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文具業界不完全就職ガイド マイコ37歳

文具業界人または文具業界経験者に色々聞いていくインタビュー

溜まったら冊子をつくります。

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ー お名前は?

マ マイコです。

ー お年は?

マ 37歳です。

  今の仕事は今はベンチャー企業で働いてます。

ー 文具のお仕事いつ頃されてたんですか?

マ 大学卒業して新卒で3年くらい働いてました。

ー メーカーですか?

マ メーカー勤務です。

  小さいメーカーだったので営業もするし

  デザイン的な仕事もするし商品考えたりもするし

   繁忙期は品出しもするし

  みたいな感じでしたね。

  主力商品はノートとか便箋とかの紙類です。

ー なぜその会社を選んだんですか?

マ そもそも就職活動全然できてなくて

  それで合同企業説明会とかにも行こうとしたんですけど

  リクルートスーツの集団を駅で見てしまって

  怖くなっていけなかったりして。

  有明の国際展示場の駅で。

  グレーの集団がビッグサイトに流れ込んでいくのを

  みて怖くなってしまって。

  それでその為に日帰りで大学のある山形から東京に行ったんですが

  どこにも寄らずに有明からそのまま山形に帰って

  帰ってきたのがばれないように隠さないととその時は

  思ってその日は家の中でじっとしてましたね。

ー それが何月ごろの話ですか?

マ 四年生の秋位ですかね。。。

  それが結構もう就職活動のもうラストスパートみたいな時期で

  その頃に私がようやく就職活動というものを

  しなくてはいけないと知った。。。

  っていう感じで。

ー それは周りの人が教えてくれませんでしたか?

マ 周りもそんな雰囲気がなかったので

  なんかやばいってみんなで気づいたっていう感じで。

ー 学校でどういうことを学んでたんですか。

マ 美術系の大学なんです。

  美術の修復について学びました。

ー そのラストスパートの時期に

  就活イベントに行けなくて帰ってしまって

  そこからはどうしたんすか?

 マ どうしようかなと思って

  家にいるときにちょうど聞いてたラジオで出てきた人が

  

「自分のなりたいものとかそういうものは半径3m以内に転がってる」


  っていうのを言ったんですよ。

ー  はーなるほど。

マ だから半径3mを部屋の中見回してみたんですよ。

  するとその当時使ってたそのメーカーノートが目に入って

  ちょっとその会社の事をネットで調べてみたら

  すごい手作り感満載のホームページがあって

   電話番号書いてあったので電話してみたら

  当時の社長が電話に出まして

  ちょっと就職活動してるんです

  っていう話をしたら

  1回うちに遊びに来ますか?

  って言われて。

ー その会社は正規の新卒募集はしてたんですか?

マ 全く募集もしてないですね

  その当時じつはその会社は債務超過で再建計画中で

  10年以上人を雇ってないっていう状態で

ー それで電話して会社に行って社長面接だったんですか?

  面接だったのかなあれ。。。

  会社でその場で何か話しして

   私そのメーカーの結構文具好きだったので

  はいこれ持ってますとか

  これ好きですみたいなことを

  社長と部長と3人で喋ってて

  今度展示会あるからその受付バイトしてみる?

  って言われて

   します

  って言って3日間その展示会の受付のバイトしたんですよ。

  そしたら夜の打ち上げに誘われてそこで

  4月からうちで働きますかって言われて

ー それはいつの話ですか?

マ それが四年の秋頃だったと思います。
 
ー 一般的には多分3年生のうちに就職活動すると思うんですけど

  その3日間で見込まれたんですね。

マ 仕事や文具業界に夢いっぱいってよりも

  人より遅れて就職をしなきゃいけないことに気づいて

  こうやって就職活動を準備したとか文具業界を目指してた

  っていう技みたいのは全然ないんですけど

  自分としては希望の職場に入ってましたね~。

ー それってタイミングとか奇跡的ですよね。

マ 今思えばそうですね~

  規模としては社員10人くらいの小さい会社で、

  自由に働けそうだなって思ったんですよ。

ー じゃあ車内はみんな年上の人ばっかりですか?

