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01号 自然体で生きるためのメソッド(2)

自然体で生きるためのメソッド

日原美智子(※1)


博士が最初にしたのは私をリセットすること

 博士が私をどう導いていったかというプロセスは、今考えるとトマティスメソッドそのものだったのです。
 博士にCAVで最初に会ったときに、この人すごい!人間じゃない!宇宙人だ!と思ったくらい、私は博士に魅了されました。立ち居振る舞いのすべてが立派で品がよく、たたずまいがすばらしかったのです。
 そして、何よりも声が圧倒的でどんなオペラ歌手よりもすばらしかった。バタフライのアリアから、トスカの男性のアリア、カルメンのいろいろなアリア等々、次々に歌われるんです。

—ソプラノの歌はソプラノの声で、バリトンの歌はバリトンの声で?

 そう。何なのこの人は!と思いました。声楽家だったら、器用な歌い手だな、と思っておしまいだったと思います。お医者さんだというところが、それまでずっと声楽を学んできた私には圧巻でした。
 それと同時にだったのは、私に一度も歌わせてくれなかったことです。小さい頃から歌が得意で、大学でも声楽を専攻し、歌の指導を50歳になるその時までずっと続けてきました。声だけは自信があったのに、テーブルに腰掛けて(※2)歌い出そうとすると「ノン」とひと言。歌わせてくれない。「なんで?なんで??」と思いました。
 その時、博士は「あなたはできやしないけど、触っておけ」と、博士がハミング(※3)されているときの頭や首、背中、お腹などを触らせてくださいました。その時の振動はすごいなんてものではなかった。また、博士のいい匂いといったら今でもはっきり憶えています。

—五感でトマティスメソッドを受け取ったんですね。

 そうです。目と耳と手と匂い、まさに五感ですね。
 後日、私は個人レッスンを受けに行きました。午後からのレッスンだったので、朝からしなければいけない仕事をしてから博士のところに行ったのです。そうしたら、とても疲れていて、博士の言うとおりにハミングができませんでした。
 「今日はどうしたんだ?」と博士がおっしゃって、「一所懸命生徒に声楽を教えてきました」と答えたら、博士は「なんて事してきたんだ!あなたからレッスンを受けた生徒は大変迷惑なことだ」と。
 「私、とても一所懸命やったんですよ」と言っても、「とても迷惑だ」と。
 「なぜならあなたは自分の身を削って人に何かを伝えようとしている。そんなことでは大切なことは伝わらないんだ。あなたは自分の身体を愛してないからそんなことができる。自分の身体を愛していたら、そんなことはできない。いっぱい自分を愛しなさい。そうしたら愛はあふれる。そのあふれた愛をもって人とコミュニケーションをとりなさい」と言われました。
 「そうなんだ!自分を愛して、自分を大切にして、あふれる愛をもってすればよいのだ!」とその時思ったのです。
 そのレッスンの後で「これから一所懸命練習しておきなさい」と言われたのが、ハミングだけでした。
 その日の最後の言葉が「あなたが今まで習ってきたことだから全部次回会うまでの間に捨てておけ」。私が何をどう学び、50年間に何があったのかを博士はまったくご存じないのです。それなのに「塵芥だから捨てろ(※4)」。しかも、声楽を習ってきた私に「歌は歌うな。ハミングのみ」と。

毎日の積み重ねによってのみ「頭と心と体」がひとつになり、自然と身体が動くようになる

—反発は感じなかったんですか?

