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小さな話

20
日々の小さな話、メモ。無料、有料、すぐ消す可能性が高いもの。
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2024年8月の記事一覧

段階の階段

段階の階段

古いパソコンに入っていた

作品以前の書きかけを

そろそろ移動しておこう、と

開いてみたら

自分が本当に書いたのだろうか?

と不思議な気持ちになるものが

いくつかあった。

エッセイ、はわりと覚えている。

詩、もわりと覚えている。

怖いのは小説のようなもの、で

なぜか自分で読み返すのが

私は怖い。

これは私の何なのだろう、

それを見るのが怖い。

そして、その続きを

もし書

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雷鳴

雷鳴

台風の風を浴びながら

草刈りをした。

波打つ稲が

倒れずに頑張れますように。

祈るというより

稲を信じるような気持ち。

たとえ倒れても

稲を責めたりしないし

台風を呪ったところで

私達の生きている星は

常に動いている。

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眺める

眺める

雷雨の後

まだ濡れている道を

透けたシャツを着た

学生達が笑いながら自転車で

過ぎて行った。

何にも思わない。

そのことだけを見る。

最近の私がやっていること。

抑圧なのか

怠惰なのか

薄められた快楽なのか

分からない。

目と兆。

気配すら

気配すら

私を見て、が多すぎるから

人を見るのは疲れちゃう

光をつくる光らないものを

讃えるように

眺めて それでおしまい

意識とか意思とか

バタ臭く感じるほど

疲れてる

疲れるのも悪く無い

消して消して消して

気配を

消して消して消して

いないことにしてしまおう