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「怪談と、怪談について。」トークイベントの全貌を誌上再現!(前編)

2020年2月24日、ロフトプラスワンにて開催されたトークイベント「怪談と、怪談について。」ーー。実話怪談師たちにムーの三上編集長も加わり、怪談や霊の怖さや、実話を怪談にする”手の内”まで展開した前代未聞のクロストークが繰り広げられた。満員札止めとなった伝説のイベントを誌上再現する。長いので、2回に分けた前半からお届け!

出演者(50音順、敬称略)=いたこ28号・煙鳥 ・こたろー・響洋平(DJ響)・山田悠・吉田悠軌/月刊ムー編集長・三上丈晴(スペシャルゲスト)
主催・掲載協力=最終京王線

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怪談師+ムーでクロストーク

いたこ28号(いたこ) :今夜ここに集まったオカルト界のあらゆるパネラーたちが、それぞれの持ち寄ったテーマにあーでもないこーでもないと会議をするイベントです。
吉田悠軌(吉田) :もちろん怪談もやりますけど。今回の本題としましては、そろそろ怪談についてきっちり決めるところを決めようじゃないか、と。

「幽霊とは?」

いたこ :こわいこわいこわい! そのテーマがね、まずこれ「幽霊とは」です。パネラーの誰かからの提案ですが……
こたろー :はい!
吉田 :すごい根源的なテーマを突っ込んできましたね。
こたろー :「幽霊ってこういうことです!」って結論に向かうのではなく、怪談収集をしている方々がどう幽霊を捉えているのかを、聞いていきたいなと。
いたこ :ぼくね、幽霊って簡単にいうと3つにわかれると思っているんです。ひとつは、創作。もう1個は妄想か間違いなんだけど幽霊。で、もう一個はまさしく幽霊です!
こたろー :ちょっとよくわかんなくなってきた!?
いたこ :こっから! その幽霊がまた2つに分かれるんです。死んだ者の霊と、その土地や場所の記憶が再生されたもの……だとおもうんですけど。どうですか?
煙鳥 :記憶でいえば、プラナリアって学習するらしいんですよ。ライト点滅させたあとに電気ショックを与えると、ライト点滅しただけで防御行動をとる。で、プラナリアって共食いの性質があるから、学習したプラナリアを学習してないプラナリアが食うと、食った方もライトに反応するようになる。だから記憶って食えるんです。
いたこ :ちょっと、めっちゃええこというね。
吉田 :記憶は脳のだけにあるものじゃなくて外部にも存在しうるってことね。
煙鳥 :だから、場所にも記憶が宿ることも考えられるかなと。
いたこ :響さんどうですか?
響 :記憶とか意識が電気信号だとすると、脳の外でも成立しそうですね。ダイビングするとき「怖くても、何かトラブルがあっても決してパニックにはならないでください」といわれるそうです。っていうのは、海水の中ではパニックした意識が伝わっちゃうらしいんですよね。5人くらいのメンバーで海に潜っててひとりが酸素ボンベの不具合で呼吸ができなくなっちゃったら、まったく関係ないのに突然みんながパニックになったんですって。だから何かの形で意識は場面に出る、伝わるのかと。よく霊現象って湿度の高いときに起きるといいますけど、湿度や水が、ある種の電気信号を媒介することがあるんじゃないかと。
山田悠(山田) :ぼくが聞き集めた怪談の中で、明らかに脅かそうとしてくる幽霊の話があるんです。ああいうのは、記憶の残滓ではないですよね? 意思があります。
吉田 :確かに演出わかっている幽霊いるもんね。
こたろ:いるいる!
吉田 :2回くらいすかしといて、3回目どーんみたいな。ちなみにその「驚かす幽霊」ってどういうの?
山田 :部屋のドアが勝手に開いていて、中に入ってみて見ると、開いていたドアの裏側、要するに壁とドアの隙間に女がはさまってた、というものです。
吉田 :それたしかに、どっきりであるよね。
山田 :狙ってますよね、完璧に。
煙鳥 :1回目と2回目は全然違う出方をして、バリエーションみたいのをやってくるやつもいますね!