マ おじさんばっかりで女性はいなかったですね

  物流センターの方にいましたけど

   毎日会うのは年長の男性ばかりでしたね。

ー 3年間働いてみてどうでしたか。

マ どうでしたか。。。。

  どうでしたかね?

  最初の1年目は楽しかったんですよ。

  なんかいろんなその文具作ってる職人さんのところで

  いろいろ勉強させてもらったりとか。

  おじいちゃんの職人さんに気に入ってもらって

  夕方から蕎麦屋で二人で日本酒飲んだりして

  かわいがってもらえましたね。

   あとは紙の勉強したりとかして

  実際に製紙会社に行って

  紙の肖像とかテストとかもやったりして。

  あとはやっぱおじさんばっかりの会社なので

  本当にいろいろできてない部分が多くて例えば

  店頭に置いてもらうポップ作ったりとか

  何かそういうことが全然できてない状態で。

ー ホームページが古臭いとかその典型ですよね。

マ そうですだからそれもやったり

  イラストレーターとかAdobeのイラストレーター

  を入れてください

  って頼めば

  必要だったら入れようってなって

  私これ作りますって言えば作ってみてよってなるし

  提案したことは

  全部受け容れてもらえるみたいな感じで。

  例えば見積書とかのフォーマットも

  できてないみたいな感じだったんです。

ー 手書きですか?

マ 手書きの人もいるし、

  パソコンで独自に作ってる人もいるし

  みたいにとにかくバラバラだったので

  そういうフォーマットを揃えてとか

  そういうこともやったりしてました。

ー そういうのは総務的なことをもやりつつ

  古いところでちょっと直せるとこ

  提案したりとかやるべき事もやりたい事も

  いっぱいっていう事ですかね。

マ はい~。

   やっぱ最初はそれで提案も受け入れてもらう

  っていうのにやりがいも感じて

  とにかくその時の部長が

  すごく私に対していろいろ熱心に教えてくれて

  すごく勉強させてもらえたし

  「いろいろ一緒に新しいことを再建計画が

  もうあと2年で終わるから

  これからどんどんこういうことをやっていきたいんだよ。」

  と常日頃から言ってくれていたので

  それがすごいやりがいっていう感じではありましたね。

ー そして結果的にはその3年で

  お辞めになるっていう事になりますね

マ はい。。。

  私が入って次の年からまた新しい社員を

  2人入れたりっていうふうにして

  若い人を入れた方がやっぱいいね

  っていうふうになっていって

  すごい良かったなとその時思って。

ー はい。

マ 新しく入った子たちもすごいやる気もあるし

  文具好きでやる気があって

  よかったんですよ。

  でもその再建計画が終わるあたりで

  社長のこうしていきたいみたいなところと

  社員が思うこうしたいがズレが生じてきて

  部長が思うのは文房具メーカーとして

  債務整理に落ちた理由っていうのが

  手を広げすぎたっていうところがやっぱ原因にあって

  そこの反省として

  自社のやってる路線を商品をブランド化していく

  っていうところだったんです。

  それで営業の人たちも含めてそういう路線が

  やっぱり他とかぶらないし

  売りやすいしそこに明るい未来がある

  っていうことにはなってたんですけど

  社長としては文具以外の業種にも

  手を広げたがって自社商品以外にも

  他メーカーの卸をやったりとか

  オンライン会議システムを売るみたいな

  手広くやりたい方向で考えていて

ー  たしか肉タオルっていうの売ってませんでした?

マ そうそう肉タオルとかのそういう雑貨とか

  1回失敗して債務整理に至ったのと同じ方向に

  手を広げたい

  というのが見えてきたんですよね。

ー それでその3年で辞めるに至るっていうのは

  徹底的なものとかはあるんでしょうか?

