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モーニング娘。の『浪漫~MY DEAR BOY~』が好き過ぎる話。

今から16年前の2004年5月12日、モーニング娘。の22nd シングル『浪漫 ~MY DEAR BOY~』が発売された。そして、2020年になった今でも私のモーニング娘。The BEST of シングル曲である。今までこの曲の魅力を語る機会がなかったので、発売記念日の今日、持てる知識を総動員して書いていこうと思う。Check it out!(チェー!)

『浪漫』の基礎データ

2004年5月12日発売。オリコン初登場4位。売上8.7万枚。

初回版は三方背ボックス仕様でB5サイズのポスターが5枚付属。更に6月に幕張メッセで行われた発売記念イベントの参加券が封入された。

同時期に行われたモーニング娘。主演ミュージカル『HELP!!熱っちい地球を冷ますんだっ。』のテーマソングとなっている。

当時のメンバー構成は
飯田 圭織(1期)
矢口 真里(2期)
石川 梨華(4期)
吉澤 ひとみ(4期)
辻 希美(4期)
加護 亜依(4期)
高橋 愛(5期)
紺野 あさ美(5期)
小川 麻琴(5期)
新垣 里沙(5期)
藤本 美貴(6期)
亀井 絵里(6期)
道重 さゆみ(6期)
田中 れいな(6期)
14人体制となっている。

当時のモーニング娘。と世の中

発売当時の2004年頭、前年に起きたイラク戦争とそれに関連する出来事で世界は大きく揺れていた。日本国内でもこのイラクへの自衛隊派遣や、政治家の年金未納問題が連日ニュースを騒がし、混沌としていた。
時のモーニング娘。も激動の時代真っ只中であった。『浪漫』が発売される前の1月に、グループ結成から【モーニング娘。のマザーシップ】であり続けた【安倍 なつみ】が卒業。そして、そこまでのシングル曲がまとめられたベストアルバム『ベスト!モーニング娘。2』が3月に発売され、グループの歴史に一区切りがつけられた時だった。更にグループのマスコット的存在【辻・加護】の卒業がすでに決定していた。これからのモーニング娘。は一体どうなっていくのか、私を含めファンはかなりヤキモキしていた時期である。
そんな中で発表されたこの『浪漫』は今までのモーニング娘。のイメージを大きく変えるものだった。

『浪漫』が提示した新生モーニング娘。

まずはジャケットを見てみよう。

前作『愛あらば IT'S ALL RIGHT』のジャケットと並べると雰囲気がまるで違う。この『愛あら』では全員が笑顔。部屋着のような、カラフルでカジュアルな服を身に纏う娘。達はまさにアイドルだ。歌衣装も、ピンクと水色のジャケット&ベレー帽、チェックのスカートと、とてもかわいらしいものになっている。
一方、『浪漫』は全員黒と白のモノトーンな衣装。差し色の赤もまたカッコいい。そして、笑顔はなく、クールな表情。このクール路線はグループ初期の楽曲(『Memory 青春の光』等)にも見られたが、その時代の湿度高めな雰囲気とは違う、カラッとした、純粋なカッコ良さは、今までのモーニング娘。と明らかに違うことをビジュアルから認識させた。

続いて楽曲。当時のモーニング娘。の曲といえば、賑やかで楽しく、盛り上がれる曲だった。例えば前々作『Go Girl ~恋のヴィクトリー~』は年末の歌番組で度々披露され、番組を盛り上げていた。

そして愛や恋、平和や家族という牧歌的な歌詞と多幸感の強い前作『愛あらば IT'S ALL RIGHT』。安倍の卒業曲に相応しいものだった。

先述の通りクールな楽曲も存在するが、モーニング娘。といえばこれらの曲の様なイメージが強かった。

そしてその次にリリースされたのがこの『浪漫 ~MY DEAR BOY~』だ。ギターから始まり、一気に盛り上がりを見せるイントロ。軽快なバンドサウンドとサックスがとにかくカッコいい。なんと演奏には1980~90年代に活躍した『LINDBERG』『BARBEE BOYS』『レベッカ』のメンバーが参加している。この曲がカッコいいのも頷けるだろう。

さらにモーニング娘。の楽曲においてかかせないのが【パート割】。特にメインを任されるメンバーによって楽曲、ひいてはグループの印象まで変わるので非常に重要な要素だ。これは現在においても変わらない。『浪漫』は安倍 なつみ卒業後初のシングルで誰がメインを張るのか、ファンの間では非常に注目されていた。
結果、メインパートを任されたのは、石川 梨華・高橋 愛・藤本 美貴の3人。更に吉澤 ひとみが要所で脇を固める。全員かつてのモーニング娘。に憧れて加入した4~6期メンバーから選出され、正に新時代であることを感じさせる布陣だった。

こうして、ビジュアル、楽曲、体制を一新した新生モーニング娘。の象徴となった『浪漫』は、ファンの不安を吹き飛ばし、ライブでもイントロが流れた瞬間、会場のボルテージをMAXにする大人気曲となったのだった。

『浪漫』の基本的な事を語ったのでこの後からは個人的オススメポイントを紹介していく。

オススメポイント①とにかくカッコいい!