存在する主体か、意識される客体か

吉田 :電気信号でも意思をもってるものでも、われわれとはまったく別の存在なのかどうか。データというか観測可能なものなのか。われわれとはまた別に、たとえば水分が蒸発して雨が降るように、人間の活動とはいっさい関係なく、自然現象として起こる物質なりが存在するのか。それはそれであるかもしれない。ただ、私の立場としては、全部関係性、われわれとの関係性でしか幽霊はいないという立場。
いたこ :ぼくも実はそっちに近い!
吉田 :幽霊の実在を否定するんじゃなくて、物質としては存在しない、けど関係性としてはある。こっちの意識の問題。
響 :さっきの扉の隙間も、隙間になにかいるかもっていう意識が作用しているのかもしれない
吉田 :科学的にデータとして観測する立場の人たちはその人たちで頑張ってほしい、でも私はそっちじゃない!
いたこ :吉田会長はちがうんだ?
吉田 :理系と文系のちがいというか。実際にデータとして観測して解明できるのかどうか、というのが、今のオカルト論争で多いでしょ。近代自然科学の手続きで霊が証明できるのか?っていう争い。ぼくはそもそも近代自然科学の立場で証明できるとはおもっていない。
いたこ :仮にこうだって理屈があっても、それが再現できないってこと?
吉田 :再現できちゃったらさ、怪談じゃなくなっちゃうから。
響 :ぼくも実をいうと大学はガチガチの理系大学なんですよ。ただ、ぼくの研究室の教授で、数学科のガリガリの理系の人が超オカルトマニアなんですよ。本当にムーの愛読者で。その方、科学哲学を研究してるけれども、風水は、現代の科学哲学相当の理論体系で、信頼に足る。といってたんですよね。
いたこ :どういうこと?
響 :ざっくりいうと、例えばボールを初速度いくらで投げます。そうすると、数式で落下する位置は確かに求められるんですけれど、あれが成り立つ空間は、完全に空気抵抗無しの不純物なしの、真空状態。つまりこの宇宙に存在しえない空間での理論なんですよね。
吉田 :ある意味オカルトですね。
いたこ :響さんめっちゃかっこいいこというねんな。
響 :逆にいうと科学もそういう脆弱さがあるといいますか、ある種の宗教に近い、哲学に近い。
三上丈晴(三上) :数学っていったけど、数学の世界はイデアの世界だからね。実験をやっている人が、そんなことあるわけねえっていいながら、結晶をつくるのに語りかけてる「いい結晶ができたなー」って、語りかけてるから!

いたこ :ちょっと山田君なにかいいたそうだけど
山田 :えーと、怪談で、家に遊びにきた別々の人で、時間帯も別で、4人の男性がいて、共通して右の靴下をなくした、というのがあります。結局出てこなくて、というか引っ越し後も見つからなかった。こういう怪談って幽霊とは無関係なのかなって。
こたろー :幽霊が出ない実話怪談で問題になってくるのが、そこに意志が存在するか、ないか。現象だけを追ったときに、そこに内包する存在があるかどうか。
三上 :それはサンタクロースがそこにお土産を入れようと思って……
いたこ :今結構いい話してるのに! ちょっとちょっと。
三上 :まじめは話なんかねーいわせねーぞ。怪談なんだから今日は!
吉田 :えーと、何ら意志が存在しない不条理系か。因果応報でもないし、人間的な意志もない。
こたろー :交通事故みたいに、ふっと、幽霊が。恨みがどうのとかではなくて。
三上 :気になるのは、右ってことね。何で右? 左ではなくて何で右なんだろうね。幽霊は左利き?
いたこ :それは煙鳥さんがこたえたいとおもいます
煙鳥 :ええっ! ……なんですかね、このときは必ず右とか、このときは必ず上からとか、パターンあるじゃないですか。そこはにこだわってる「やつ」って、話は戻りますけど、記憶っぽい。染み付いてる感じがしますね。
いたこ :僕らは聞いてる話だけで、ピースがかけてる。吉田会長やられてる本なんかは、それを追求しようとしてるから面白いと思う。
三上 :絶対左利きだと思うよ! こうやって相対して、靴下を取ろうとすると利き手のほうの靴下を取るでしょ。右利きなら左側の靴下に手が出ると思うよ。
吉田 :そういう解釈を生む余地がありますよね。右ばっかりだから。
いたこ :それはいえてる。結構ね、しょうもない理由だと思う。めっちゃしょうもない理由なんだけど、そこがかけてるから怖い。右足に靴下をはいてない霊がいます! とか。
三上 :そこは宜保さんがまだこの世にご存命であれば、1杯の水とお線香と、靴下の左をお供えするとね、喜ぶわよって……言うかなぁ。……あ、宜保さんしらない?
山田 :しらない
全員: え? マジで??
山田 :えーわかんないわかんない、ごめんなさい!
いたこ :え??マジで? じゃあノストラダムスもしらないの?
山田 :あー名前しかしらないですね!
全員 :えー!
三上 :どおりで顔ちっちゃいなーっておもったんだよ。

