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"コネ"ってなんだろう

フリーランスにとって仕事をもらえるというのは、とても大事な事ですよね。所属の場合は仕事が常にあるわけですから、仕事がないという心配はないわけです。まあ、確かにクビになれば話は別ですから頑張ってほしいものですが、仕事がある事が普通だと思うのは危険です。

フリーの場合は仕事がない場合にどうコンディションを保つか、そして仕事をどう入れて行くかによって人生も決まっていきます。自分で整理をしながら、書類と顔を突き合わせながらいくのですが、そこで前に書いたオーディションとは少し違う話があります。それが、俗にいう、「コネクション」です。


コネクションと聞くと、あまりいい印象は持たれない感じがします。「コネがあるからあいつはいいよな」「どうせあいつが受かんだろ?あそこにコネがあるからな」などと、想像しがちです。誹謗中傷もこんな感じで膨らみます。

では、そのコネクションがなぜに悪いのか?と聞くと、「コネクションをとる為に賄賂に走って取ってきたんだ」と思われているからではないでしょうか?

そういう印象を持たれがちであるからコネはいけない、独り占めしていると思われる。しかして、現実はどうでしょう。コネクションとは日本語で繋がりです。つまりは知り合い、気の合う仲間がコネクションなのではないでしょうか。


自分も最初はオーディションをやって勝ち抜いてカンパニーに入り、振付家に選ばれて仕事をこなす、それが正解なんだと思っていました。それは先ほど書いたように、コネはいけないものだという印象があったからです。しかし、今は違います。理由はコネクションもオーディションも捉え方で良くも悪くも印象が変わるから。

仕事を続けて行くと、その職業の中で知り合いができたり、顔見知りができますよね。すると知らない人なのに、「あ、誰々の友達?その人知ってるよ」という話も出てきます。オーディションをやっていた時は、数人が違うカンパニーを自分と同じものを受けていたので、顔見知りもできました。そして、実はこれもコネクションなのです。


コネは何も、カンパニー側とダンサー側だけではなく、ダンサーとダンサーでもあります。その時は何もなくても未来で、知り合いだからという理由で仕事が貰えることもあります。つまり、コネクションの一番の強みは知り合う事です。

これが持ちつ持たれつになってきて、その業界内での社会も生まれていきます。だから外から見えなくて賄賂があるんだと想像しまずが、賄賂して仕事をもらうのがコネだというのは一部です。ただ、これは残念な事に存在します。ボスだからと言ってダンサーに強制する、そして逆も勿論あります。一番怖いのが、この系統のコネは陰で行われているからです。公言していれば違う意味で捉えられるかもしれない。でも、このおかげでコネの印象はさらに悪くなる。


ただ恐れないで欲しいのは、コネクションを"使う"はいけないではなく、持つ事はとても大切だということ。一緒に仕事をした時に相性がよければオーディションをしなくても仕事が入るなんて幸福も発生します。

自分が主に働いているカンパニーの場合もそう、振付を教えに行ったり、前のディレクターの推薦でダンス学校に教えに行ったりと、これも言うなればコネです。

ようは、コネとは需要があればいいのです。だから、コネクションを創るというのは、自分の需要をあげれば自然とできてくるのです。だから、「コネを最初に創るのではなく、自分の需要を高めよう」と考えるのはどうでしょうか。

そして次に大事なのが「コネができなければ自分に需要がない」ではなく、そこに縁がないのだと一旦置きましょう。悔しければ見返してやる!でいいではないか。


教えに行っていた生徒に言われたことがあります。「なぜにダンサーを辞めずに未だにそこにいるのか、ダンス世界のカンパニーに枠ができないじゃないか」と

それははっきり言って違います。自分が抜けたところでその人が入れるとは限りませんし、枠ができたからと補充するのは大きなカンパニーだけです。さらに付け加えると、選ぶ方も選ばれる方も必死に掴み取った縁だからです。そして、その縁があった人との仕事になぜ需要があるのかが作品に現れるはずです。

「本当のコネクションの意味は、ご縁だ」と考えれば印象も変わるのでは?


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