【外注か雇用か】は実は紙一重!
おはようございます。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
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■4月になり、
昨日から我が家の次女も
小学生になりました。
小学生ともなると、
従来とは異なる環境になり、
いろいろと生活の状況も変わってきます。
経営においては、
4月は新入社員の方が入社されたりと、
いろいろな環境の変化も
あるのではないかと思います。
そこで今日は、そういった
『人件費関係』のお話について
見ていくことにいたします。
■ここ最近の
経済状況が不安定な状態において、
どうしても『雇用する』ということが
経営にとっては重荷になってしまう
というケースが少なからずあります。
もちろん、
順調に経営が進んでいる間は
人件費の支払いも問題ないのでしょうが、
ひとたび経営がマイナスな方向に
転落してしまうと、
その人件費の支払いが
逆に負担になってしまう
ことが考えられるわけですね。
そこで私が再三お伝えを
させていただいているのが、
『まずは外注などの契約により、
雇用契約でない形で仕事を依頼する
形態を取る』
ということ。
その後パートであったり
契約社員であったり、
という順で進んで行き、
最終的に正社員という順で
人材の活用を考えていく
ということを
お話ししてきたところです。
■というのも、
これは経営者視点のみならず、
仕事をする側にとっても
良い話なのではないか
と私自身は思っているところで、
将来的に、就職した会社からずっと給料を
払い続けてもらえることが
できるかどうか
ということは極めて不透明であり、
そう考えると、
【自らの技術を身に付けて稼げる力をつける】
という努力を重ねていった方が、
今後としては良いのではないか
と思っているところなのです。
…今日はそこが本題ではなく、
『外注として考えていたとしても、
税務的にはそれは給料だよ』
となってしまう
というケースがありますので、
そのことについて
見ていくことにいたします。
■『外注か、それとも給与か』
という線引きについては、
大枠について、
税務上決まりがあり、
まず最低限、
この決めごとをクリアしなければ
厳しい状況となってしまいます。
『厳しい』というのはつまり、
【外注費ではなく給与と見られてしまう】
ということですね。
■まず
その判定基準として、
【もしその外注先の人が、
急に仕事をできなくなった際に、
代わりの人がその外注として入り
仕事をすることができるかどうか】
ということ。
結局のところ従業員であれば、
その人以外がその業務を継続する
ということは基本的に難しい
という視点からですね。
そして、
【その外注先が自分でその外注費の金額
を計算し、請求書を発行しているかどうか】
ということ。
当然『第三者との契約』と考えますので、
外注先が自分で自分のした仕事に対して
金額を設定し請求をする
ということ。
当然と言えば当然なのですが、
間違っても外注を依頼した方が、
時間単位で報酬を計算しているようでは
これは給与だよね
ということですね。
外注はその成果物が
相手に手渡された際に初めて
仕事が成立する
という考えだからです。
逆に、雇用に関しては、
成果物が完成しなかったとしても、
その仕事をした時間によって
給料が支払われることになる
ということですね。
そのことから考えると、
仮に成果物が手渡されなかったとしても
料金の支払いがされるものは、
給与とみなされる可能性が高いということ。
エアコンの取り付けを依頼したのに、
それをほったかされて取り付けが終わらない
状態で、料金を支払うはずはないですよね。
そういうことです(^^)。
■そして、
【その用具などの調達を
自分でしているかどうか】
ということ。
従業員であれば
その会社の工具や備品などを
使用することができるのが通常ですが、
外注となれば、
その外注先が自らその備品や工具を
買い求め、準備し、その仕事に使っていく
ということが必要となります。
そして、
【その外注先が、
その外注を依頼している人の
命令に従っているのかどうか】
ということ。
結局のところ、
『外注』というものは
その仕事を完了しさえすれば、
全くもって問題ないわけで、
その仕事の仕方について、
依頼した側の指揮命令を
受けている状況であれば、
『それは雇用と同じだよね』
ということですね。
■いろいろと述べてはきましたが、
『外注か給与か』ということは、
勝手に選んでその契約を
決めて良いわけではなく、
税務上、上述してきたような
要件を満たしていく必要がある
ということになります。
しっかりとこの
『外注』と『給与』の線引きをし、
適切な税務判断をした上で、
その契約形態を決めるようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・一般的な人件費としては、
【外注としての契約を考えた上で、
仕事に関する信頼関係を構築したのちに、
その後雇用契約に移行する】
ことが得策であると言える。
・しかしながら、
『外注費か給与か』の線引きについては
税務上で大枠が決められているため、
その大枠をしっかりと満たしていくこと
が必要であるものと心得ておくべし。
・上述した要件を満たすために、
しっかりと契約書なども整備し、
その契約通りの業務を遂行していく
ことを心がけるべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^
起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹
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