霊はデータ化できるのか

いたこ :混乱してきましたので。ちゃんと戻します。こたろーさんどうですか、今の話を聞いてちょっと。
こたろー :最近3Dスキャンが手軽になってきて、iPadのカメラにアタッチメントをつければできるんですよ。じゃあ、呪いのもの、見ると不幸なことが起きるようなものも、コピーできるのか?
三上 :面白い!
響 :データだとしたらね。
こたろー :見ると不幸が起こる画像がチェーンメールとかで回るじゃないですか。あれに効果があるのであれば、3Dスキャンデータにも、呪いが乗るんじゃないか、と。
吉田 :デジタル写真だってjpgになって圧縮されたりしてるしね
煙鳥 :こたろーさんとよく話してるんですけど、同じ画像で、呪いのデータとそうでないデータがあったとしたら、データ量は違うはず。ファイルの定義が変わるはずなんですよ。
いたこ :論理的にはそうだね。
三上 :あまいな。想定してる経緯が小さいんだよ! 大槻さんレベルだろそれ。
こたろー :いえいえ、続きがあるんですよ! まったく同じだけど呪いだけが違うなら、それはデータの定義上にないものだろうと。そう考えると、先ほど吉田会長がおっしゃったように、われわれが介在してるんじゃないかと。3Dデータの呪物をみたときに悪いことが起こったケースで、かつデータの定義上に呪いがないのであれば、モニターに描かれた3D物体を見た自分自身を媒介として呪いが発動している。
吉田 :逆にいうとデータとして抽出できたらそれはそれでおもしろそうだし、ありえそうなんですよね。呪いや心霊はデータだって終わるんじゃなくて、データで抽出できる場合もあれば、できない場合もある。
響 :データの解像度をあげれば呪い発動の差が出てくるか、っていうのはそれはそれでおもしろいよね。
三上 :うーん、ゼロイチで考えてるのは、大槻先生レベルの話だけどね。

「恐怖の話法とは?」

いたこ :次いきますよ!
煙鳥 :はい「恐怖の話法とは」、ぼくが提案しました。だれかケガしたとか死んだとかの「ガチ怖」から「不思議系」まであるじゃないですか、語ってる方々はどんなことを気をつけていますか?
三上 :これは文章じゃなくて、語り? 音と言葉を含めてってことですよね? あの、稲川さんのように声のトーンを下げたり。
煙鳥 :語りテクです! ちっちゃいトピックだと「びっくり」ってどうなの? っておもって。
吉田 :(大声で)「お前がやったんだー!」っていう。
煙鳥 :ここに来ているような怪談マニアたちは「そういうのやめろよ!センスないよ!」と感じていると思います。配信やっていても、怪談慣れした視聴者から「びっくり系はありませんよね?」ってコメントが流れるんですよね。「びっくりって恐怖じゃないからやめてください」みたいな。でも怪談ライブだと、わーって大きい声をだすテクニックを使ってる人はいっぱいいると思うんです。
いたこ :吉田会長ね。
吉田 :まあだいたい使いますね。困ったら「あーーー!」って。
いたこ :大体使う。
吉田 :驚きですよね、恐怖っていうより。ただ恐怖はひとつの感情じゃない。幽霊より人間の方、殺人鬼とかストーカーはたしかに怖かったりするんだけど、幽霊に会う怖さもあるわけで、恐怖って何万通りものヒダが折り重なっている。だからびっくりも恐怖の話法のひとつで、それがだめなわけじゃない。初めにわーって驚かせておいてから、次にためをつくってスカしたりとか、いろんなテクニックがありますよ。
三上 :落語とかもね、型があるからしってるのに、また聞きたい、もう一回聞きたい、また怖がらせて! と思うもの。こどもも同じ話を「もう一回話して!もう一回話して!」ってくるでしょ。
吉田 :語りのテクニックによって恐怖は違ってきますからね。
いたこ :でもね、まだ怪談の語りは落語のレベルまでいってないと思う。音楽はウケたらおんなじ歌うたっていいし、求めてくれる。でも怪談は、新しい話が求められる。
吉田 :田中俊行さんみたいに「あべこべ」を何回も、それこそ1万回以上もやったりするような人もいますけど。
いたこ :あそこまでなればね! お客さんが今日のあべこべはよかったね、とかいう。怖いじゃなくてよかったねなの!
吉田 :確かに音楽的になれば何回聞いてもいいと思うんですよね。

