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ヘブン/川上未映子書評

ラノベかという読み始めの印象。
いや、最後までライトなプロットではあるのだけれども、宗教的な要素が一部にある。「学校のイジメ」を赦しの原理にまで至らせている。
中学生が吐く台詞としては少し違和感があるけれども。
舞台設定が世紀末以前であるよりも00年代の現在にしたほうがよかったように思う。90年代の終わらなかった中学生たちと、今の「破滅するかもしれない国の中学生たち」では大きく違っていて、他者からの理不尽な暴力を赦しの原理を持って受容することが可能な中学生がいるとすれば、自他ともに希望が無い前提であるべきかと。

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