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【過度な節税】で経営を弱くしていませんか?

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■個人事業主の方は、

 12月が決算として固定されるのですが、


 法人の方については、

 その決算月も様々であるため、

 私が税理士として
 法人のお客様に関わらせていただく
 にあたっては、

 ほぼ毎月、
 決算の業務をやっていることになります。


 当然のことながら、

 その法人の利益の状況に応じて、

 節税対策の提案も
 させていただくのですが、

 節税を意識するあまり、

 【無理をしてお金を使おうとするケース】

 が、少なからず見受けられます。


 今日はそんなことから、
 
 【適切な節税】

 について、

 お話を進めていくことにします。

■そもそも節税とは
 何のためにするのか。


 というお話なのですが、

 これは、読んで字のごとくでいけば、

 『税金を減らすため』

 というのが
 当然の答えとなることでしょう。


 しかしながら、

 税金が減ったにもかかわらず、
 手元の現金が減っていたとしたら・・・

 それはどうでしょう。


 そのように考えるとしたら

 節税の真の目的は

 【手元により多くのお金を残すこと】

 ではないでしょうか。


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■そして、


 節税には二つの種類があります。


 一つ目は、

 税金を払うタイミングを
 翌年または翌期以降に繰り延べる節税。

 この

 【繰延型の節税】は、

 結局のところ

 トータルして支払う税金は変わりません。


 二つ目は、

 【永久型の節税】。

 これは、
 
 永久的にその節税の効果が表れて、

 一度少なくなった税金は、

 将来に渡って
 その反動が来ることなく、

 【本当の税金を減らす効果】

 が見込まれることになります。

■このようなことから考えると、


 本来的に必要なのは、

 後者の

 【永久型の節税】

 ですよね。


 しかしながら、

 この『永久型の節税』は
 かなり限定されてきます。


 具体的に言えば、

 これは法人のお話にはなるのですが、


 ・自宅を社宅として賃貸契約する

 ・出張旅費を経費として計上する


 といったものが。


 この他にも、

 高額な機械や備品などを買った際の、

 『税額控除』。


 このようなものは、

 【真に税金が減るため】


 積極的に利用すべきである
 と言えるでしょう。

■しかしながら


 私が危惧しているのは、

 『繰延型の節税』について。


 これは結局のところ、

 【支払う税金は変わらない】

 のです。
 

 具体的なところでいくと、


 ・家賃の前払い

 ・倒産防止共済の加入

 ・賞与の前倒しの支給

 ・10-30万円未満である備品の前倒し購入

 ・生命保険への加入


 このようなものですね。


 これは、(原則として)、

 今年又は当期に
 支払う税金が減ったとしても、

 将来的にはその浮いた税金が
 跳ね返ってくるような性質

 のものなんです。


 であるとするならば、

 単に今年又は当期の節税を目的として、

 このように

 将来の経費を、
 無理をしてまで前倒しで払う必要が
 本当にあるのでしょうか。


■確かに、


 現金を使えば、
 当然経費として認められるため、

 その分支払う税金は安くなります。


 その反面、当然お金は減る。

 現金を使いますからね。

 逆に、繰延型の節税をしないとすると、

 利益が上がっていたとしても、
 法人税の税率はせいぜい30%ほど。

 とするならば、

 【70%は手元に現金が残る】

 ということなんです。


 これを

 税金が払いたくないがために、
 無理をしてお金を使っている

 というケースが
 少なからず見受けられるんですよね。

■結局のところ、


 企業が存続していくためには、

 その利益の積み重ねによる
 現金のストックが必要であり、

 そういった経営を回していくための
 『運転資金』は
 経営の要であるはず。


 しかしながら、

 そのような過度な節税をした結果、

 利益は少なくなり、 
 手元の現金は減っていく。
 


 そうすると、

 金融機関の評価も下がってしまい、

 本来的に必要な運転資金の
 融資を受けることが難しくなる。


 これって本末転倒だとは思いませんか。


 『経営の血液』
 とも言える現金が

 節税をすることにより
 なくなってしまい、

 そのことにより
 融資も受けにくくなる。


 逆に、

 あえて税金をも
 『必要経費』と見立て、

 積極的に利益を出していき、

 適切に納税をしていくことにより、


 その結果、

 金融機関からの評価も得られ、

 必要な運転資金を
 必要な分だけ調達できることに
 なったとしたら、

 最終的には、

 経営の血液である現金が
 潤沢に増えることになり、

 経営全般にまんべんなく血が巡り、

 経営の更なる加速が
 見込まれるのではないでしょうか。

■このように、


 『節税』

 を考えるにあたっては、


 【過度な節税は極力避けて、 
 適切な節税をしていくこと】

 を、強く強くオススメいたします。


 結局のところ、

 永続している企業の大半は、

 適切な節税をし、

 金融機関からの評価を得られ、

 外部からも
 その経営のスタンスに
 共感を持たれている

 というケースが
 多いように思います。


 ぜひあなたも、
 このような応援される
 経営者となって、

 どんどん経営を大きくし、

 または、

 経営をより良いものとし、

 今の、さらには、まだ見ぬ未来の
 お客様の幸せのために、

 しっかりと前進していきましょう(^^)


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《本日の微粒子企業の心構え》


・節税には、

 【繰延型の節税】と、
 【永久型の節税】がある。


・『永久型節税』は、
 相当の効果をもたらすものであるが、

 『繰延型節税』では、
 一時的な税金支払いの先延ばしにすぎず、

 その反動が将来的に来ることが
 決まっている。

 経営を永続し、
 顧客満足を保っている企業の大半は

 適切な節税をし、
 しっかりと現金を潤沢に回しながら

 経営をしているもの。


・『税金は悪だ!』

 というマインドは極力捨てて、

 『納税は経営を回していくための
  コストである』

 といった感覚に切り替え、

 積極的にその利益を
 積み上げていくべし。


・とは言え、

 現金がなく
 利益が上がっている状況
 (売掛金が多い、買掛金が少ない、
 在庫が多い…)

 などのビジネススタイルは、

 経営を圧迫し、
 現金が少なくなる方向に
 進んでいくため、

 そのような状況は
 極力排除して経営に取り込むべし。

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今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^
https://muratax.com/blog/

起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

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