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R4年度協力隊活動報告_秋山淳

1)自己紹介

【プロフィール】
秋山 淳(アキヤマ アツシ)/ 一級建築士
一般財団法人 西粟倉むらまるごと研究所
理事(村民連携担当)/コミュニティマネージャー

1993年、大阪生まれ。兵庫県に住む祖母の影響で幼少期から農のある生活やローカルでの活動に関心を持つ。大学・大学院在学中には建築学を専攻し地域の居場所や高齢者のコミュニティに関しての研究を行なう傍ら、地域活動として在来品種をまちで活用して後世に紡ぐプロジェクトや子供の環境教育に取り組む。卒業後は兵庫県の製材所で木造住宅・店舗の設計や木工ワークショップを担当したのち、2020年に西粟倉村に移住。現在所属する西粟倉むらまるごと研究所では、これまでの経験を活かし建築的視点をベースに分野を超えた地域づくりに携わる。

西粟倉に来て4年目に突入。
仕事にも生活にもなかなか苦戦した一年目からは想像もできないくらい、今では地域の方や企業の方などたくさんの方々と刺激好奇心に溢れる充実した日々を過ごしています。

元々は、住宅の設計士をしていた自分が「建築」という枠を超えて、地域に飛び出している人生が自分でも未知の連続でおもしろい。

知らなかったこと、無関心だったこと、自分一人では辿り着かなかった時間、に出くわす機会が増えたこと。何よりもその瞬間のワクワク感や自分の心が踊っているのがわかる体感が今のやりがいにつながっている。これは間違いなく壮大な自分の原動力。どの瞬間も”未知” "想定外"との遭遇。
そしてもう一つ分かったこと。”誰かの溢れんばかりの好奇心”は僕のさらなる原動力になるということ。


2)今年度の活動

ざっくり、一言で言うと・・・
企業や企業テクノロジーと村民をつなげる活動をおこなってきました。
特にその中でも、場所や設備、体制などの「基盤」の整備に注力した一年だった気がします。

基盤の中で最も大きな変化となったのが、
活動拠点「むlabo」のグランドオープン!!

旧JAの建物を一部改装して「むlabo」という事務所兼施設として運営を始めました!

」を持つことによる力は偉大です。
多くの村民の皆様と話す機会をいただき、よりこの村に住んでいることを実感する一年となりました。月に一度のオープンデーというイベントではさまざまな企画を実施。企業さんやそのテクノロジーと村民の皆さんが出会う場として継続してきました。

それでは「むlabo」を媒介に行なってきたこと・起きたことを次の3項目に分けてご紹介いたします。

(1)企業との共創創発コーディネート
(2)むらぼの運営・企画
(3)データ利活用に関わる事業の実施

(1)企業との共創創発コーディネート

分野を超えて集まった企業の方々とのWS・研修

西粟倉を舞台に村外の企業の方々のノウハウやテクノロジーを活用した共創創発の場をコーディネート。
目指すのは具体的な実証事業や実証実験につなぐところまで。
なかなかその目指すところまで辿り着くのは時間の掛かることであることを実感した一方で、村(村民・もの・こと・データ)と外部の関係人口が関わるその入り口を有意義な形でコーディネートすることに意識的に努めました。

視察の受け入れで止まらず、研修や共にワークショップなどを通して、アイデアを出し合ったり、構想を描いた企業は1年間で約12社ほどになりました。法人2年目〜3年目のこのタイミングで、徐々にではありますが受け皿としての役割が発揮できるようになってきたのかなと思います。

認定農業者さん立ち会いのもと企業の方と自動草刈機の実証

また、モビリティPJでは小型EV自動車の導入を企業さんと進めたり、自動草刈りロボットの開発を進めたりと、実証段階に進んでいるものもあります。
今後はより一層、この実証段階をご一緒できる企業が増えるような取り組みを実施できればと考えています!

