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批評&書評&音楽批評&散文

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どこまでも善良な文章を集めました。読んで心地よい気持ちになってもらえたら嬉しく思います。
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#小説

私の現代詩2.0宣言「私は今も中身の無いこどもな異邦人です」

私の現代詩2.0宣言「私は今も中身の無いこどもな異邦人です」

読書人口はひと昔前とは違いかなり少ないと実感する。知人たちの様子からすれば10%いかないとみる。多くの人は日々の営みに疲れ文字を目で追い思考する忍耐が辛くて仕方がないのではなかろうか。

文字を打って創出するのがメインのSNSさえも、その思考の労力に疲れてしまうものではと察する。ところが、詩を趣味にされてる人々のコミュニティに身を置くと、実感する読書人口10%が70%になる。倍率が微妙かと思われる

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塩狩峠/三浦綾子書評

塩狩峠/三浦綾子書評

キリスト教がどうして人を惹きつけるのか、キリスト教によって人は救われているのか、宗教によって人は救われるのか。 私が持つ宗教への疑いを黙らせる書がいくつかあって、その一つが「塩狩峠」。 信仰がもたらす崇高な生き方とはその宗教が持つ源に殉教がなければならない。なぜならば非合理が持つ訴求力の最大値は死であるから。

すべて真夜中の恋人たち/川上未映子書評

以前から気になっていた川上未映子作品を買った。
ありきたりの恋愛話だという感想があるけれども、ありきたりな恋愛がこの小説のテーマだろうし今の世の中、ありきたりな恋愛さえも手に入れることが難しい。本当はありきたりではないのだと思う。
人の巡り合わせはとても確率が低いなかで起きていて、その出会いを描くにはありきたりな物語とする以外にない。奇跡は感じるか感じないかだということ。

ヘブン/川上未映子書評

ヘブン/川上未映子書評

ラノベかという読み始めの印象。
いや、最後までライトなプロットではあるのだけれども、宗教的な要素が一部にある。「学校のイジメ」を赦しの原理にまで至らせている。
中学生が吐く台詞としては少し違和感があるけれども。
舞台設定が世紀末以前であるよりも00年代の現在にしたほうがよかったように思う。90年代の終わらなかった中学生たちと、今の「破滅するかもしれない国の中学生たち」では大きく違っていて、他者から

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