 何を言われているのかわかりませんでした。自分が大切にしてきたことを塵芥だと言われて。ただ、博士のすばらしいハミングに魅せられていた私は、何が何だかわからないまま、毎日ハミングをしていました。一年間誰にも尋ねることもできずに。
 次に博士にお目にかかったのは、一年後でした。
 再会し、私のハミングを聴いた博士は私に「来月からCAV(※5)修了者のフォローアップをしなさい」と言われたのです。「えっ、何!」って、思わず気絶しそうなくらいびっくりしました。何もできないし、何もわかっていないのですから。
 博士は「あなたはハミングを聴き分ける力はもうある」とおっしゃいました(「できるようになった」とはおっしゃらなかった)。そして、驚いたことに、博士は続いて「今まで学んできた音楽の知識が、これからダイヤモンドのように光り輝く」とおっしゃったのです。
 受講者の方々に伝える言葉は「はい、そうです」「音程を変えてください」「もう一度お願いします」の3つだけ(※5)。決して否定的な言葉は使わない、受講者の体に触れないがフォローアップするときの博士からの条件でした。
 そう言われて翌月から始まったのですけれど、やることがないわけです。1人15分、「観る」と「聴く」しかありませんでした。
 月1回、4〜5人のフォローアップを3ヶ月続けました。その3ヶ月目に受講者の方がどうしてハミングができないのか、はっきりわかってしまいました。で、思わず博士に言われていた3つ以外の言葉を使ってしまいました。「ここをこうしてください」と。
 その後、マダム村瀬(※6)に「私、どうしてハミングができないかわかってしまったので、思わずアドバイスしてしまいました。この先どうしたらいいのか?、博士に聴いてください」とお願いしました。その時の博士の答えがとっても衝撃的でした。「私はそれを待っていた。来月からはあなたの思うことを何でも受講者に言ってあげなさい」。
 博士は、私がひたすら観たり聴いたりすることで、その受講者にとって何が必要なことなのか気づくようになることを察知していたのだと思います。たぶん博士は、それぐらい時間が経てばそうなることを予測していらしたのでしょうね。

 その後、フランスからインストラクターの方がいらっしゃるたびに、少しずつ私をアシスタントに使ってくださいました。そして二年近く経ったときに「来月は絶対にパリに来なければいけない」と言われたのです。インストラクターの方が「私はあなたにすべてを伝えました。あとは博士の許可がなければ、日本でCAVを開催することはできません。あなたがパリに来なければ、日本でのCAVはスタートしません」と。それが忘れもしない1997年4月だったのです。

日本の伝統文化で私のアイデンティティを確認した

 で、5月にパリに行きました。
 博士は歓迎して、時間をかけてしっかり教えてくださいました。ハミングや聴き取りの姿勢、母音のポジションなどなどCAVに必要な要素のすべてを、私が納得するまで根気よく見て下さいました。今考えると博士には、どうしても私を育てたいという意志があったのだと思うのです。
 そしてパリでの勉強の最後に「歌舞伎か能の唄を歌え」っておっしゃるのです。「なぜですか?それは一般人にはできないのです」と言っても、どうしても「あなたは日本人なんだから歌舞伎か能ができなければ、日本でCAVをやらせるわけにはいかない」と。

—お能や歌舞伎は、日本の伝統文化だからでしょうか?

 そうです。博士は各々の母国語を大切にされていました。能や歌舞伎の発声の仕方は、今の私たちにはなじみがないけれど、日本語の原点がそこにあるということだったのだと思います。
 そこで、考えたのが、結婚式でよく歌われる「高砂」。このほんのさわりの部分だけ歌ったら、「その音だよ、CAVの音は」と言ってくださって、CAVインストラクターとしてのOKをいただいてきたのです。
 博士は日本で日本人の発声トレーニングをするために必要な日本人のアイデンティティとしての音を確認されたのだと思います。なぜOKをくださったのか、今考えると、たぶんき取りの姿勢がとれて、ブレスが深くなり、母音の口の形(※7)、そしてそこから出てきた音、ただそれだけでOKを下さったのだと思います。
 結局、私が実際に歌うところを博士が聴いてくださったのは、「高砂や…」の一節が最初で最後でした。私にとっては、考えられないような奇跡のような出来事です。
 その数ヶ月後に博士は引退されました。その前に私をCAVインストラクターにするべく、一所懸命導いてくださったのだと思います。その思いがとてもありがたかったです。パリでの指導、その時が、博士自身から「CAVを教えていい」という許可をいただける最後のチャンスだったのです。

ありのままの自分を大切にすることが、自然体で生きる第一歩

—CAVのインストラクターへと導くプロセスの中で、博士が伝えたかったことは何だったと思いますか?

