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パナソニックの「これまで」と「これから」を科学する

あるイベントに登壇する際に、事務局より
「ホームページを探れば出てくるような情報以外で”〇〇社のこれまでとこれから”を5minで話して下さい。」
というなんとも無茶ぶりがあったので、その際作成した資料をベースに今回はnoteにまとめました。

僕が務めるパナソニックは大変多岐に亘る事業領域なので、色んな説明ができるのですが、
”文化をつくる”という視点で当社の”これまで”と”これから”を見た時の特徴って、こんな感じかなと想いを馳せながら資料を作ったので、その内容を解説交えながら書いていこうと思います。
資料作りもちょっと頑張ったので、スライドだけでも是非斜め読んでいただければ^^

パナソニックって?

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パナソニックという会社の名前を聞いて何を思い浮かべるだろうか。
9年前就活をしだした頃は、日本を代表する大企業で、家電の会社で、創業者=松下幸之助が社長の会社(←最後はホント無知でしたねw)
そんなイメージでした。

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実際数字など振り返ると、売上はグローバル連結で8兆円と国家予算の1/10程度(正確には、一般会計101兆円なので、1/13程度ですかねw)と
国家予算と比較もなんだかおこがましいけど、そんな規模の売上の会社なんです。
ちなみに、僕のお小遣いでいうと200,000,000月分です。どうでもいい数字遊びですねw身近な数字に置き換えると分けもわからないくらいの金額なんですw
で、その売上をセグメント毎に割合でも表記したのが左上の円グラフです。
実は、”家電”は3割程度しかないんですよね。家電の会社だというイメージとは裏腹に、住宅、モビリティ、ビジネスソリューションなど他のセグメントで7割程度の売上を構成しているんですよね。
そしてその売上を支えるのはくらし全般(家や、職場、公共スペース、工場など)に展開されるくらしを支える商品群。ホントに普通のくらしをしていて1日のうちにパナソニック製品を見ない日をつくるのが難しいほど、色んなところに採用いただいてます。

そして、松下幸之助さんは、社長ではなく、創業者でした。(無知だった過去を戒めたいw)
経営の神様として世界中から知られていて、現在のパナソニックをたった一人から現在の27万人、創業100年超の大企業にする礎を築いた偉人なんですよね。
パナソニックの説明だけで長くなると本題に行かないので、表面的なところはここまで!w

パナソニックの「これまで」

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これまで創業100年を超えるパナソニック。色んな強みやストーリーがあるのですが、
特に僕が思うパナソニックって「文化をかたち創ってきた」会社なんですよね。
ちょっと大げさな表現なんですが、代表的なエピソードを3つほどご紹介いたします。「あー、確かに文化つくってるね!」って思えるエピソードたちです。ホントw

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これは創業者 松下幸之助が、大阪電灯(今の関西電力)に勤めていた頃、街中を走る電車を見て、今後は”電気の時代”が来る。こう確信したみたいです。そして事業を進めるにつれ、ある想いを募らせるようになったんです。

水道をひねると水がでますが、電化製品もその水道水の如く、多くの人が買えるようにせなばならぬと、
安く、高品質な電化製品の製造~販売し、電気が当たり前な世の中をつくる。(水道哲学でググってみるともっと深いお言葉が検索できますw)

この想いで今の電気が当たり前になる世の中をつくってきました。
っで、次が僕が一番好きな話「女性の社会進出」の後押し。

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お題的にちょっと、ジェンダー論になりそうなので、当時の時代背景からまずは説明します。

今から半世紀以上前。日本では女性は家事をし、男が稼いでくるという考えが根付いていたんですよね。女性が出稼ぎに行くような家は恥さらしとさえ言われる地域もあったと聞いています。
そんな時代に、旦那が稼いだ給料で、妻が楽をするための家電を買うことに対して、一種のえこひいき論争が起きたんですよね。それが

「家電は女性を怠け者にする」

なんか嫌な感じですよねw肝の小さい主張だなと思いません?笑
でも時代背景を考えれば、確かにそんな時代だったのかなとも理解はできます。
そんな世論を受け、創業者はより一層「女性を家事という労働から解放せねばならぬ」という使命を強く持つようになったと聞きます。
創業者まじかっけーっす!w

