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わからん理由がわかった話

むらやまです。大阪でプログラムを書いたり、プログラミングの講義をしたりしています。

最近あたたかくなってきたので文章を書きたい気分です。さっと読めるような、あまり長くない文章(1400字くらい)を目指して書いてみます。

プログラミングの学習はなぜ難しいのか

という講師にとっての永遠の課題。その答えの手がかりを見つけた気がするのでnoteにまとめておきます。

きっかけはプログラミングの話ではないんですけど、先日、統計検定の勉強をしていたときに、ふと感じたストレス。

まじで、統計の勉強ってなんでこんなに難しいの・・・。

PythonもPHPもプログラミングは人並みにできる(と思っている)のに、統計の勉強になると急に足場を失ったような不安定な気持ちになります。

平均に分散、標準偏差。それからデータを標準化して標準正規分布で信頼区間を求めて。母分散が未知のときはt検定。スチューデントのt。

数式を眺めていてもわかったようなわからんような気分です。Σって改めて見るとプログラミングのfor文みたいだな、とか。∫もΣの親戚みたいなものかーとか。確率と確率密度は地味に違うのか、とか。

そんなぼんやりした状態でも、試験対策の演習問題は繰り返し解いていると解けるようにはなってきます。たぶん問題文と解答を暗記しちゃってるんだろうけど。

なんだろう。このぼんやりした感じの正体は。

「わからん」という言葉はこういう状態のことを言うのだな、とわからんのにわかったふうな気分でコーヒーを飲んでいると「で、自分は結局、何がしたいんだっけ」というそもそもの疑問に帰着しました。と、そのとき。

わからん理由がわかってしまったのです。

何ができるのか vs どうすればできるのか

何ができるのか・どうすればできるのか。WHATとHOWの関係とかいいますよね。目的と手段の関係とも。仕事をしていても若い頃によく先輩から「目的と手段を混同しているね」とか言われたのを覚えています。

コーヒーに含まれるカフェインのおかげで、ぼくはこの2つのことを同時に学ぼうとしているのだと気づいたのです。「何を」という目的の部分を理解せずに「どうするのか」にあたる手段の部分を学ぼうとしていたのだと。

統計の勉強をするのなら、まず先に、これから統計を学ぶことで「何ができるようになるのか」そこをイメージできないといけない。

たとえば統計検定2級の範囲なら、記述統計を理解することで「データを要約できる」ようになるし、推測統計を理解することで「標本データから母集団を推測できる」ようになる。もう少し具体的に言うと区間推定や仮説検定、回帰分析ができるようになる。

大事なのは区間推定や仮説検定、回帰分析という言葉から「何ができるのか」具体的な利用シーンを想像できること。

これと同じで、初学者がプログラミングを学習するとき、注意しておかないと「何ができるのか」をイメージできないまま「どうすればできるのか」を同時に学ぶことになります。この2つを同時に学ぶことが実は大きなストレスになるのだと気づきました。

もしプログラミングの学習に苦労しているのなら「プログラミングで何ができるのか」を先に、具体的にイメージできるように勉強すべきです。どうすればの部分、どのようにコードを書けばそれが実現できるのか、の部分は後で調べれば良いのです。

具体的に言えば、ショッピングサイトのようなWebアプリケーションを開発をするのであれば、画面にデータを表示するために「プログラミングで何をすれば良いのか」そこを自分の言葉で説明できる必要があります。たとえば、データベースから商品情報の一覧を取得して、商品カテゴリーごとにグループ化して表示する、とかね。

あっという間に1500文字。おしまい。

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