聞き手との距離と関係

いたこ :怖いのっていうのはぼくは一対一だと思うんですよ、一対一。怖さをその方に伝えるのは一対一だと思うので、ぼくは話のなかのどっかに「それって何だと思います?」って問いかけをいれてます。
吉田 :よくやるよくやる!
いたこ :はい、これをやることによって聞いてるお客さんと一対一の関係になれるとおもうんですよね。これをナンパにも使えるわけですよ!
全員(笑)
吉田 :宝塚も絶対目を合わせるんですよね。そうすると自分を見てくれてると。
いたこ :でもね、ぼくこれやろうとおもって、ありとあらゆる人みてたんですよ。そしたらお客さんがいたこ さんきょろきょろしすぎや、と。おれは全員をみたくてこうやりたかったのに。
響 :いたこさんはカメラの前が苦手だそうですけど、お客さんに向けてしゃべるのと、撮られるのとはやっぱり話し方が違いますね。
吉田 :響さんは、何か気をつけてることありますか?
響 :強いていうなら……ぼくは幽霊みえないんです、みえないんですけど、体験した人の温度感をどう伝えるかは意識します。バランス難しいんですけど、体験した人の情報、どういう方で、ふだんはなにしてて、だからこういう環境のときにそういうものを見た……とかいうのを、一応お話の中に入れようとするんですよね。ただ入れすぎても、怖がりたいっていう感情の人には無駄な情報になるんで、バランスが非常に難しいんですけど。
吉田 :話の筋とは関係なくても。リアリティの積みあげ方ですね。
響 :そうです、積みあげ方! でもさっきの脅かし系の話に戻ると、ぼくは非常に素晴らしいと思っています。“お前だー”っていうあれって、実は結構最高のエンターテインメントだなと。
吉田 :それこそ一対一の関係性になるっていう。日野日出志先生の「地獄変」でも、ページから飛びだして「きみは死ぬ!」って自分にくるっていう関係性ですよ。
いたこ :山田君はネット配信やってるから、完璧にお客さんの前にはいないじゃん。どういう感覚でカメラに向かって話しかけてるの?
山田 :配信ってひとりでやっていることが多いので、しゃべりかけてももちろん返答はないんですよ。なんで、なるべくつまづかないように、べらべらべらべらひとりでしゃべってるんです。ちょっと怖さを演出するのだと、擬音なんですよ。
吉田 :音、間とか、扉がギー、バタンとかね。
山田 :実際の音はぎーだったかどうかはとかわからないけど、演出として、ぎーーぎーぎー……みたいな。
こたろ:どうやったら怖く語れるかっていうのを山田くんと話す機会とかあるんですけど……やっぱり怪談って、もうあったこと、過去の話ですよね、基本的に。現在進行形とかもあるんですけど、現象自体は過去にあって、それの追体験ですよね。聞いているひとたちは、もう終わったことで、絶対自分のとこにはこないっていうバリアのような意識の中にいると思う。だから本当にゾッとする恐怖っていうのはそのバリアを突き抜けてくるんですよ。擬音とか一対一の関係もそうで、実はその情景は今ここで起こってますよっていう、バリアを壊す話法ができればいいのかなって気はしてます。
いたこ :すごいなー。
吉田 :擬音はまさしく現前化するんですよね空間を。ひゅーひゅーって風をやると情報の羅列ではなくて今まさにその場に風が現前化する。擬音は効果的なものです。