 まず私という人間をニュートラルな状態にして、自分を受け入れることができるようにされたのだと思います。インストラクターとして指導するときだけではなく、ふだんも自然体で生きられるようにしてくださった。
 トマティスメソッドに出会う以前の私は、神経質なところがあって、家の中はいつもきれいでなければいけなかった。赤ちゃんのなめるものはきれいに消毒したり、少しでも家の中にゴミがあったら嫌だと思って、床にはいつくばって取ったりしていました。出かけなければいけない朝に子どもが朝ごはんを食べる食器を一枚一枚食べているそばから片付けたり。
 トマティスメソッドに出会って、そういった余計なことをしなくなりましたね。今でも神経質なところは持っています。でも今は、それを人に強要はしません。きれいに片付けるのは私の幸せであり、家族の幸せではないと思えるようになりました。博士のおかげで楽に生きられるようになりました。

—自然体で楽に生きるためのスタート地点に立ったのは、博士に出会ったときだったのですね。

 そうですね。博士から初めて個人指導を受け、疲れていてハミングができずに、「ありのままの自分を愛しなさい」と言われた瞬間、私の腑に落ちたってことでしょうか。私の身体が、たぶんそこで根本的に変わったのだと思います。
 その瞬間に「必要以上に頑張ることには愛がない、今の自分に無理のない行動の中に真実の愛が存在するのだ」ということに気づき、とても気が楽になりました。
 「あなたは自分を犠牲にしてどうするんだ。それでは自分を壊してしまう。壊れている状態で人に何かを伝えるなんて、とんでもない!」と博士は伝えてくださった。その後、以上でも以下でもない私がいつも存在するのです。
 それが、本当に博士が伝えたかった真髄なのではないかと思います。
 「あなたは世界にひとりしかいない。それを大切にしないでどうする」とも言ってくださいました。
 娘にもよく言われます。「博士に出会っていなかったら、今のおかあちゃまはいない」と。元々私は、何でも許される環境で育ってきて、とてもわがままだったのです。自分を大切にするなんて考えもしていませんでした。
 でも今では、「まず自分を愛しなさい。自分への愛がなくて、人に愛してもらおうなんて、そんなことは無理でしょ」と言っています。
 自分を愛するということが人間としての原点。自分は世界にひとりしかいない。コピーはない。だから、その自分の存在自体を大切にしなければ。
 博士は「自分を愛していないと自然体で生きられない」とおっしゃった。それが根源なのだと思います。

—自分を愛するというと、わがままし放題になりがちでは?

 私は「自分を愛するとは甘やかすことではない」といつもひと言付け加えています。たとえば、甘いものが好きな人が自分を甘やかすというのは、どんどん食べる、思うがままに食べること。でも、それは身体にとってはやさしくないです。自分の身体に対してやさしく接し、愛を持っていたら、セーブはきく。欲望のままというのは甘やかしです。律するものがあった上での愛でなければいけません。

あふれる愛でした行為は代償を求めない

—博士の言う愛は、私たちがイメージする愛と少し違うように思いますが。

 博士が言われる愛と日本でよく言われる愛とは確かにちょっと違うかもしれませんね。
 博士はその時もうひと言おっしゃったのです。「あなたがそうやってくたくたになって教えたら、あなたは見返りを求めるだろう」って。「あんなにあの時あなたに教えてあげたのに、上手に演奏できなかったのね、という状態は、レッスンしているときは純粋な愛だったかもしれないけれど、結果的にはよい演奏という見返りを求めることになり、それは愛ではない」とおっしゃいました。
 人に何かをするとき、後で何かをしてもらおうという、ある意味での下心があるようなことはしてはいけない。無理をするとそうなってしまう。
 博士は「自分をいっぱい大切にしていれば愛はあふれる、そのあふれた愛でコミュニケーションを取りなさい」と教えて下さいました。

トマティスメソッドは人間本来の力を引き出しているだけ

—博士に出会ったときに、自然体で楽に生きるためのスタート地点に立った。では、トマティスメソッドの全体像が見えたのはいつ頃ですか?