僕の母親は、僕が幼い頃から仕事が生きがいのように働いていて
「女が働きに出るのは実はめちゃくちゃ大変なのよ。家事を十分にやっているつもりで仕事をしても、旦那から愚痴を言われるんだから。」って良く言っていました。
家電のサポートがなければ、外で働く時間も十分に取れず、もちろん許されなかったんだろうな、ってこの幸之助の話を聞いたときに思いました。
女性が当たり前に働いている文化にも、パナソニックが寄与した部分もあるんではないかな、と思うんですよね。

・家電による女性の家事からの解放
→女性が社会へ出る時間が作れる
→女性の労働市場での活躍を、否が応にも男性が実感する
→「家事って男女分業で良くね?女性の社会進出阻むっておかしくね?」っていう風土が醸成される

こんなループで女性の社会進出を下支えしたのかな、って思ってます。
ちょっと大げさなようだけど、重要な転機だったんじゃないかな。

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最後が、働き方改革!
いきなりですが、皆さん土曜日は何をしてお過ごしでしょうか?一部業界を除き、学校も企業も土日はお休みにしていますよね。実は、あれパナソニックが始めたんですw
今から約50年前の1965年。パナソニックは週休二日制を導入しました。その15年後に国内企業でも徐々に週休二日制が採用されだし、学校で週休二日が採用されだしたのは、さらにその10年程度経った後ということを考えると、時代先取りの施策だったんだと思います。

これは、アメリカの労働制度を真似て取り入れたと語られることが多いのですが、僕は単純に真似ただけとは思わないんですよね。
当時、幸之助はアメリカに渡り、この週休二日制を目にしたと思います。ただそれは、フォードを代表する製造業が不況のため、人件費を抑える目的で、従業員の雇用を確保した上での施策として採用していました。
一方、当時の日本は高度経済成長まっただ中で、作れば売れるような時代。そんな時に単にアメリカ式を採用したとは思えないんですよね。
そして、この週休二日制を、採用するときに幸之助が語った下記言葉にその思想のヒントが隠れているような気がするんです。

「1日休養、1日教養」

つまり、休みを増やすのではなく、今後の生産性を高めるのは、従業員の教養が大事!こう思ったんではないかなと。今、リカレント教育(大人になってからの学び直し)が重要と言われていることと全く同じことを半世紀前に気づいていたんではないかな、と思うんです。

当時、まだ労働集約型であった製造業において、幸之助は、製造力を下支えするのは、良質な学びだと感じとり、その学びのために北米式の働き方を採用し従業員にしっかり教養を身に着けさせようと判断して週休二日制に踏み切ったんだと思っています。

他にも、今では当たり前に語られがちなことを、きっと当時は”奇策”と言われながら、次々実施していったパナソニックは、
文化をつくってきたという表現にも見合った貢献をしてきたのかな、と思っています。(自社愛のバイアスが若干入ってますかねw)

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そんな今日のパナソニックは、ブランドスローガンとして、
「A Better Life, A Better World」を掲げています。
くらしに寄り添い、お客様だけでなく従業員など含めた、一人ひとりの”より良い”を実現してきており、それはくらしの領域に収まらず、世界・社会に貢献領域を拡げ価値提供を行っています。何かステキじゃないですか?

そんな”これまで”をもつパナソニックが”これから”どんな貢献をしていくのか、筆者個人の想いを書いていこうと思います^^

パナソニックの「これから」

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(ここからは特に個人の想いなので、その旨ご了承下さいませ)

前章で書いた通り、これまで様々な文化をつくってきたパナソニック。これからの文化をどういうカタチで作っていくのか、ブランドスローガンに立ち返り考えてみたいと思います。
先ほど、パナソニックのブランドスローガンとして
「A Better Life, A Better World」をご紹介しましたが、この”Better=より良い”ってどう作っていけばいいんだろう?ここがパナソニックのこれからに応える部分になるんではないかなと思っています。

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今日の世の中では、ニーズの多様化が良く言われていたりしますよね。製造業にいると、ホントニーズが細分化しているな、と実感できます。
ではそんな中で、どうやって個人のニーズに合わせた、より良いをつくればいいのか、、、それは