独演、トーク、ネット配信、映像収録の話法

煙鳥 :もう一個! 俺とか山田くんは基本、配信ですけど、みなさんイベント会場のステージでやられてますし、さらにこういうクロストーク状態もある。それぞれで語り方変えてます?
いたこ :おー俺たちプロやから変えてるわ!
吉田 :じゃあどうかえてるんですか?
いたこ :それは企業秘密やわ!(笑)
三上 :でもやっぱ人がいるっていう反応をみて、じゃあ次はちょっとこう低めに! とか高めにとか調整してるんじゃないんですか?
吉田 :変わってるんでしょうね。必然的に。
煙鳥 :擬音を使いまくる話をクロストークに織り込むのってなんか微妙な感じしません? ステージに座ってひとりでピンスポあたってっていえばやりやすいけど。
いたこ :確かにこっぱずかしいよね。
吉田 :講談の旭堂南湖さんや怪談社の方々はかなりシアトリカル、演劇的ですね。演芸的な落語であったり高座の技法でやる人々が最近出てきますけど。それとは別に日常会話言葉で怪談をやる手法もありますよね
三上 :漫画のコマ割なのかな。その情景をみなさんの頭の中にイメージさせるために、映像の中の絵コンテみたいなのを想定してるかたもいるんじゃないか?
吉田 :その場合クロストークの流れの中でやりにくいいんですよね。シアトリカルな、三上さんがおっしゃったように作品みたいなものは。
山田 :僕、これがイベント初出演なんですけれど、友だちと怪談する場とかあるじゃないですか。配信の時は、はっきり「この話はぼくの友人に聞いた話なんですけど」みたいな入りなんですけど、友だちと話すときは「これ友だちに聞いた話なんだけどさ」みたいな感じになります。
吉田 :単なる言い方の違いなんだけど、全然がらっと質が違う。
いたこ :ぼくね、イベント名はいえないんだけど、イベントですべった人たちが集まって話す大会にゲストで呼んでもらったんですよ。ひどいことなるかなと思ったんだけど、あのね、みんなうまいんです。みなさまネット配信で慣れてはって、語るのめちゃめちゃうまかったんですよ。だけど、ぶっちゃけゆうと、BGMとしては最高でも、聞き終わったらなんにものこってないんですよ。
吉田 :うまいがゆえにっていう弊害もあるんだ。
いたこ :たぶんそこなんですよね。語り方で残す。ぼくもまだ具体的にはわかんない、ぼくもまだ修行の途中でえらそうなことはいえないんだけど、多分ネットでやってる人たちは、言い方悪いけど、モニター見てやってる人たちは、お客さんの前でやったとき、いいな、話面白いなといわれるけど、心に残るなとはいわれない気がする。
こたろー :喉どおりがよすぎるってことですか?
いたこ :わかんない、ぼくもわかんないの、なぜか!
吉田 :その代わり、いたこさんは画面通しての配信は苦手ですもんね。それなら、それぞれ得意なフィールドがあるということか。
いたこ :ぼく大体、画面でやったら最後いっつも、オチで詰まりますから。でもその辺が恐怖を伝える秘密かなって。BGMにはならへんけど。
煙鳥 :いたこさんみたいなスタイルの怪談をBGMにしながら仕事できないですね。なんか無理! 何が何だかわかんなくなる。配信とか、ステージでひとりで話している怪談は自然に聞けるんですよ。
三上 :LINEとかで1行2行の言葉の短いやりとりの中でストーリーを語っていくのに慣れている人には、YouTube的な聞きやすい怪談があってるのかもね。
煙鳥 :で、本題に戻りますけど、ステージっぽいのもクロストークもできる人はいますけど、自然にやってるのか、意識しているのか…?
いたこ :響さんはどうなんですか?
響 :ぼくは、実をいうと皆さんしらないと思うんですけど、本業DJをやってるんですよね。
全員 :DJ??
いたこ :え?? マジで?
響 :そうなんですよ、実は。DJってあらかじめレコードボックスに準備するんですけど、お客さんの動きを見て変えるんですよやっぱり。だから、意識としてはその場にいるみなさんのテンションを読み取りながら、曲順を結構考えてる。ぼくの怪談もライブ寄りといいますか、そういう意識でしゃべっています。何を話すか、山場はどういうテンションで乗っていくかとか。
吉田 :会場の空気感で。
響 :そうですね。ぼくも日々勉強中ですけども、ただカメラの前はちょっと苦手っちゃ苦手です。
吉田 :あと、配信系の人たちは結構最後置きにいくんだよ。タイトル最後にいう文化、ありますよね? ………「日々修行中」というお話でした。っていう。あれはなんなんですか? なんかあれわりと機関車トーマスの影響なのかと思って。
こたろー :全然気にしたことなかった。みんなやってるからやったんだけど。
煙鳥 :まずだれに聞き取ったとか、そこから話すからじゃないですか。最初にタイトルをばーんって出したら、そのフレーズの範囲の話なのかって先入観になる気がして、だから最後にいう。
吉田 :じゃあ最後にいわなくたっていいじゃん! 俺はタイトルない方がいい派なんだよ! タイトルを付けると、今いったように分類されちゃうから。怪談とか不思議な話とかってそもそも分類しちゃいけない、科学、近代自然科学に乗っ取っちゃいけないものだと思っているから、だから分類をあえて拒否するために、タイトルは付けない。だって落語だって昔はタイトルなかったんだよ! ただ話の種類を区別をしないと手間だから、タイトルをつけただけで。
煙鳥 :じゃあ吉田会長の本のタイトルとかどうやって決めてるんですか?
吉田 :それはすっごい単純に、なるべく即物的単純なタイトルに。電話ボックスだったら電話ボックス、とか。意味を持たせないようにしてる。
いたこ :まとめよう!
煙鳥 :まあ、いろんなスタイルみたいなのがでてきてますけど、たぶんそのうちどっちもできる人が出てきたり、もっと器用な人が出てきたり、第三のやり方がみつかったらまた面白いのかなって思います。でいいのかな?

