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個人と法人で異なる「減価償却費」について

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■先週末あたりから


 体調崩してしまい、
 ようやく最近回復したという状況。

 どうしても体調崩してしまうと、
 翌日そのまた翌日…
 とその体調の悪さを
 持ち越してしまうものですね。

 さて、個人事業主で青色申告の場合、

 仮に今年度で損失が出たとしても
 3年間その損失を繰り越すことが
 できます。
 (半ば強引な持って行き方ですが…(笑))

 今日はそんなことから
 お話を続けていくことにいたします。


■今日取り上げたいテーマは


 『減価償却費』について。

 これは青色申告であろうと
 白色申告であろうと
 共通のことなのですが、

 【10万円以上の資産については
 原則としてこれを一括して
 経費にはせず、一旦『資産』として考え、
 これを使用していく年数に応じて
 だんだんと経費化していく】
 
 …という手続きにより、
 減価償却費として、次第に経費化
 をすることになります。


■そこで、


 仮に今年度が
 マイナスの申告であったとして、

 この減価償却費を計上しない
 ということにより
 そのマイナスを回避することは
 可能なのでしょうか。

 結論から言えば、
 これは『不可能』となります。

 これは『所得税法』という
 所得税に関する法律に
 規定されているのですが、

 個人事業主の減価償却については、
 これは『強制償却』であり、

 【必ず減価償却をして
 減価償却費を計上しなければならない】

 とされています。

 ですので、
 
 今年度マイナスであったとしても、
 その減価償却費を少なくして
 マイナスを少なくすることはできない

 ということ。

 白色申告であれば
 損失の繰越自体ができず、
 青色申告であっても
 3年間限定の繰越になりますので、

 何とか当期の経費は抑えて、
 それを翌年に持っていきたいところ。

 しかしながら
 減価償却費については、
 これを翌年に持っていくことができず、

 もし今年計上すべき減価償却費を
 翌年計上したとしても、
 それは経費としては認められない

 ということになるんですね。


■一方で、


 法人はと言えば、
 減価償却費は『任意計上』となります。

 任意計上というのは、

 『減価償却費を
 計上してもしなくても良いですよ』

 ということ。

 仮に当期減価償却費を
 計上しなかったとしたら、
 その計上しなかった減価償却費が
 翌期に使えることになり、

 トータルで見ると
 減価償却費とする金額に変わりはない

 ということになります。

 ただ、
 翌年に本来計上できる減価償却費と、
 当期計上していなかったものを合算して
 経費にできるということではないため、

 その点はくれぐれもご注意を。

 イメージとしては、
 今年度、減価償却費を計上しなかった分、
 それがそのまま翌年にずれ込んでいく

 といった感じです。
 言葉にすると難しいですね(^^;

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■減価償却費については


 上記の点について、
 結構誤った認識がされていますので、

 【自分が個人事業主か法人かによって
 その取り扱いが違う】

 ということを十分に注意して、
 決算の処理を進めていきたいものです。


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《本日の微粒子企業の心構え》


・減価償却費については
 個人事業主は【強制計上】、
 法人は【任意計上】となる。


・したがって
 個人事業主が利益の調整として、
 減価償却費を調整することは
 不可能であり、
 法人についてはこれが可能となる。


・特に個人事業主については、
 その年に減価償却をしなかった
 (誤った処理をした)状況だと、

 翌年以降で
 その今年経費化しなかったものを
 取り戻すことができないため、
 十分に注意が必要であるもの
 と心得ておくべし。


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

https://muratax.com/blog/

起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

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