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ワインとやるせなさと

わが家の息子たち三人はもうそれぞれ成人し
親元を出て一人暮らしをしている
今更子育てについて語ることも無いのだが
大きな声では言えないが
随分と育て方を間違えてしまったと思うことも多い
私の子育ては失敗の連続だった
よくもまあ無事に成人してくれたと感心している

note仲間のkojuroさんの記事で

この二編は連作なのだ
書かれている内容も興味深いのだが
コメント欄に書かれている皆さんのそしてkojuroさんの言葉を
是非とも読んでいただきたいのだ

これらの話に出てくるお嬢さんも大学を無事卒業し
現在G(ゴキブリ)に怯えながらも社会人として一人暮らしをしてらっしゃる
未だにお父さんであるkojuroさんは
あのときこうしていたら、ああしていたらと
お子さんたちに申し訳なく思っているようなのだが
お子さんたち三人は立派に育っている

そうなのだ子どもは邪魔さえしなければ
育つものなのだ

とはいえ私も親として胸を張れず
息子たちには「ごめんなさい」の連続だ

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叔母の介護で札幌に出ると
息子たちと食事をすることが多い
そんなときはワインをボトルでオーダーする
そうだ我が家は飲んだくれなのだ
息子たちは崩れることなく飲み続ける
ときどきポロリと本音も出る

確かにあれは二年くらい前の冬のことだった
やはり叔母の介護で札幌に出かけたとき
その頃よく宿泊したホテルのレストランで三男と食事をしていた

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この話の中に出てくるホテルの最上階のイタリアンレストランで
夜景を眺めながらやはりワインのボトルを二人で空けているときのことだ

唐突に三男が「付き合っている人がいるって話してたよね」と
そういえば人生を共に歩みたい人がいるらしいとは気づいていた
窓外の夜景を眺めながら 終わったんだ と呟いた
顔は夜景を見たまま

母さん あっけないね
ほんとうに あっけない

そう独り言のように呟いた

そのときふと
この「遣る瀬無い」感情を自分の中で抱え持ち
対峙できるようになって
この人は人間としてもう大丈夫だなと感じた

恋はきっと突然訪れて
気が付いたときは終わっていたのだろう
終わってしまったことを事実をとして認めても
感情は行き場をなくしてしまうのだ
遣る瀬無いのだ

クリスマスの近づくある夜のことだった

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