「実話怪談の取材」

いたこ :はい!つぎいきますよ!「実話怪談の取材」とは、だれでしょう?
吉田 :はい、ぼくです! こうやってプレーヤーが集まって、若手の新進気鋭の方もいるので、実話怪談をどうやって取材しますかっていう話はここじゃないとできなんじゃないかなと。具体的にいうと、人から話を聞いてどう語ったり書いたりするか。どこまで演出していいのか? 煙鳥くんは、本当にそれをくずしちゃだめ!派じゃないですか。それでも擬音は演出に含まれるのか、それすら足してはいけないのか。あとはまあ、話の順序を組み替えるのはOKか? 足すのはダメだけど、削るのはOKってよくいいますよね? 起こってもいないのに最後に女の生首が落ちてきた、とか足すのはダメだけど、逆に女の生首が落ちてきたって聞いたとしても、むしろ怪談として怖くなくなっちゃうから削るのはOKとか。あと、4、5人その場に登場人物がいるんだけど、話に関係する2人だけにするとか、それはOKかとか、いろいろあると思うんですよね。
三上 :実際の事件をモデルにした小説もあって、読む人が読むとこの人でしょってわかるように書いてあるのもあるよね。小説ということになっていればなんでもいいはず。
吉田 :実話怪談の場合は創作でなく人に取材するものだから、どこに真実、虚実をおくかの価値観ともかかわってくる。
いたこ :実話怪談って、実話をつけるべきかどうか。もう10年くらいずーっといろんな問題になっている。ぼくね、思うんですけど、プライドですよ! 書き手のプライド!
吉田 :精神論できたよ!
いたこ :もうね、そこにいきつくんですよ。
こたろー :ちょっとわかる。
いたこ :ぶっちゃけいうとね、10個あって1個は嘘足そうかとか迷うんですよ。みんな、絶対。それはね、元になるものもあると思うんですよ。でもさっき吉田会長がいってたみたいに、ちょっと弱いから強めのキック入れるか、みたいな。お客さんのこと考えたら、キックがやっぱり必要なんです。夜寝てておばあちゃんが枕元に立っていました、っていう話ぼくは好きなんですけど、それを10個やったらイベントきてくれないでしょ? 本買ってくれないでしょ。
吉田 :今なんかコンテストで優劣きそわせることも多いしね
いたこ :もうぼくはプライドしかいえないですね。その方が実話怪談をどう思ってるかは、本やイベントで判断するしかないかなって。
吉田 :いたこさんのプライドに完全に任せる立場に、あえて反対の立場をいうと、完全に創作でも取材対象が「実話だ」っていったら実話になるのが怪談です。怪談っていうのはさっきからいっているようにエビデンスがないものなので、裏をとれたらもう怪談じゃない。検証可能なものではない。
煙鳥 :ないですね! そうですね。
吉田 :であるとすればその人が実話だと、本心では実話だと思ってなくても、実話だと言って墓場までもっていけば、もうゼロからの創作だろうと、実話怪談になってしまう。ぼくは自分では絶対にやりませんよ。それをやると逆にきついから。だけど、論理的にはありえる。
いたこ :そうですね、昔コナンドイルがだまされた妖精の写真があって、写ってた女の子が死ぬ間際に嘘ですって言った。でもいわんかったらあれは事実になりますよね。
吉田 :もっというと、自分自身が体験した怪談の場合。取材を抜きにできるじゃないですか。いい悪いじゃないですよ、プロセスとしては。
吉田 :自分の体験談で話すと、真っ赤な嘘だけど、その人の「真実の体験談」になっちゃうんです。
いたこ :なりますね。
吉田 :っていうジレンマがあるんですよね。どこらへん、実際どうなんですか。
山田 :ぼくもそれずっと悩んでて、怪談を始めるにあたってどうしようかと。怪談を集めるとき、体験した方が本当にあったんですっていったらそれは僕らは本当として扱うのかどうかっていうことをツイートしたんですが、ある作家さんが、体験者が本当だといったらそれは僕らとしてはホントだと、そうしないといけないっていってて。みなさんどう線引きしているんですか? 体験者の話が実話かどうか判断するのは。
吉田 :一番ナイーブなとこ突っ込んできたぞ。
いたこ :ぼくも、めっちゃくちゃ面白い怪談ひとつあるんですよ。でもそれってぶっちゃけいうと、ここのひとだからええねんけど、語ってくれた人がちょっとあれやなとおもった。聞いてたら時間軸がめちゃくちゃやねん。初めわからんかった、でも3年聞いてやっとわかってん。で、もしかしたら。そこでも思うんですよ。その人はその体験をしたからおかしくなっちゃんじゃないのかな。ってことはこれはもう実話怪談だよね?
吉田 :その叙述のあり方もありますよね。完全に自分が嘘をついていると思ってるか、ちょっと頭がこんがらがっちゃってるのか。
三上 :本人が語っているっていう事実は事実だからね。語ってる内容が事実かどうかは別として、この人の語っていることは事実。体験を語っている
吉田 :体験そのものはね。
いたこ:ただ、ぼくね記憶が悪いから、たまに間違って話すことあるんですよ。でね、怒られるんです体験者に。違うよ!って。でもね、怪談っていうのはそうゆうもんなんです。実話をもとにした、と逃げている。
響 :ぼくは三上さんがおっしゃったように、怪談体験、体験した方がそう体験したと語ること自体がぼくは大事かなとおもいます。
吉田 :じゃあ異を唱えてもいいんじゃないですか? だってドキュメンタリーやルポルタージュの世界って、取材対象や体験者が完全に真実を語っているっていう前提では成り立たない。カメラをいれたら演技してしまうこともある。原一男とかいろんな人がくぐってきた問題だけど。
響 :そこのバランスはすごく難しい。体験者が見た! って話に物理的にうんぬんっていうことよりも、それをみたと思いこむ要素がどこにあったのか、という観点で話堀りますね。
吉田 :自分の解釈をいれるということですか?
響 :まあそこもひとつありますね。
吉田 :解釈やだ派もいますよね……
響 :あーなるほど。
いたこ :吉田会長は解釈嫌派?
吉田 :めちゃめちゃ入れます。ぼくはめちゃめちゃいれます! むしろ入れたい派!
いたこ :いれるのが大好きな方だよね。
吉田 :だって俺の解釈おもしろいもん! 元の体験談より。
煙鳥 :俺は、自分の考えを入れるなら聞き取りの現場やあとで確認したときにその話題がでたならOK。自分でガタガタ組み立ててるときに思いついたのは、なし!っていう線引きですね。
いたこ :ドキュメンタリー映画って仮に本人がそう思ってなくても、カメラの前で引き出したらそれが事実になってしまって、よくもめたりする。
吉田 :逆にいえば、その現場で引き出せないとだめってことですよね。
いたこ :編集で勝手にアフレコでいれるなってことでしょ
煙鳥 :っていう考え方です。怪談自体が終わったあとに補足の雑談で入れるのはOKなんですけど、怪談そのものに、その場ででなかった話をいれちゃうのは、なんか違うかなって。

