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神経を残す虫歯治療と、セカンドオピニオン

 2023/05/25追記

 神経を残す虫歯治療としては、日本歯科保存学会が提唱している暫間的間接覆髄が、エビデンスもあり、保険診療としても認められており、最もオススメできます。
 虫歯との闘病体験を続けた上での最終結論はこちらです。

 以下の文章は、参考程度に読むよう、お願いいたします














 一年以上、自然療法で虫歯を直そうと頑張りましたが、ついに、歯医者で治療を受けてきました。
 ただし、歯は一切削っていません。例えるのならば、傷に薬を塗るような処置です。

神経に達した虫歯でも、神経を抜かなくて良い

 今回、ドッグベストセメント療法と、MTAセメント療法を紹介します。イラストを見てみましょう。

ドッグベストセメント療法
MTAセメント療法

 どちらの絵も、意味は同じです。虫歯が神経まで達していても、歯は削らずに、薬を塗って放置するだけです。

 足を骨折しても、適切な処置をすれば、ほとんどが元に戻ります。
 歯の神経を抜いたら、その歯は死にます。歯の神経を抜くとは、骨の髄まで恐ろしいことではないでしょうか。

治療の様子を紹介

 MTA療法による治療の様子を一件だけ、紹介します。
(参考にはしても、盲信はしないでください)

 ドッグベストセメント療法、MTAセメント療法を行っている歯医者さんは、全国にたくさんあります
 虫歯にお困りの方はご自身で調べるのが良いでしょう。

 また、神経まで到達した虫歯であっても、歯を削らず、神経を抜かずに治療できる場合があります。神経に達していないにも関わらず、歯を削ろうとする歯科医には、くれぐれもご注意ください。自分で知識を得て自分で治療方法を判断するのが良いと思います。

虫歯の進行具合

 基本にして超重要情報として、虫歯の進行度合い(C0~C4)を紹介します。

 最初はC0(要観察歯)です。虫歯になる一歩手前で、削らずに、経過を観察します。
 歯の成分が溶け出し、歯の色が白濁します。痛みはありません。

 歯には階層があります。一番奥が歯の神経。真ん中にクリーム色の象牙質外側が綺麗な白のエナメル質です。
 エナメル質に虫歯の穴が開いたら、C1の進行となります。痛みなどの症状は、ほとんど感じません。

 クリーム色の象牙質に到達したら、C2の進行となります。冷たい水を飲んだ時などに沁みますが、痛みが続くことはありません

 神経に到達したら、C3の進行となります。夜も眠れないほどの、ずきずきとした痛みが常に続き歯医者嫌いも歯医者に駆け込むレベルです。

 歯茎まで虫歯が進行したら、C4となります。神経が死んでしまい、痛みを感じなくなります

 さすがにC4の虫歯は、ドッグベストセメントやMTAでもどうしようもありません。神経を抜くか抜かないか以前に、神経が死んでいます

 削らない派の歯科医さんの中には、C3の虫歯であっても、神経が生きていれば、ドッグベストセメントやMTAによる治療を試みてくれる人がいます。

 私の場合は、ちょうどC2とC3の境目。ギリギリC2でした。

セカンドオピニオン

 たとえ、それらの療法を取り入れている歯医者さんであっても、盲信はいけません。私は歯の治療にあたって、3つの歯医者さんにレントゲン写真を見ていただきましたが、意見は真っ二つに割れました

 ①歯科さん、②歯科さん、③歯科さんとします。
 どの歯医者さんもドッグベストセメントとMTAセメント療法を取り入れています。

 ①歯科さんは、町の小さな診療所です。治療にあたるのは、不愛想な中年のおじさん院長ただ一人グーグルレビュー数は2件で、平均4.0ジャスト!

 レントゲンを見て、虫歯の進行はC2とC3の間で、ギリギリC2と判断されました。私は即日、ドッグベストセメント治療をしてもらい、ものの10分で終わりました。
 ただ、その治療内容と、あまりに不愛想で説明不足なおじさん院長に不信感を持ち、別の歯科医の意見を求めることにしたのです。

 ②歯科さんは、大人気のクリニック。若い歯科医のお兄さん・お姉さんが勤め30代半ばに見えるイケメン院長がいます。グーグルレビュー数は32件で、平均は驚異の4.7!

 ところがレントゲンを見てイケメン院長は言いました「お前の歯はもう死んでいる

 重度のC3で、ほとんどC4になりかけとのたまいます。ネットでC4の画像を探すと、先に紹介したように、もはや歯のていを成していないような画像ばかりです。
 ですが、私には、8割以上は元気なエナメル質が残っているのですが!?