マ 決定的なのは話に出てきていた部長が役職を解任させられた

  っていうことですね。

  社長の方針とは違う者を排除していく空気が生まれて

  社長の言う事がいよいよ典型的なワンマンになってしまって

  それで私も部長派みたいな扱いになって。

ー 小さい会社でそれはよくないですね

マ そんなつもりはないし

  当然みんなで良くしてくためにどうするか

  という事がしたかったのに

   社長の意に沿わないことをする人をターゲットに絞って

  疎外するような雰囲気になってきたんですよ。

  今思うと私の入社当時はやっぱり再建計画を

  終わらそうみたいな気持ちで

  一つになれてたっていうところがあったのかもしれないですね。

  でもそれが終わった結果

  誰かを疎外するような会社にいる意味とか

  ここで文房具を作る意味とかがあるのかなと

  いう気持ちになってしまって。

  営業に時間取られて商品の企画が進まない時に

  社長に

  「営業しながらでも企画はできる。」

  って言われて

  おめーは営業も企画もしたことねーくせに

  何言ってんだ

  と思ってあの言葉には醒めましたね~。

ー 3年間会社にいてよい思い出はありますか。

マ 1個下に入ってきた2人の子たちとは、

  もう今はとっくに3人ともその会社を離れてるんですけど

  すごくいい友達になって今でも定期的に会うような

  仲になったっていうのはすごく

  あの会社に入って良かったと思うことですね。

ー 社員旅行があったと聞いたんですが

  そういう状況でどういう雰囲気だったんすか?

  社員旅行は微妙でしたね。(笑)

  再建計画終わるから3年目に

  お祝いで社員旅行行こうとなりまして

  社長が宴会場のステージから

  ノリノリでチェッカーズ歌っておしぼりを回して

  投げたんですけどだれも食いつかなくて

  ぽとりと床に落ちたんですよ。

ー みんな気持ちが冷えてたんですね。(笑)

  社員旅行やるっていうのはよっぽどブイブイ言ってる会社

  か昔ながらの古いタイプの会社かに分かれる感じですよね。

マ うちは完全に古い方のタイプですけど

  厳しかったですね~

  社長が歌う涙のリクエストは。(笑)

ー こっちが泣きたいよって感じですね。(笑)

  

文具業界で働きたい人に何かメッセージはありますか?


マ これ大丈夫ですか?

  文具業界としていい話になってますかね?

  メッセージ???

  なんですかね???

   文房具自体は私も好きなので

  やっぱり文具が好きな人は

  すごく楽しいことはあると思います。

ー こういうふうに会社を選んだ方がいいといかは?

マ 難しいね~。

  なぜなら私も選んでないから(笑)

  何個も比較したわけじゃないからさ。

ー それでも就職活動一発目で一分の一で

  就職できたのはすごいですよね。

マ まあそうですかね~

  結果3年で辞めたとはいえ

  経験になったと思えることが残っているのだから

  なりたいものは自分の半径3m以内に好きなものが転がってる

  っていうのは間違いじゃなかったなと思います。

  やっぱりその会社の商品は好きだし

  結果的に方向性のずれは生じたけど

  やっぱり最初は楽しかったし勉強にすごいなったし

  その後全く別の仕事に就いたりしてますけど

  そのとき得た 紙の知識とか営業の知識とか

  すごいその後にも役立っているので

  ひとつの商品を素材からデザインまで

  見た目も中身もこだわった物を作れたというのは

  ほんとにいい経験でしたね。

  基本的に何でも全般通してやれるようになった

  っていうところで。

ー ありがとうございます。

  最後にたまに行くならこんな店という事で

  おいしいお店を一軒紹介してください。

マ おすすめのお店は~。。。

  大久保の駅のすぐ近くにあるケバブ屋さんです。

ー 名前は?

マ 名前わかんないですね~。

ー 椅子が3席ぐらいのとこですかね??

マ 椅子がない方のお店ですね

  あそこ美味しくて。

  私はケバブライスが好きで。

ー サンドよりライスなんですね。

マ ただ、めちゃくちゃ量多いので、

  私はあれで1日分の食事って感じすね。

  なかなかのボリュームで。

  私はいつも肉は鶏と牛のミックスですね。

  こんなんでいいの?

ー 大丈夫よ。

  18分59秒も喋ってるし

  山形から東京ビックサイト行くために

  有明駅の改札まで行ってそのまま戻る人なんていないんだから。

マ そうなのかな~

  ねえほんとに大丈夫これ??

ー 大丈夫かどうかは読んだ人が判断しますから!

マ 不安だな~。

2023/4/8

小雨の降る中野セントラルパークにて

面白い人に話を聞いてみたいです。 リアクションあるとはげみになります。 メッセージ添えて頂けたらなお嬉しいです。