(2)むらぼの運営・企画

むらぼは2022年7月にオープンした活動拠点であり、リビングラボとしての機能を持っています。
施設内には、①ファブラボとしての工作室②シェアキッチン③研究員のオフィス④誰でもいつでも入れるコミュニティスペース、があります。
今年度オープンそいたこともあり、新たにこの施設の運営が私の役割となりました。その役割を受け取ったはいいものの・・・・

”何をしている場所かわからない”

という意見を村の方々からたくさん頂く一年となり、データとかデジタルとか小難しいものをどのように村の方々に伝え、身近に感じてもらうのが良いだろうか・・・・。と考える日々。

本当に目指したいものは、身近に感じてもらったその先なのに。
ここにある、人も設備も場所もデータも村民の皆さんにどんどん使ってもらって初めて意味を成すのに。そもそも使ってもらわないと勿体無い。
いつかきっと、村の方々がこの場をうまく使いながら「自分で自分の未来を変える」ことができる、そんな状況が生まれている。と信じ、そこを目指して企画や広報、コミュニケーションを行なってきました。

月に一度、最終の土曜日には「むlaboのオープンデー」という形で、場所や道具を開放して村民の皆さんにそれぞれの「やってみたいこと」や「知りたいこと」を企画してもらう、というイベントをこれまで約一年継続。

デジファブを用いた工作の機会や、シェアキッチンを使ったメニュー開発の機会、大学の先生を呼んだ勉強会、スマホ教室、モビリティ体験会、などなど。きっと誰かの「やりたい」「したい」「欲しい」「困っている」「助けてほしい」に応えられる機会のはず・・・・。

それでもまだまだ力不足。。。。
もちろん一年前に比べるとむlaboに足を運んでくださる方は増えたし、ここを拠り所にしてくださる方も生まれたかな、と思うけれど、もっと自発的にここを使い倒してもらいたい!でもどうしたらいいかわからない。という状況に入ることもしばしば・・・。

だからこそ決めたことがあります!
それは・・・・これからは

今いてくださる人をもっと頼る!

ということ。・・・・え(笑)
そんなわざわざ引用のグレー背景使ってまでいうことではないよ、って思いました?笑

一応、今思い浮かんでいる最良案なのです。理由は2つ。
一つは、「今すでにそばにいて下さることを宝物と思う」から。
もう一つは、「頼ることで自分一人の想像と力を超えた事象が起きると思う」から。

人に頼ることが下手で有名は私ですが、一つこのハードルを超えて、場と合わせて自身も誰かの居場所となれるように頑張りたいと思います。

(3)データ利活用に関わる事業の実施

結局、デジタルとかデータと言われたってピンとこないんだよね・・・。
私だってそう思います。
そういうのどちらかというと疎い方ですし・・・・。
土とか葉っぱとかそういうの触ってたいですし・・・。

いいことしていたとて、実は役に立つものを作ったとて、それがちゃんと村の方に伝わったり、村の方が駆使できるようにならないと意味がない
ほんと、この事実に尽きる。

ということで、今年度からはより「データ」とか「デジタル」に親しみをもってもらえるようにと、

①写真データを用いたまち歩きワークショップ
②デジタル工作機械を用いたものづくり講習会
③住宅の温湿度調査とそのデータの可視化

を実施しました。それでは一つずつ、簡単にご報告を。

①写真データを用いたまち歩きワークショップ

この村のご家庭にある古写真をお借りし、その写真に写る風景の現在の風景を探して回るまちあるきイベント。昔の写真と現在の風景を重ねて撮影した作品「時層写真」を撮って完成です。
地元の方に昔話を聞いたり、懐かしい写真をみんなで見たり、この地域のことを改めて知る機会となるよう計画しました。
特に世代を超えたコミュニケーションのツールとなるように。

