01号 自然体で生きるためのメソッド(1)
はじめに
「人間とは、自分に絶えず呼びかける天地万物の受信アンテナである」と述べたフランスの耳鼻咽喉科医がいます。その名はアルフレッド・トマティス博士(1920〜2001)。早産の仮死状態で生まれ、いったんはかごに捨てられてしまったのを、その後拾い上げられて蘇生したという誕生秘話を持ちます。「この死に瀕した誕生体験が自分の仕事の方向性を決定づけた」と自伝で述べているように、彼は単に耳鼻科医にとどまらず、耳と声と心の探求に一生を捧げました。
耳は胎生期に早くに完成し、そして死に