体験者は「正しい」のか?

いたこ :ちょっとすみません、ゆうていいですか? すみません!
全員(笑)
いたこ :でもね、でもね、怪談ってそういうもんなんですよ。
吉田 :いやいやいや! それまとめるとそれが答えみたいになっちゃうから! ……まあ確かに、自分も線引きとして、これはあとから私が考えたんですけど、これは最初に体験者にぶつけてこう返ってしましたっていうふうに、書き方を変えている。
いたこ :ぼくね……ある方がね、怪談話してくれたんですよ。めっちゃおもろかってんけど、ぼくがそのときおもったことがあって。「これもしかしてAさんって君は彼はいってるけど、Aさんて君のことちゃうの?」って
吉田 :よくあるよくある!
いたこ :そしたら彼が「違う」っていったんですよ。違うでおわっちゃうとぼく書けないじゃないですか。でも書きたいから。違うやろ?君だろ?違います!君だよね?違います、君だよね?--はい、いたこ兄さんがそういうならそうします。っていうことはこれは書いてもいいと。
三上 :警察の取り調べからいくとね、強制してますよ、その自白は無効です(笑)! 自白の強要じゃないですか!
いたこ :それはありですか?
煙鳥 :それはナシかな!
吉田 :え、なんでなんで! それだって本人の体験じゃん、いたこさんにいわれていっちゃったという体験も含めて。
煙鳥 :おしつけ、ねじ曲げてるじゃないですか! もうその時点で。
いたこ :それをそのまま書いたんですよ。
吉田 :そのやり取りをしたって書けばOKでしょ?
煙鳥 :やりとりをして……うーんまあ、自分の中で線引きですけど、いって違いますっていわれたら、俺のスタンスだと、あ、そうですかで終わりますね。
いたこ :修行がたりん、修行が。
吉田 :人間性の違いでしょうね。
吉田 :こたろーくんはどうゆうふうな感じ?
こたろー :ぼくは、またちょっと煙鳥とは違うんです。体験を取材しましたってとき、1回その人が言葉にしてぼくに伝えてますよね。一回言葉になってる時点で、もう本当ではない感覚があるんです。
吉田 :ドキュメンタリーとかルポルタージュの考え方ですよね。
こたろー :さらにそれを僕が話して聞かせるわけじゃないですか、その翻訳もはいってるわけですよね。そうすると、本当の意味での真実を伝えるのは無理じゃないかとぼく自身はおもっているんです。
いたこ :すっごいいいこといいましたよ!
三上 :それはまさにムーだ! 真実というか事実という事実をいくら積み重ねても真実じゃないんだよ。事実じゃなくても真実には辿り着くことがあるんだよ。吉田会長の本とか読むと、ちまたの噂とか推測で出回ってるんだろうなって話を調べるわけ、そうすると実際にそれがあるっていう、そのレポートはゾッとする!
吉田 :ただいくらでもこじつけようがあるんですよ。
いたこ :おいおいおいおい!
煙鳥 :いっていいのそれ!
三上 :せっかく持ち上げたのに!
吉田 :卑下していってるわけではなくて、そういうもんなんですよ。