写真には「日付」の他に「位置情報」のデータを埋め込むことができます。
”70年前はここの山は木が植わってなかったんだね”
なんて話が後世になってなされる。今の風景も未来にとっての大事な過去のデータとして保管する、という主旨で実施したものでもあります。
詳細はこちらの記事にまとめているのでぜひご一読ください。

続いて

②デジタル工作機械を用いたものづくり講習会

これは昨年度に引き続き、2年目となる取り組み。
目的は「自分で自分の考え・望み・アイデアを形にできる」と当たり前のように思い、手を動かし行動する文化がこの村の未来に残っていくこと。

レーザー加工機や3Dプリンターを用い「自分✖︎デジタル工作機」で何が生まれるか、どんなアイデアが具体化できるかを、アイデアワークから機械講習、製作を一貫して行う講習会をおこないました。

昨年に引き続き、受講者の皆さんがそれぞれの個性を活かした作品が出来上がり、私にとってもデジタル工作機械の可能性の幅を感じる機会となり、達成感に満たされています笑

受講生は最年少が小学3年生、最年長は70代の方と、世代問わずご参加頂けたこともその可能性を実感した理由の一つです。

詳細については、むらまる研のもう一人の協力隊である山崎くんに主に実施してもらいました!ので、こちらのnote記事もご一読ください!!

③住宅の温湿度調査とそのデータの可視化

  • 最後にこちらは村内の事業者さんご協力のもと共同で調査しているものです。西粟倉は冬も厳しい寒さになるにも関わらず、寒い家(断熱性能が十分でない家)も多いのが現状です。

住まいの環境は、心身ともの健康に直接的に関わるもの。
つまり直接その幸福度に影響があるとも考えられます。
その環境を体感知ではなくデータとして見える化することで、改善できるものがあるのではないか、とこの事業に取り組んでいます。

画像は可視化サイトにてデモデータを表示したもの

より身近なものをデータを活用して改善できるようになれば、村民の方との関わり代や、ひいては願い事・課題の解決につながるのではないかと考えています。


3)来年度に向けて

来年度の目標は・・・
誰かにとって困ったことがあったとき

「そうだ、むらぼに行ってみよう」

気軽に立ち寄ってくださる方が少しづつ増えていくこと。
そしてむlaboという場が「ささやかな居場所」となれること。
です。そのために、具体的には次の4つに取り組みます。

極限まで私の役割をぎゅってすると、それは主に2つしかない

1つは専門性である建築学・居場所論を応用すること。

具体的にいうと、
村内の住環境の改善空き家問題の解決に資する一方針を計画・実行していくこと。これは自分が建築だけでなく地域に関与し続けてきたことの、ちょうど間にあることだと思っていて、今、この村に自分がいる意味としてしっかり寄与したいと思っています。

それから、居場所について。
これはむlaboをどのように運営していくか、あるいはどのような企画を実施するか、など
「人」「空間」あるいは「場」の間に必ず生まれる”空気感”の設計、のことで、これも専門性として意識的に担っていきたいと思っています。

2つ目は村の人に頼り頼られる存在であること。

これは文章の通りです。

村民の方と自身が繋がらなければ、企業の方やそのテクノロジーを村の皆さんにおつなぎしたり、その成果を十分に還元できない

そして村の方とつながるためには、先述の通り、時に私が村の皆さんのお力をお借りし、時に村の皆さんのために私の力を発揮することが必要なんだと思います。

村の集まりに顔を出し、少しでも積極的に役に立ってみる


最後に、”まだまだやれることがたくさん”

この一年を通しての率直な感想です。
「やるべきこと」も「やらなければならないこと」も
たくさんある役回りではありますが、何より

自分の持っているものを駆使しながらこの村で
”まだまだやれることがたくさんある”と感じています

またこれからも皆さんを頼ります。
そして頼ってください。

「またあいつようわからんことしてる
(けど楽しそう、ちょっと行ってみるか)」

って思って気にかけてもらえるように。また一年、何より「行動」していこう。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

(秋山)


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