 ある朝起きたときでした。
 今考えると、CAVフォローアップで約束した三つ以外の言葉を思わず言ってしまい、パリに問い合わせて、「何を言ってもいいよ」と言われた時期だったと思います。
 CAVのフォローアップを始めた頃、博士が伝えてくださった各々の要素はできるようになっていたのですが、全体像が認識できませんでした。たとえれば、目を閉じて象さんの足を触ったり、耳を触ったり、シッポを触って、鼻を触って、象さんってどんな形かわからないと思っていたのです。それがその朝目覚めたときに、パズルの最後のひとつのピースがはまって象さんの全体像が見えたのです。
 その時「なあーんだ!」と思ったのです。「何を悩んでいたの。ほんと、何でもないことじゃない!」と思いました。CAVは、人間本来の力を引き出しているだけなのです。赤ちゃんの時にみんなできたことをもう一回やり直しているだけ。
 だから、CAVに関しては、「できない、というのは無しよ」と言っています。「できない」と言うのは、自分の可能性のすべてにシャッターを下ろすことになるのです。

自然体とは、自分の身体の状態を意識し、制御できるようになること


—トマティスメソッドは、人間本来の力を引き出し、自然体で生きるためのメソッドなのですね。自分が自然体かどうかはどう判断するのでしょうか?自分の状態を把握するのが一番難しいように感じています。

 それは、自分が楽かどうかということではないでしょうか。毎日生きていることが楽で、楽しい。作為がない。たとえば、私はCAVをするとき、どんな方に会えるかなと思ったら、いつもワクワクしています。何事もあまり苦労にしていないのです。
 私が実践しているのは、絶対に無理せず、腹八分で動くということ。そうしていれば、自分の身体にかける負荷が少なく、リラックスした状態でいられます。それが自然体なのではないでしょうか。
 人間というのは、少しでも自分を立派に見せたいと思いがちですよね。会社でお仕事したりすると、同期の中でどの地位にいるか、会社全体や部署の中でどういう立場にいるかということで、もしかしたら大きく見せなければ、と思って、みんながんばりすぎているのだと思います。みんながんばってる。なんでそんなに力を入れてるのっていうくらい力を入れてて、力が入っていることすらわからない。
 無理をするのは、本当にエネルギーロスだと思います。無理してがんばるから、それが全部ストレスになるのです。やるべきことはやらなければいけないし、努力はしなければいけない。しかし、無理な量の仕事が課されたときは「私にはやりきれないから手伝ってください」と言えるのが、コミュニケーションです。自分が無理なくやれることでよい結果を出せばよいのではないですか?
 無理なことはしない。やることは楽しくする。それが自然体でいられる原則です。

—無理かどうかというのは、どういうところで判断するのでしょう?

 リラックスした状態(※8)であれば、それは自分でわかります。無理しているかどうかというのは、ガチガチになったら気づかない。緊張しているから自分の身体の状態がわからないのです。リラックスしたときには自分のことが客観的に見えます。
 トマティスメソッドによれば「最小のエネルギーで最大の効果が出せるのは、あなたがリラックスしたとき。その状態のときにあなたのよいところが最大限に引き出せる」のです。それが自然体なのだと思います。

トマティス博士の言葉を忠実に伝えていく


—今後どんな形でトマティスメソッドを伝えていきたいと思っていますか?