怪談を語る、残す

いたこ :話を戻すと、実話をちょっとおいといていえば、「怪談」っていうのは人から人へ受け継がれて余計な部分がカットされて完成されるものもある。それは何百年と語りつがれるわけですよ。雪女もそうだし、流れとしては正しいんですよね。だからね、ぼくは実話怪談って、受けつがれていくためには「怪談」にならないといけないんですよ。
吉田 :どういうことですか?
いたこ :実話にこだわってたら、受けつがれない話になる可能性が強いと思う。稲川さんがそれを最近いいましたね。実話をもとに怪談です。あれってまさにその言葉なんですよね。
吉田 :情熱大陸で「自分の聞いたある体験、取材をこう組み合わせるよね、2つ3つ組み合わせてつくってるんですよね」って言ってましたね。っていうことは実話そのものじゃないじゃん! だって体験談2つ3つくっつけてるんだから。
三上 :たぶんね、稲川さんの場合は怪談通り越して、神話なのよ。固有名詞がなくなっているの。登場人物も、昔はディレクターのだれだれがいってたっていうのがディレクターのなんとかの、知り合いの何とかの、とかで、地名もどんどんどんどんぼかしていって……。
吉田 :普通にAさんとかになりますもんね
三上 :これは都市伝説の基本なんだけども、本来の都市伝説って固有名詞はないの。で、だれから聞いたっていうと、友だちの同級生のお兄ちゃんの親戚から聞いたのってなる。そういうのをそぎ落としていって骨子の構造だけになるといわゆる伝説であり、そこからさらに昇華していくと神話の世界になる。
いたこ :そうなんですよ。実話怪談を後世に残すためには怪談にならなくてはいけない。
三上 :別に残さなくてもいいんじゃない?
いたこ :いや、ぼくは残すべきだと思います。
三上 :いいんじゃないの? 伝統芸能じゃないんだから!
吉田 :実話怪談ならではのごろっとした手触りとか全然成形されていない原石と、ブリリアントカットされたダイヤモンドと、どちらもよさがある。
いたこ :ただ正直にいわなきゃいけないんですよ。これは実話をもとにした怪談か、そのままほぼ近い形の実話怪談か。
煙鳥 :昔って人から口へ口へだったから角が取れていくけど、今コピペとか動画そのままみれるから。逆にいうとごろっとした手触りのままって伝播していくようなるのかなって。まったく洗練されずに残るルートも出てきてる。
吉田 :そうだね、2000年以降とかね。

恐さとリアリティ

いたこ :でも結構残ってる話ってさ、リアリティのないやつとかじゃない? くねくね?とか。場所わからへんし。
三上 :洗練されすぎると、もういいかなって。美人に飽きるような。
響 :聞いたときにリアリティをどれくらい感じるかの手触りを残さないと
吉田 :いたこさんは最近の若い人の怪談はあんまりリアリティを感じないって言ってましたね。
いたこ :語る技術は全然すごいですよ。ぼくらの世は技術がないから、みんな追い抜いてくれないと、怪談文化って壊れるんですよ!
吉田 :だけど、ごろっとしたリアリティを始めたのはそれこそいたこ さんでしょ。百物語で、プレーヤーじゃない一般の参加者の人がはなすたどたどしさが、洗練されてなくてそっちのが怖かったりするし。
こたろー、煙鳥 :あるあるあるある!
いたこ :でもその怖さはね、金にならないです。
吉田 :商品としてパッケージできないからね。再現不可能ですからね。
三上 :でも世の中かわってるかもよ。どうしてもきれいなものにしなくちゃいけないっていうのは作り手側の、勝手な思い込みなんですよね。
いたこ :そうなんですよ! こんなにテクニックがなくても、怖いやんって伝わるくらいのことをやらないけないんです。僕らの世代は
吉田 :どっちかというとそれでやろうってことね。洗練させようってことじゃなくて。
山田 :じゃあすみません!
吉田 :いきなりきた!
山田 :あの、ぼく一緒に配信している相方がいるんですよ。その子って実話怪談的語りじゃなくて、ちょっと朗読チックな語りなんですね。で、怪談の大会の予選にその子が出たときに、朗読っぽいから実話じゃないってコメントがあったんです。語りによってリアリティが削れるっていうのは、皆さんどう思います?
いたこ :それね、間違ってます。怪談なんていっぱいスタイルあるんですよ。今怪談ってロックとクラシックを一緒にやってる。やってもいいけど、比べないじゃないですか。だから気にする必要ないですよ、ただみんながそのスタイルがわからないだけで。
吉田 :ただ、文句というよりは語りでリアリティが変わってきちゃう事自体を悩んでるのかな。
響 :DJでも、データだとミックスもきれいできるんですけども、アナログの針がブツって飛ぶあの瞬間がすごいいいっていう人もいるんですよ。
吉田 :場を共有している。
響 :その感覚は、ぼく世代でもわかる。確かにたどたどしい、そのごろっとした感覚を共有するのすごいアガるんですよ。共有してる感覚がリアリティになる。
いたこ :でもそれって商品化するときはカットするでしょ? そのぶちって音は。
響 :そこはぼく個人的には入れたい、でもただあんまりあざとく入れてもよろしくないですね。
吉田 :音楽も配信サービスできれいなデータを聴くのと、ライブでしか体験できないものを目指すっていう、二極化しつつありますよね。
響 :音楽ってデータ化されているとすぐ拡散しちゃうんですよ。だからライブしかたのしめないものに、お金というかお客さんは大きく動きそうな気がします。
煙鳥 :配信でも、放送主のところに来てしゃべる「怪談凸待ち」があるでしょ。あれってもうごろっとした状態で、あればっかり聞いてる人って結構多いんですよ。あの手触りがいいんだと。
いたこ :でもああいうかんじでDVDでしゃべっておれ、めっちゃ叩かれたで?
全員(爆笑)
俺は早すぎたんだね。

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(後編に続く)


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