【連載小説】聖ポトロの巡礼(第18回)
聖ポトロの日
疲れきっていた俺は、昼ごろに女主人に起こされた。
彼女はおそらくもう中年を過ぎたくらいの年齢で(サバラバの人たちは自分の年を明かさない。もしかしたら、本人も知らないのかもしれないし、もしくは、年齢を重ねること自体を全然気にしていないかもしれない)、中肉で背は少し低め、髪は黒くて白髪交じりで、後ろに無造作に束ねてある。サバラバの女性は化粧をしないようだ。これはピトのときも、ゼビルのときも一緒だった。みんな質素で、素朴な服装を好む。貧乏だからとか掟だからとか