 昨年12月初頭に見てもらいましたが、「いま痛みがないのは、神経がもう死んでいるから。神経が腐り始めるから、多分、年末にかけて今まで以上の痛みが出るよ」とケンシロウばりに恐ろしい予言までされました。

 私の症状として、2日間、ずきずきとした痛みが続いたため、虫歯はC3まで到達したものだと思ってます。歯医者嫌いの私も歯医者の予約を取りました。ただ、荒れぎみだった食生活を改善したところ、痛み止めも飲まずに、その痛みは無くなりました。
 仮説ですが、C3の虫歯であっても、再石灰化が起こって、進行がC2に戻った。または、アルカリの唾液により、虫歯の酸が常に中和されるようになった。などと考えています。

 私の想像ですが、このイケメン院長は「C3まで達した虫歯の症状がおさまるなどありえない。痛みがなくなったのは、神経が死んだから以外に考えられない」という判断をしたと推察しています。

 いや、こちとら痛み止めすら飲んでないんだが!? Twitterで他の人の虫歯体験など見るに、C3の痛みって、何週間も続いて、たった2日でおさまらないよね!?

 町のおじさん院長と、人気者のイケメン院長の意見は全く異なります。不安になりつつも、自分の神経は絶対に生きていると信じている私は、③歯科さんにも見てもらうことになりました。

 こちらも町の小さな診療所です。治療にあたるのは、柔らかい雰囲気のおじいちゃん院長ただ一人グーグルレビュー数は4件で、平均4.0ジャスト!

 そして①歯科さんと同じく、ギリギリC2と判断しました。

 イケメン院長に脅されて約2カ月。まったく歯は痛くありません。奴はケンシロウではなくアミバでした。

自然療法格闘レポート

 情報として、ドッグベストセメント、MTAセメント療法の紹介と、セカンドオピニオンの重要性までで一旦区切りとします。

 ここからは一年以上、自然療法で虫歯と格闘した経緯や、現在の経過などをまとめた、個人の体験談になります。

 ① 2021年11月
 これまで料理をしてこなかった私は、荒れた食生活をしていました。
 突如として、冷たい飲み物が強く沁みはじめます。この時点でC2の虫歯です。
 重曹うがいをすることで、口内をアルカリ性に保ち、虫歯の酸を中和できる重曹(NaHCO3)には唾液に含まれるHCO3-が多量に含まれている。と考え重曹うがいを始めました。
 しばらくの間、痛みを感じなくなります。

 ② 2022年3月
 痛みがなくなり調子にのった私は、重曹うがいの回数を減らしたり、食生活が再度だらしなくなったりします。
 突如として、冷たい飲み物が強く沁みはじめます。しかも①のときより痛みが大きく長い気がしました。

 虫歯の酸を中和するにも、歯の再石灰化をするにも、食生活が大事だと結論付けます。
 重曹うがいという外的な要因で口内を一時的にアルカリ性にしても、食生活が悪くて唾液の成分が悪ければ、虫歯の活動で口内は再び酸性に傾くし、歯の再石灰化も進まないと考えました。

 酸性食品の肉類、乳製品、卵、小麦などを徹底的に避け、アルカリ性食品の野菜や果物中心の生活に改善した所、再び痛みを感じなくなります。

 ②までの詳しい経過と、考えはこちら。

 ③ 2022年11月~12月
 しばらく実家で過ごすことになった私は、母に食事を任せます。
 野菜や果物も出してくれますが、酸性食品もたくさん出てきます。それをパクパク食べ、引かない痛みに襲われました。虫歯がC3に進行したと考えられます。
 急遽、実家を後にし、野菜・果物オンリーの食生活に戻したところ、痛みは2日で引きました

 虫歯のおかげで本気の食生活改善に取り組んだ私には、いくつかの奇跡的な経過が現れています。

 C2まで進行した虫歯は、急速に拡大し、あっという間にC3に達すると説明している歯科医さんがたくさんいます。ところが重曹うがいと食生活改善を行ったところ、C2からC3に達するまで、約一年もかかりました

 C3、つまり神経に達した虫歯は手遅れで、痛みが引きません。その痛みが引くのは神経が死んだ時だけと説明している歯科医さんがたくさんいます。私は痛み止めも飲まず、食生活の改善だけで2日で痛みが引きました

 私は唾液のph(ペーハー)を調べることにしました。歯が長く痛んでいた時、唾液のphは6.8で何と酸性に傾いていました
 唾液が酸性では、いくら分泌しても、虫歯の酸を中和することはできません。
 ところが、野菜オンリー生活をたった2食続けただけで、唾液のphは人外の7.8を記録します。

 こちらの歯科医さんによると、人の唾液のphは4.5~7.5の間だそうで、まさに人ならざるアルカリ唾液を記録し、私はびっくらこきました。
 その後、2日で痛みが引きます。

現状の結論

 体験ベースの話ですが、アルカリ性の食生活、アルカリ性の重曹によるうがいなどでは、虫歯の進行を抑えることはできても、完全に虫歯を除去することは難しいと考えています。
 野菜や果物ばかり食べている間、確かに歯の痛みはありませんでした。ですが、半年の間、一生懸命酸性の食品を避けても、1週間ほど油断して酸性の食品を多めに食べたら虫歯はC3に進行してしまいました。

