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【カメラマン】を例に確定申告のお話をしてみます

こんにちは。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■1月の後半に入り、


 確定申告に向けて

 本格的に準備を進めている方も
 多いのではないでしょうか。

 そこで今日は
 実際のストーリー的なものとして

 『カメラマンの方』を例に
 確定申告の進め方についての
 お話を進めていきたいと思います。

■まず


 個人事業主の開始について。


 個人事業主を
 開始するにあたっては

 税務署と住所地を所轄する
 都道府県税事務所に

 【開業届】
 
 の提出が必要となります。

 税務署へはその開業届とともに、

 青色申告をする場合

 『青色申告の承認申請書』
 を提出する必要がありますね(^^)

■その他にも、


 もし早い段階で

 経費を多めに計上したい
 ようでしたら、

 『減価償却方法に関する届出書』

 というものを提出しましょう。


 個人事業主は減価償却の方法として、

 原則的に『定額法』という方法が
 採られるのですが、

 例外的に、税務署に届出書を提出すると

 『定率法』という方法により
 減価償却をすることができます。

 カメラマンの方は、カメラを買う際に
 このことに注意した方がよいかもしれません(^^)


 これは、

 『10万円以上のカメラを買った際、
 それは高価なものと捉えられ、

 その買った年にすべてを
 経費にすることはできず、

 その使うであろう年数である5年間で
 だんだんと経費化
 (これを『減価償却費』と言います)
 していくことになるわけです。

 5年という年数は耐用年数と言って、
 税務署が「カメラは5年」と一律に決めている
 ものになります。


■『定額法』とは


 読んで字の如く毎年均等に
 減価償却(経費化)をしていくわけですが、

 『定率法』は

 そのカメラの購入金額に毎年同じの率を乗じて
 計算していきますので、

 初年度が最も多く
 経費を計上することができ、

 その後だんだんと
 その経費が少なくなってくる

 という仕組みになっています。


 もし初年度や2年目の段階で

 早めに経費を計上して
 利益を抑えたいのであれば

 この『定率法』を提出することを
 検討することをオススメいたします。

 ちなみに、60万円のカメラを1月に買った場合、
 初年度の減価償却費は、ざっくりと

 定額法・・・12万円
 定率法・・・20万円

 となります。
 
 8万円もの経費の差が出るわけですね。

■そして


 10万円以上30万円未満の
 カメラを購入した場合は

 これは原則として

 10万円を超えるため、
 減価償却の対象となるのですが、

 例外的に、青色申告の場合は

 【30万円未満であれば全額経費計上が可能】

 になります。

 これはしっかりと押さえておきたい
 ところですね。

■そして


 その事業をしていくにあたって

 カメラマンとしてのお仕事に繋げるべく
 交流会に参加したり、

 事務所を持っていない場合は

 スタバなどで仕事をすることも
 あるでしょう。


 そういった場合、

 交流会の参加費は

 『接待交際費』

 などとして経費化できますし、

 スタバなどであっても、

 「仕事をするために利用した」

 ということであれば

 『会議費』

 などの名目で
 経費化することが可能です。

■さらに、


 美術館などで、

 「カメラマンとしての腕や感性を
 磨くために観覧をした」

 などということであれば

 その美術館の入場料なども

 そのような事情であれば
 経費として認められる

 こともあります。


 ただし、

 【そこにプライベートの要素が
 入っていないか】

 を考えることは重要です。

 もし少しでも
 プライベートが入っていれば、

 そのプライベート分の金額はしっかりと
 抜くようにしましょう。


 
■またこれは、


 仕事用で使う自転車
 などにおいても同じです。

 基本的に仕事で使うのであれば
 経費となるのですが、

 もしプライベート分があれば、

 そのプライベート分を抜いて
 申告することになります。

 自転車はプライベートな要素も多いのが
 一般的ですので、
 これもしっかりと把握して
 経費から抜くようにしましょう。

 また、自宅家賃についても
 同じことが言えるわけで、

 賃貸の場合に限られるのですが、

 その家賃を
 大家さんに支払ったもののうち、

 仕事として使用している
 床面積の部分だけ

 『地代家賃』

 として申告することも可能ですので、

 これは忘れないように
 しておきたいものです。

 もちろん、床面積でなく、
 もっと合理的な根拠があれば、
 その根拠に基づいて事業用の経費を
 算出しても大丈夫です。

 同じような理由で
 水道光熱費も
 経費化することができます。

 
■ただし、


 白色申告の場合、原則として

 【半分を超えて事業の用に使っている】

 という前提でなければ
 経費化することは不可能です。
 (ただ、合理的な割合であることが
 明らかな場合、半分以下であっても
 認められることもあります。)


 白色申告の場合は
 この点も注意が必要ですね。

■また


 自家用車についても、

 少しでも仕事として
 使用している部分があれば、

 それを車両運搬具として計上することも
 検討しましょう。

 国税局も、

 そういったプライベートの用に
 供していた車を、

 事業用として使うようになった際、
 一定の計算方法で計算することにより、

 それを『資産』として計上し、

 減価償却により
 経費化していくことを認めています。


 車の購入価格は
 結構多額になりますので、

 これも検討したいところですね。

■そして、


 実際の撮影現場などに向かう際の

 タクシー代や
 電車代はもちろんのこと、

 車を使用した場合のガソリン代や
 
 その車に関連する費用である、
 自動車税や自動車保険、車検代、
 修理代、洗車代、タイヤやオイルの交換料

 なども

 プライベート分を抜いて
 経費にできますので

 しっかりと

 経費化できるものは
 経費にしていくようにしましょう。

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■上述した


 電車代について注意が必要なのが、

 原則として
 ICカードを使っている場合、

 【チャージした時点では経費ではなく、
 それを実際に使用した際に
 (電車に乗った際に)経費にする】

 ということになります。


 と言うのも、

 ICカードでチャージした金額は、

 これをプライベートの買い物でも
 使える可能性もあるため、

 その可能性を排除しておくためにも、

 実際に使用したタイミングで
 経費にする必要があるわけです。

■簡単ではありますが、


 カメラマンの方が

 開業から実際の事業として
 動いていく際の

 具体的な確定申告に伴うこと
 についてお話ししてまいりました。

 ここではまだまだ述べ切れない部分が
 多いのですが、

 何かしらの参考になればと思います。


 しっかりと適正な知識を基に、
 上手な経費計上をし、

 確定申告を進めていきたいものですね。


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《本日の微粒子企業の心構え》


・開業するにあたっては
 税務署のほか、

 住所地を管轄している
 都道府県税事務所への届出も
 必要である。

 また場合によっては、
 減価償却方法を【定率法】として
 届け出ることにより、

 購入初年度に多額の経費(減価償却費)
 を計上することが可能である。


・経費を考える際、その業種により、
 【実際に仕事に関係するもの】
 という考え方により
 経費を検討することが重要である。

 音楽関係の方であれば、
 ライブチケット代であっても、
 芸能関係の方であれば、
 映画チケットであっても、

 事業に関連するという
 合理的な理由があれば
 経費化することは可能なので、
 
 しっかりと合理的に
 証拠を揃えるとともに
 経費計上していくことを検討すべし。


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

https://muratax.com/blog/

起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

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