングだった。
漂い続ける負のオーラ
負のオーラをまとっていることは分かっていた。
朝なんて、「顔が死んでるね」と同僚に毎日言われてしまうほど。
重々分かっていながらも、自分だけではどうしようもできなかった。
「仕事」として与えられるものを、楽しむことができない。
仕事内容がいくら充実していても、常に周りの目が気にかかり、周りのレベルと背比べをしていた。打率は一割に満たなかった。
当たり前だ、業界歴まだ2年の、志もない若造が簡単に勝てる相手なんているわけがないのだ。
少しだけできのいいお勉強と、最低限の社会経験でカバーしていた。
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仕事を楽しめないのは、それが仕事だからなのか、内容が自分にはマッチしてなかったのかはわからない。
でも不器用なわたしにとって、仕事をライフワークとして楽しむということが、どういう角度で試行錯誤しようとなかなかうまくはいかなかった。
看護師としての2年間の闇
新卒からの4年間で、2つの業界を経験してきた。
ひとつ目は、医療業界。
国立大学の看護学部を卒業し、心臓病を扱う病棟で2年間勤務した。
仕事を楽しいと思った瞬間は一度もなかった。
新卒23歳の1年間のことはほとんど覚えていない。それほど辛いことや大変なことがたくさんあったのだろう。
特に夜勤勤務を始めたばかりの時は、夜勤が嫌すぎて、出勤前は本気で死にたいと思っていたし、顔は真っ青だったと思う。(死にたいと思っている人に看護される身にもなってほしい、と私が患者さんだったら言っているに違いない。患者さんに助けられてばかりの2年間だった。)
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「真っ暗で光ひとつ見えない泥沼の中で永遠と泳いでるようだ」
と当時のメモに残っていた。
抜け出したい気持ちは山々だが、方向もわからずただただ闇の中を漂い、もがき苦しんでいた。泥がゆえに、身体を取られて動きは鈍く、遅かった。
泥沼から這い上がりきれなかった転職活動
転職しようと思った。しなきゃ私の人生は一生泥沼だ、と自分で自分を脅し、必死で転職について調べ、転職エージェントをはしごした。
しかし一般的な就活もしたことがない私にとって転職活動は全くの未知の世界で、エージェントに紹介されたところを間に受けて片っ端から受け続けたが、全く通らなかった。
ちょうど10社、一次面接で全て落ちた。まだまだ私は暗闇の中にいた。
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こうなると、落ち込みすらしなかった。落ちることが日常となり、そして徐々になぜ落ち続けているのかがわかってきた。
自分がやりたい、ここに行きたいと心から思っていないことが原因だった。
他業界への転職は、何よりも「マッチするかどうか」を第一選考基準としている会社がほとんどだった。
そんなこと、今考えれば普通にわかることだが、右も左も、上も下も分からなかった私にとって、この時期も本当に苦しかった。
全くの方向転換。 Webってなあに?
そしてなんとか拾っていただいたWeb制作会社。25歳、二つ目の業界だ。
Webの知識なんて本当に全くない状態だったが、「モノづくり」が好きなのではないか、成果物が目に見える仕事がよいのでは、という微かなヒントを暗闇の中で見つけ、それにすがってWeb制作の門を叩いた。
2年弱で、3社経験した。
2年弱の短い期間では、できないことの方がもちろん多くて、日々Google大先生とお友達だった。会議中にいくつものワードを調べては首を捻る毎日だった。
初めてのことだらけで、もちろん苦労もしたが初めてのことが嫌いではなかった。
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経験したことがないものが好きというのは、自分のなかでは海外旅行が好きな感覚と似ている。
見たこともないものを見てみたい、というのは私が海外旅行に行く理由のひとつだ。
自分の目で見て、自分の感性で感じて自分のものとしてストックしていくことに快感と喜びを感じるタチだった。
初めてのことたちは、私の探究欲求を満たし、小さな成功体験を積み重ねさせてくれた。
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深い暗闇からの脱出
そうやって1度目の転職を経験し、真っ暗闇の泥沼からやっとのことで這い上がると、目の前がみるみるうちに明るくなり、異なる世界の住人へ生まれ変わったかのような気分だった。
今までどうして見えなかったんだろう、ということが、次々と視界に入るようになってきた。
医療業界というある種特殊な環境にいた私にとって、一般的な会社員として働くことができている、ということはこれも大きく自分の自信へと繋がった。
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本当の意味でのターニングポイント
しかし、Web業界での仕事が自分にとって本当にやりたいことなのか、そう問われると、それはまた違っていた。
転職活動をしていた当時は本当に必死で、理由付けも何もできていなかったが、この転職は、やりたいことへ向かうためのワンクッションだったのだと後から思うようになった。
転職したことで視野が広がり、本職だけではなく、興味のあることを自然と学ぶようになっていった。そういう意味で、この転職は本当に私のターニングポイントだった。
模索し続ける日々
その後も、やりたいことやありたい姿を模索し続ける日々は続き、今もまだ続いている。
その中で、カメラマンやライターとして旅行や海外に関わる仕事がしたい、たくさんの人に発信していきたい、と、少しずつやりたいことの解像度が上がってきた。
不安だが後悔はないフリーの選択
そして今、その想いがほんの少しだけ叶って、カメラを持って仕事ができている。
それが最高に楽しいし、人に喜ばれ、お金という対価をいただけて、胸が苦しくなるほどに嬉しい。
最高に楽しい瞬間がたくさんある仕事は、私の最高な気持ちが派生して、良い方向に運ぶことが圧倒的に多い。
そして、今の会社の方の助言もあり、脱サラしてフリーランスへ転身することに。
こんな早い展開、自分でも予想だにしておらず、いまだに動揺しているし不安もあるけれど、自分で決めた道なので後悔はない。
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晴れやかな自分
こうして今、私は晴れやかな顔をしている。
いつか、自分が存在するだけで他の誰かがちょっと晴れやかな気分になる、そんな存在になりたい。
明日にはそんな壁があるかわからない、明日にはどんよりしてるね、と言われるかもしれないけれど、今の瞬間を丁寧に、大切に「自分」として歩み、常に自分と話し合いながら進んでいけば、絶対に大丈夫。
これからも、いまこの瞬間を、自分の選択を信じて生きていく。
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