 歯を削る外科的な処置でなく、歯を削らず、神経も抜かない治療が存在するので、C2の症状が出た時点で(C3になる前に)削らない派の歯科医さんに見てもらうという選択肢は、検討の余地ありでしょう

自然派の中の対立理論

 削らない派の歯科医さんや自然療法派の歯科医さんの中でも、大きく分けて、糖質悪玉論、つまり甘いものを避けようという考えと、アルカリ善玉論、アルカリ性の食品を選び、酸性の食事を避けよう、という考えがあると思っています。他にもありますが、個人的な重要ポイントです。

 糖質悪玉論では、果物は糖分の塊だから食べるべきではないという考えが多いです。得てして、炭水化物を軽視し、たんぱく質や脂質などの栄養素を重要視しがちです。肉類、乳製品、卵なども問題視しません。

 私はお察しの通り、アルカリ善玉論者(またはミネラルバランス論者)です。私から言わせれば、野菜だって炭水化物(=糖質+食物繊維)の塊です。

 酸性食品を食べれば唾液は酸性に傾きアルカリ性の食品を食べれば、唾液はアルカリ性に傾く。それは唾液をリトマス試験紙に浸して実験済みです。
 私たちと遺伝子が98%以上同じゴリラは、果物ばかり食べて、虫歯には生涯困りません。

 単純明快に、虫歯菌は酸を出して歯を溶かすのだから、常に分泌されている唾液はアルカリの方が良い、と考えています。

 そのためには何がアルカリ性食品で、何が酸性食品なのか?
 お酢やレモンなどの酢の物が、酸性食品じゃなくてアルカリ性食品に分類されてるのは何で?
 注意点として、酸と酸化は、全く違う化学現象酸の対はアルカリで、酸化の対は還元その違いを分かりやすく知りたい

 といった情報もありますが、こちらは歯にお困りの人だけでなく、健康情報全般として発信したいので、後日、別記事にてまとめます。
 結論だけ述べますと「野菜、果物もたくさん食べよう」となります。

 リトマス試験紙について、人体なのでphを0~14の範囲で調べる必要はありません。それよりも、中性の7.0付近を細かく知ることが大事です。
 こちらの試験紙は6.2~7.8の間を0.2刻みで評価できる優れもの。
 唾液の他にも人体だと尿。食品だと天然水のphも図れます。天然水なんてどれも同じだろと思いきや、ある水は酸性ミネラルに傾いていたり、ある水はアルカリ性ミネラルに傾いていたりします。

 ちなみに私の地域の水道水は6.6の弱酸性でした。

 食品をアルカリ性・酸性に分ける栄養学は、昭和には存在したものの、現代日本では終わった学問として扱う人はほとんどいません。
 その論拠はほとんど「酸性食品をいくら食べても、体内の血液のphは均衡され、変わらないから」と述べられています。

 余分な酸は、腎臓の働きにより尿として体の外に排泄したり、肺から二酸化炭素として排出されます。

 さらに残った酸は、腎臓で調節されるアルカリ性の重炭酸イオン(HCO3-)によって吸収されます。

 しかし、無からアルカリ性の物質を放出できるわけがありません。

 また、身体が酸性に傾くと、骨からアルカリ土類金属のカルシウムが溶け出すという説もあります。こちらの検証は充分ではありませんが、歯が酸で溶ける現象と似たメカニズムです。

好きなものは食べられないの?

 酸性食品のお肉、魚、米、麦、乳製品などを食べた後に、リトマス試験紙でphを図ってみました。
 野菜や果物もよく食べているからか、意外にもphは7.4付近をうろつき、7.2を切ることはほとんどありませんでした。
 バランスよく野菜や果物を取れば、酸性食品も楽しめると思います。

 血液のpH値の正常範囲は7.35~7.45なので、唾液のphがそれを下回るのは、黄色信号かもしれません。

唾液悪玉論

 歯の中には、神経だけでなく、血管が走り、血液をどくどくと流してくれています。

 小さい歯の一本一本に、力強い血管が通っているのです。

 歯科医さんの中には、唾液の細菌を敵視する人が多いです。唾液には、無数の細菌がいて、唾液が神経に触れると、どんな感染を引き起こすか分からないそうです。

 私の仮説、持論ではありますが、歯の神経は、唾液の細菌程度には負けないと思っています。

 歯すら溶かす虫歯菌(細菌)が神経に触れたら、中々大変でしょう。免疫が低い人は、そのまま負けて、神経が死んでしまうかもしれません。
 血液が流れているということは、当然、免疫細胞も、神経内をめぐっています。唾液に含まれる細菌程度に負けてしまうのでしょうか。手や指を怪我した時、傷口を舐めたとして、膿も炎症も残りません。


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