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村嵜千草
2022年3月29日 09:48
人混みや車の音に紛れて 孤独と孤独が笑い合う私たちだけ ここにはできるだけ触れていたい 二人は一人でいたい私たちだけ ここには喧騒をBGMにしてスーパーのレッドカーペットを歩いてエスカレーターを降りて夢の中へいいえ 夢ではないわ夢なんかではないわ私たちだけ ここには空気に浮気をしないでずっと背中に触れていて私たち 私とあなただけのまち
2022年3月17日 19:00
前後仕切りを立てると違って見えてくる物事前はこうだったねあれ以来こうなったね奴らは互いに干渉しない前には前の世界があるし後には後の生活がある時として奴らは互いに踏み入りすぎる後があるから前になり前とするから後になる夕飯と睡眠の隙間行ってきますとおはようの隙間こんにちはといただきますの隙間ごめんなさいとありがとうの隙間生活は続く どうしたって続く ただそこに
2022年3月11日 14:46
ここに、私の声を録音したものがあるその声は、中学卒業の日に 思いを馳せて大地震の記憶を辿っている私はこれに時折、自分自身で聴き入ってみる目を閉じて、シラと受け流す日もあれば瞼をそっと持ち上げて受け止める日もあるここに、過去の私のかなしみがあるその声は、間をおいてゆっくりと喋っている震えていたりなどもする私はこれに時折、相槌を打って聴いてみる両の眼(ま
2022年3月11日 12:00
「まさか」そのまさかだよここで起きているよ「嘘みたい」そうだよねまさか、こんなこと考えていなかったものね「でも自分は大丈夫だから」あれ、どうしてどうしてそう思うのわたしはもうそのまやかしを信じられないよ大丈夫、は大丈夫なときに使うのよ大丈夫じゃなくても笑いたいときに使うのよ大丈夫だろう、はどこにもいてくれないのよ貴方を支えないのよいつ どこで 何が どのくらい
2022年3月9日 22:05
広がる視界は暗いけどときどき笑うみたいに眩しい伸ばした手は冷たいけどどこまででも届きそうな気がする歩いて何分 何時間まだまだ何年 何百年レンズが受け止めた今この瞬間にそこにはもういないのかもしれないけどあやふやな光を永遠みたいに頼って進んで何歩 何メートル途方もなく何万キロ 何億キロむつかしいことは分からないけど遠いおかげで近くなれるから同じ月を迎えて同じ星