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朗読企画◇其の六

朗読企画第6回。

さきほどアップしました掌篇『Z夫人の日記より<106>』を、朗読いたしました。6分弱です。よろしければ、お付き合いのほど。

そして今回も贅沢に。ジャズ、およびオリジナル楽曲で御活躍のピアニスト、上村美智子さんにBGMをつけていただきました。

「曲、っていうちゃんとした形でなくていいから、なんとなくポロロンて感じで鳴らしてくださる?」
とお願いしましたが、全然「なんとなくポロロン」でない、美しくも妖しい衣裳でコーディネートしてくださり(BGMって視覚的にも生んでくれるものが強いですね)。

昨年より朗読のいぬいゆうたさん、三味線の伊吹清寿さん、そして上村さんと、勿体無いほどの刺激、貴重な体験を賜り、心より、有難く感じています。

「不合理を承知のうえで、無形のものの為に闘う、その無駄と心意気が、誰かの心に印象づけられると信じている」
これは昔の或るデザイナーの発言の要約ですが、よく思い出す言葉です。
私からは基本、無形で無意味なものしか出てこず、その「無形」を小説とかいった形式にどうにかおとし込もうとする訳ですが、ふだん独りでしているとどうも、弛んでしまいがち。「闘」えてないんですよね。
「心意気」あるクリエイターさん達とセッションさせて貰うことで、「1文字も無駄に出来ない、だいじに編まなくては」「ナンセンスでも無益でも、悔いのないものを描く」と、改めて火がつく心地がいたします。

ちなみに「黝苑(ユーエン)」というのは上村さんと私のユニット名です。「黝」という字は訓読みだと「あおぐろい・くろい」です。黒い夜が明ける際、或いは沈むこむ前の、青みがかった時刻をイメージしています。

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