ここまでしつこく書いているが、とにかく『浪漫』はカッコいいのである。重低音をゴリゴリに効かせて大音量で聞きたい。ライブハウスとか野外ステージとかちょっと無骨な環境でガンガン盛り上がりたいサウンド。

当時のモーニング娘。は女性アイドルグループとしての地位を確固たるものにしていたが、全盛期に比べるとその勢いは衰えつつあった。私は当時中学生だったが、小学生時代あんなにモーニング娘。の話題で盛り上がっていた同級生達が次々と離れていく事に悔しさを隠せなかった。男子は『ORANGE RANGE』『175R』などバンド系に、女子は『浜崎 あゆみ』『倖田 來未』『大塚 愛』などの女性シンガー、アイドル好きもジャニーズへと推し変していく。そうした人達は皆『モー娘。はダサい』と口を揃えて言った。中学生の間どころか世間的にもそういう風潮になりつつあった。
そういう意見を聞く度に私は『お前ら浪漫ちゃんと聞いてみろよ!!モー娘。ナメんな!』という気持ちで一杯だった。口に出して言えなかったけど…。

そんな風潮の中でこの『浪漫』をバシッとパフォーマンスをするモーニング娘。は勇ましく、こちらが弱っても『私が守るわ』『正義を掲げなきゃ』と力強く歌う姿にとても勇気づけられた。この思い出もあって余計にカッコよく映るのである。

オススメポイント②藤本美貴の始動と吉澤ひとみの覚醒。

『浪漫』のカッコ良さを支えているのは【藤本 美貴】と【吉澤 ひとみ】だと思っている。この曲に登場する女性はとにかく強くて勇ましい。そんなキャラクター的に合致するのがこの2人。

藤本の媚びない、強くて存在感のある歌声がこの曲で存分に発揮されている。元々ソロでデビューし、紅白歌合戦にも単独出場。順調に活動していたが、2003年に突如モーニング娘。入りとなった藤本ミキティー。即センターかと思いきや、ここまであまり目立たなかった。加入後1年、ようやく彼女が生かされる曲が来たと同時に、その歌声が全面に出される事で今までにないカッコ良さが生まれた。

吉澤は冒頭のセリフとソロパート1ヶ所のみで歌割は少ない。しかし『浪漫』における彼女の存在感は凄い。金髪ショートのクールなイケメンが画面に映っただけでとにかく「カッケー!」と言いたくなるのである。
2001年のシングル『Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~』で華麗な男装を披露したよっすぃー。その後はガーリーな方に向かった…と思いきやレギュラー番組『ハロー!モーニング。』で見せるお笑いキャラが板についてしまっていた。しかし、この曲から再びイケメンなよっすぃーが復活。MVを見てもそのカッコ良さは圧倒的である。

吉澤・藤本両名が在籍した2007年春まではライブの鉄板曲だったが、卒業(脱退)後はあまり披露されなくなってしまった辺り、この曲における2人の存在は大きいのである。現在は新たな魅力が生まれているのでそちらはまた後で。

オススメポイント③ライブで盛り上がる!

『浪漫』はCDよりMVよりライブバージョンが1番良い。ファンはもちろんメンバーも一緒にテンション上がってとにかく熱く!盛り上がる。
個人的に好きなのは2004年春ツアー『The BEST of JAPAN』バージョン。アリーナのセンターステージで初っぱなから盛り上がる『浪漫』は最高に楽しい。

もう1つ、2007年春ツアー『SEXY 8 BEAT』バージョン。このツアー時点での最新シングル『悲しみトワイライト』と続けて披露されているのだが、この曲もまたカッコいい。曲終わりによっすぃーがアップになり『浪漫』のイントロが流れる。会場で見ていたら頭まっしろになりそうな流れ。

今、こんな時だからこそ『浪漫』を聞こう。

当時『地球温暖化防止キャンペーン』に賛同していたこともあり、歌詞もそれを意識したものになっている。温暖化とは違うが、2004年以降今が最も地球の危機ではないだろうか。自粛は辛いが『どんくらい 時間が過ぎたって 私は待てるわ』不安な日々は続くけど『未来にタスキ渡す 正義に迷いはない』私達には『平和という 無限の情熱がある』とりあえずうちで踊ろう『LET'S HAVE A DANCE NOW』…みたいな。

余談だが今、東京都を導く『小池 百合子東京都知事』が環境大臣だった2004年、まさに『浪漫』をリリースした時期にモーニング娘。は小池氏とお仕事をしていた。あの時の曲が、今の都知事の支えになってる、とかだったら凄いけど。

モーニング娘。'20の『浪漫』

発売から16年立った今も『浪漫』は歌い継がれている。3月末に行われたハロー!プロジェクト春の恒例行事『ひなフェス』にて『浪漫』は披露された。

12期メンバーで帰国子女『野中 美希』の流暢な冒頭の英語セリフは当時にはないスタイリッシュさを感じさせる。当時のメンバーはもちろん全員卒業。むしろ15期の『北川 莉央』は2004年生まれ、『岡村ほまれ』『山﨑 愛生』は2005年生まれとリリース時に生まれた子達が現役メンバーとなっている時代になった。
時代の変化と共にパフォーマンスレベルも向上。強くてカッコいい女性達が集まったモーニング娘。'20の『浪漫 ~MY DEAR BOY~』は更にカッコいいものに仕上がっている。これからも最高にカッコいいモーニング娘。の象徴として歌い継がれていくことを本気で願っている。

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