 博士は「日本で開催されるCAVのすべてをあなたは観ているように」と言われました。私は、博士の言葉をひたすらノートに書いていました。フランスのインストラクターの方も、「これは博士の言葉です」と言って、毎回同じことを同じ言葉で伝えていました。今私も同じことを続けています。博士の短い言葉には博士の思いがたくさん入っているからです。
 バリエーションしない、できるだけオリジナルに近い形でひとりでも多くの方に伝えていく。もちろん今となっては私のやり方もいっぱい入れていますけれど、博士の言葉は「博士の言葉」と言って、その意味を必ず伝えています。それが博士から託された私の仕事だと思うのです。

「話すこと、歌うこと、生きること、愛することは同じである」

(アルフレッド・トマティス)

※次号は、「すべては聴くことから始まる」というテーマでインタビューをします。

この原稿は、日原美智子氏へのインタビューを宗形がまとめたものです。インタビューは、宗形がメインインタビュアーとなり、森田と村上、木村が補足質問する形式で行われました。

(※1)日原 美智子
東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。1993年トマティスメソッド音楽カウンセラーになり、アルフレッド・トマティス博士に出会う。博士のプライベートレッスンを受けCAVインストラクターとしての勉強を開始。1997年、CAVインストラクターの資格をパリ本部にて取得。以来、博士の言葉を伝えるべく、多くの受講者の指導にあたっている。

※CAV
トマティスの発声コースの名称で、フランス語のLe Cours Audio Vocalの略。トマティス聴覚トレーニングを受講した方を対象とし、聴覚トレーニングで調えた耳を使って、自分の本来の声に出会う4日間のコース。楽器となる身体をリラックスさせる体操から始まり、ナチュラルな発声の鍵となる響き(ハミング)を認識し、母音発声等を学ぶ。

(※2)テーブルに腰掛けて
CAVは「聴き取り」の姿勢をとることから始まる。そのとき大切なことは、骨盤が適正な位置にあり、十分にゆるんでいること。それによって、背骨を始めとする身体の各パーツも適正にゆるむ。足が床からフリーである方がそのポジションをとりやすいので、CAVでは、椅子ではなく、常にテーブルに腰かけて実習を行い、その感覚をつかんでいく。

(※3)ハミング
CAVの基本がこの「ハミング」。一般の鼻腔共鳴のハミングとは異なり、声帯の振動が直接背骨に伝わることで生じる最小の響き。自他共に聞きやすい声とは、この響きが伴なっている声であり、CAVはこれを認識することから始まる。身体に力が入っていると、柔らかいハミングにはならない。つまり、自分の身体を優しく使うことがCAVの大事な要素なのである。以下当冊子で、「ハミング」という用語は、このCAVで行うハミングのことを指す。

(※4)塵芥だから捨てろ。歌は歌うな。ハミングのみ。
博士は、今までの経験・知識をいったんゼロにして、ニュートラルな受信体にしたかったのだろう。
CAVでは、ハミングすることで身体をリラックスさせ、ニュートラルな状態に調える。「ハミングはこのメソッドのすべてだ」と博士は言っている。

(※5)受講者の方々に伝える言葉は3つだけ
CAVにおいて指導者は、受講者の音を全身で聴き、さらに全身で注意深く観察する。トレーナーとしてスタートさせるにあたって、言葉を限定することで、聴くこと、観察することにフォーカスさせたと言える

(※6)マダム村瀬
村瀬 邦子氏(1940〜2009)。日本とフランスの交流事業に携わり、その後一九九三年に日本人初のトマティス国際カウンセラーの認定を受け、トマティスジャパンを設立。聴覚トレーニングの他、カウンセラー養成講座の実施、トマティスメソッドの書籍出版、トマティス博士を招聘し講演会を実施するなど、様々な活動に取り組んだ。
書著『最強の外国語学習法』(日本実業出版社刊)

(※7)聴き取りの姿勢、深いブレス、母音
CAVでのよい発声の条件は、「聴き取りの姿勢」「リラックス」「深い呼吸」であり、それらが満たされた上での母音発声となる。

(※8)リラックスした状態
と言っても、現代人はリラックスすること自体が難しい。CAVのハミングは背骨を最小に振動させるので、身体の緊張も少しずつほぐれる。一日数分でもハミングすることで、次第にリラックスの感覚がつかめるようになる。響き(ハミング)を含んだ発声をするということは、実は話しながらリラックスするということなのである。

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