①色んな”良い”を知る
老若男女、棲む地域や、情緒的な心の状態など、”良い”の基準って多種多様。皆さんも昨日良かったことが、今日なんか嫌だなって思ったこと経験したことないでしょうか。
この多種多様な”良い”をその人の特徴とセットで学習することが重要だと考えています。

②個人に合わせる
そして、その多様な”良い”の中で、個人にフィットする”良い”はなんなのか、個人を知ることも重要です。

これらを知るためには、センシングし、データとして貯めることが必須になってくると思うんですよね。

つまり、くらしの様々な情報をログに貯め、個人に合わせたソリューションを行っていくこと。
これが今後の文化や、より良いをつくっていく上でとても重要だと思うんです。
facebookやNetflix、google、amazonといった、時価総額が高い会社は、この①、②をしっかりデータにしてソリューション提供を行うことで、巨額のバリューが付いているんです。
では、この①色んな”良い”を知る、②個人に合わせる、を実現するために、パナソニックのもつケイパビリティをどう展開したらよいか、

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それは、「くらしのタッチポイント」と「テクノロジー」の2点かと思っています。

先に上げたgoogle、amazonもこの「くらしのタッチポイント」の領域を取るために、ある商品を展開してます。それは、

サラウンドスピーカー
音楽オーディオだけでなく、音声認識でネットとつなぐデバイスとして、市場に展開されだしました。
ネットのプラットフォーマである彼ら2社がなぜ、このスピーカーを市場にローンチしたのか、それは、「くらしのタッチポイントを得るため」なんですよね。

デジタルの覇者がドンドンリアルの領域に染み出そうとしているんですよね。
ただ、少し苦戦しているようにも見えます。
例えば、上記サラウンドスピーカーを買った方は多いとは思いますし、買った直後は音楽をかけたり、話しかけたりしたとも思うんですが、
今はどうでしょう。友人は「あ、今はプラスチックの塊だよwww」と語ってました。なかなかくらしに根付いたタッチポイントとして機能しきれていないんですよね。

そんな中、パナソニックの強みはこのくらしのタッチポイントをたくさん持っていることだと思います。
このタッチポイントをしっかりつなげ、個人に合わせた価値を提供できるようになれば、より良いを届ける最強の布石
になる気がします。

そして、もう一つの観点がテクノロジーです。
先ほども書いた通り、同じ人でも、昨日欲しかったものが今日はいらないなど、状況によってニーズが変化しているんです。
従来のマーケティングはこの状況を把握する術がないので、20代男性はこんなモノが欲しいかな?といった分析とアプローチをしていましたが、
今後のマーケティングはこの状況(≒時間軸)も加えた価値の提供が求められてくると思います。
そして、この状況を捉える素材が、まさにくらしの中に溢れているんですよね。くらし全般から個人の最適を捉え、便利な価値を提供していく。そんな会社になればステキだなと思っています。そんな期待を込めて、「パナソニックのこれから」を書かせて頂きました。

最後ちょっとふわっとしちゃったので、具体例をちょっと書いてみます。
当社が国内売上シェア1位(2018年時点)の照明を例にしてみる。

【note用】黒田自己紹介資料

スライドにも記載の通り、照明器具は
すべての部屋・通路に設置」され、「部屋内の中心付近に設置」され、「常に電源供給可能」な環境に置かれる。
これって、くらしタッチポイントという観点で、一等地の環境なんですよね。
こんなくらしのタッチポイントの情報を繋げることで、個人の状況に合わせたより良いが提供できるようになるんではないかな、と。

最後に

スライド14

「これまで」くらしに寄り添い文化をつくってきたパナソニックの
「これから」が楽しみだと思った方、是非当社で一緒に働けることをお待ちしております^^笑


※これは一個人として見たパナソニックで、会社としての発信ではないので、僕の誤認識などが含まれるかもです。そのあたりはご愛敬で受け止めて頂ければ幸いです^^

反応良かったら、財務視点のパナソニックや、他社の分析もやってみようかな。是非、暖かい応援お待ちしてます^^w
Twitterもやってますのでフォローいただけますと幸いです。



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